あるいは人狼用のカードセットが数分で200ドル、数日で8000ドル以上集めるまで
ボストンで行われた、ゲーマー向けイベント“PAX EAST 2013”。クラウドファンディングサイトのKickStarterは“The Official Kickstarter Panel”と題したパネルディスカッションを開催した。
パネルディスカッションには、KickStarterでコミュニティ統括を行うCindy Au氏のほか、ゲーム担当のLuke Crane氏、そして2名のKickStarterで成功した開発者が出席した。
クラウドファンディングとは、一般の人に出資を募り、さまざまなサービスや製品などのプロジェクトを成立させる仕組みのこと。KickStarterやIndiegogoといったクラウドファンディングサイトで製品化実現を目指すゲームが急増しているのはすでに何度かご紹介している通り。
これまでであれば開発完了まで製作可能な自己資本か、パブリッシャーやベンチャーキャピタルなどの出資がないと厳しかったところ、ファンさえ惹きつけることができればたとえニッチなプロジェクトでも実現できるということで、インディー開発者から新しもの好きまで、さまざまな人の注目を集めている。
パネルディスカッションの内容自体はありきたりな内容だったが(プロジェクトの説明はわかりやすく、なぜ出資が必要なのかちゃんと説明しよう、とか)、面白かったのは登壇者のひとりMax Temkin氏が出資募集開始までの説明を行うために、本当にプロジェクト“Werewolf”を立ち上げたことだ。
これはいわゆる“人狼”を遊ぶためのケース付きのかわいいイラストカードセットなのだが、出資希望額(期間内にこれを超えないと出資成立しない)200ドルを説明している最中にクリアー。数日経った現在では、すでに700人以上から8000ドル以上の出資が集まっている。
出席者にはKickStarterで何かプロジェクトを始めようとしている人も多く、挙手を求めると数十人の手が一斉に挙がっていたのが印象的。質疑応答も「カナダではスタートしないのか?」(現状ではアメリカかイギリスに住んでいないとプロジェクトを開始できない)、「現在プロジェクト進行中で、途中でスランプ状態に陥ったがどうしたらいいか?」といった具体的なものが多く、関心の高さが伺えた(ちなみにKickStarter関連のパネルディスカッションはこれ以外にもあった)。
ちなみに前者は「現在検討を進めている」とのことで、できれば拡大政策を続けて日本向けサービスも開始してほしいところだ。