開発会社Crytekからプロデューサー来日!

 2013年3月17日、エレクトロニック・アーツは東京・秋葉原UDXシアターにて、“祝・『クライシス3』発売!ファン感謝祭×お疲れ、我らがプロフェット隊長凱旋帰国イベント”を開催した。

 このイベントは3月7日に発売されたPS3、Xbox 360、PC用ソフト『クライシス3』の発売を記念して行われたもの。抽選で選ばれた約100人のゲームファンが会場に詰めかけた。

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▲MCはFPS界の重鎮、 uNleashed 田原氏。
▲ゲーム解説・実況を担当した(左から)BRZRK(バーサーク)氏、StanSmith(スタンスミス)氏

 最初は本日の主役“プロフェット隊長”をステージに招いて、数々のリアルミッションの模様を写真を見ながらトーク(ただし隊長は無言)。これらの活動の模様は公式ブログ「プロフェット隊長の秘密基地」でも公開されているが、なかでも注目は合コン。

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▲合コンでモテモテの隊長。
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 この合コンに同席したStanSmith氏によると、ナノスーツは上半身だけで写真に写らない部分ではジーパン姿だったとのこと。なお、この合コンに呼ばれなかったBRZRK氏が寂しげに「出会い、欲しいな」とつぶやいた。

 続いて、『クライシス3』プロデューサーを務めるCrytekのマイク・リード氏がステージに登場。Crytekの開発体制や環境について語った。世界中にスタジオを構えるCrytekの従業員数は約800人、そのうちドイツ・フランクフルト本社には約400人が在籍しているという。

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 ユーザーからWebで事前に募集した『クライシス3』に関するコアな質問にも答えてくれた。PC版でハイエンドなグラフィック表現を実現している『クライシス3』だが、家庭用ゲーム機(PS3版、Xbox 360版)の開発に際して苦労した部分を聞かれると、「どうしてもスペックが足りないことで諦めなくてはいけない部分、外さなくてはいけない部分が出てくる。そこでユーザーのゲーム体験を変えないように、うまくバランスを取りながら、外す部分と残す部分、ときには追加する部分を選択することは極めて難しい」と振り返った。

 また、『クライシス』シリーズの将来的な展望については「“ナノスーツ”の機能をユーザーがカスタマイズできるプラットフォームを提供したい」と語り、さらに「『3』でシリーズが完結したとは思っていない」としながらも、「今後はこれまでとは違ったアプローチの作品ができるのではないかと」と明かした。

 会場からの質問では、世界中から才能が集まるCrytekにおいて開発チームをまとめることの難しさに触れ、「クリエイティブな人材、技術系(テクニカル)の人材、もしくはその両方を兼ね備えた人材など、さまざまなタイプが同じく席を並べるゲーム開発のような現場は珍しいと思う。そのため、多大な時間と労力を人材管理に費やしていることは事実だが、多彩なスキル・個性がうまく融合したときに予想もしなかったものが生まれることもあり、それもこの仕事の魅力のひとつ」と語った。

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 その後、『クライシス3』のマルチプレイによるエキシビションマッチが、会場から選ばれたプレイヤー10人とBRZRK氏(1戦目)またはStanSmith氏(2戦目)による個人戦(デスマッチ)で行われた。

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▲エキシビションマッチの上位者にはTシャツを贈呈。会場の観覧者にもAMD社より抽選でプレゼントが贈られた。

マイク・リード氏にインタビュー

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――無事『クライシス3』が発売されましたが、開発中はどのような作品を目指していたのでしょうか?

「1作目、2作目で学んだことを生かして、最高のゲームを作ろうとしました。ただし、これまでの作品とまったく異なる『3』にしようと考えたことはなく、ゲームの根幹は変えずにストーリーテリングの部分に力を入れました。最近はゲームの世界でもポピュラーになりつつありますが、パフォーマンスキャプチャーを採用しています。アクターの声だけではなく、動きやアクションも取り込んで、ゲームに反映する映画的な手法も取り入れました。『クライシス3』はシリーズの集大成であり、一連の物語の完結作として捉えてもらってもいいですね。」

――ストーリーテリングの話が出ましたが、とくにアピールしたいところは?

「ストーリーテリングの中でも、とくに重視したのはキャラクター自身です。1、2作目の時点では、まだキャラクターの個性を描ききれていないと感じていました。テクノジーの面(パフォーマンスキャプチャー)に加えて、キャラクターを強く実感できるように意識して開発しました。また、ストーリーについてもユーザーが感情を揺さぶられる難しい決断を迫る演出を取り入れたいと考えました。このような映画的な手法と、ゲームが持つインタラクティブ性のどう融合していくのか? 『クライシス3』でも試みましたが、今後の将来的なゲーム開発においても追求していきたいと思っています。
 実際、『クライシス3』のムービーを映画監督のアルバート・ヒューズ氏に制作してもらいました(YouTubeにて公開中)。映画界が持っている長い経験とノウハウを生かして、ゲーム体験をより豊かにすることができると思いますし、一方ではゲームの手法を映画に生かせるところもあるはずです。互いの境界線を曖昧にすることができたらいいですね。」

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――まだ『クライシス3』をプレイしていないユーザーに向けて注目してほしい点は?

「ユーザーがスムーズにゲームの世界に入り込んで、楽しんでもらえるように改善しました。それは操作性やゲームシステムなどさまざまで、シリーズ初となるチュートリアルも搭載しています。さらにシリーズを通じて掲げているコンセプトなのですが、世に出ている多くのFPSとは違った体験が『クライシス3』にはあります。シングルプレイにも先進的な試みを盛り込んでいますが、とくにマルチプレイで実感してもらえるはずです。」

――新規のユーザーを獲得するために、マーケティングの面で意識したことは?

「より幅広いゲームファンに『クライシス3』を訴えかけるべく、マーケティングは完全にやり方を変えました。これまでは良くも悪くも“真面目”なマーケティングといった印象だったのですが、今回はブログやソーシャルメディア、番組配信などを活用しました。先ほどもお話ししたように、ゲームプレイの面でもシリーズ未プレイでも楽しめるように改善を加えています。」

――ダウンロードコンテンツの配信予定はありますか?

「現時点ではまだ具体的に発表できる内容はありません。ただ『クライシス』シリーズが作品を重ねて、オリジナルの世界を作り上げることができましたので、これをさらに発展するために、今後どのような展開ができるのかを考えたいと思っています。」