名曲しかない豪華なライブ!

“せがた三四郎劇場feat.藤岡弘、&セガサウンドユニット[H.]”名曲連発、セガサターンCMの意外な秘話も飛び出した激アツなライブをリポート_01
▲会場入り口では、せがた三四郎がお出迎え。

 2013年3月16日、東京テレビセンターにおいて、せがた三四郎feat.藤岡弘、&セガサウンドユニット[H.]のコラボイベント、“せがた三四郎劇場feat.藤岡弘、&セガサウンドユニット [H.] ~真面目に遊ばぬ奴らに喝!~”が開催された。

 このイベントは、セガが誇る、セガ所属コンポーザーによるバンド“セガ・サウンドユニット[H.]”のライブと、かつてセガサターンのテレビCMキャラクターとして一世を風靡した“せがた三四郎”こと藤岡弘、氏によるトークショウが楽しめるという、一粒で二度おいしい内容。会場には、発売後すぐに完売となった貴重なチケットを入手できた熱心なファンたちが詰めかけた。

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▲物販コーナーも充実。

 第一部は、[H.]によるライブだ。オープニングは、会場みんなで歌える定番曲『Let's Go Away 2004』。さらに『龍が如く5 夢、叶えし者』からの最新曲『The Battle for the Dream』、そしてこれまた人気曲の『In The Blue Sky』(『電脳戦機バーチャロン』)と、立て続けに披露された。
 ここでスペシャルゲストの能登有沙さんが登場し、『猫日和。』をカワイイダンスとともに可憐に熱唱。
 最後に、光吉猛修氏と能登さんが、定番中の定番曲、『愛がたりないぜ 2004』を熱唱したところで、第一部は終了となった。

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【第一部セットリスト】
1 Let's Go Away 2004 (デイトナUSA)
2 The Battle for the Dream (龍が如く)
3 In The Blue Sky (電脳戦機バーチャロン)
4 猫日和。(歌:能登有沙) (maimai)
5 愛がたりないぜ 2004(歌:光吉猛修・能登有沙) (アニメ「バーチャファイター」OP)

CM秘話――コントローラが血に濡れる過酷な撮影現場!?

 続いてステージには、せがた三四郎こと藤岡弘、氏が登場し、「せがた三四郎復活! 宇宙より呼び戻してくれてありがとう!」と力強く挨拶。さらに、一連のせがた三四郎が登場するセガサターンのCMを手がけた博報堂のCMプランナー安藤宏治氏も登場し、ここからは第二部、トークパートとなり、あの名作CMの秘話が語られていった。

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 まず、このユニークなCMが誕生した経緯について安藤氏は、当時ライバルだったプレイステーションが、「勢いとしても、CMの内容についても元気だった」(安藤氏)ため、それに対抗する方法として、「大きなフレームを作り、すべてのCMをそのフレームの中で作ったうえで、視聴者の目を強引に向けてしまおうと」(安藤氏)ということで打ち出したものだったのだそうだ。その中で“せがた三四郎”というキャラクターを考えたわけだが、最初の時点から、「お願いするのは藤岡さんしかいない、と思っていました」(安藤氏)という。またオファーを受けた藤岡氏も、「僕は直感人間なのですが、何かピーンとくるものがありました」と、最初から乗り気だったとのこと。まさに実現するべくして実現した企画と言えるかもしれない。

 そしてCM制作がスタート。1年足らずで19本のCMが制作されたが、これについて安藤氏は、「当時としては相当なハイペースでした」とのこと。しかし、このCMに関しては産みの苦しみが少なかったそうで、それは、せがた三四郎が“生きたキャラクター”になっていたため、「コンテを描き始めると、せがた三四郎が勝手に動き出してくれる感じでした」(安藤氏)と、つぎつぎとアイデアが浮かんでいったからなのだとか。
 藤岡氏も、「スタッフの思いが伝わってくるから、僕も魂、心、思いが、すーっと入っていくんだね。やりやすかったし、とても楽しんでやれました」と、現場の士気がきわめて高かったことを強調していた。

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▲少年野球編、クラブ編、爆発編、修行編、瓦割り編、龍の舞編……と懐かしの映像が続けて上映。会場は爆笑の嵐!

 しかし現場の士気は高くとも、撮影はかなり過酷なものだったそうだ。たとえば“修行編”で藤岡氏が背負っている巨大なセガサターンは、「構造的に持ちにくくて、体感としては80キロくらいはあったのでは」(安藤氏)という重さ。藤岡氏は、それを背負い、砂利道を裸足で走っているのだから、つらくないはずがない(しかも4、5テイクは撮ったのだそうな)。またせがた三四郎が巨大なコントローラに正拳突き連打をかましているシーンの撮影でも、撮影後にコントローラを見てみると、「ボタンが破損して、血が付いていました」(安藤氏)という壮絶さ。しかし藤岡氏は、「スタッフも、僕がどうやるのかじーっと見ているし(笑)、壊してもいいというので。血豆ができたりもしましたが、楽しかったですよ」と笑顔で語っていた。
 後期のCMでは、燃え上がる炎の中に飛び込んだり、スケートリンクを裸足で走ったりと、より激しい内容となっていくが、“CGを使わない”というコンセプトのもと、スタントマンもなしで、すべて藤岡氏が本当に演じていったのだそうだ。

 一連のCMの根底に流れるテーマとして、安藤氏は、「師弟愛というテーマで作ろうと思いました。ダラダラ遊んでいる子どもたちに、せがた三四郎が活を入れる。せがた三四郎は遊びの師匠、真剣に遊ぶ存在として描きたかったんです」と語る。
 藤岡氏も、「師弟愛は、すごく深いものがあります。父母の心情を持って育てる精神、人間愛は、日本人のすばらしい財産。いまの日本にこそ必要なものだと思います」と力強く同意していた。

せがた三四郎、真の復活なるか……?

 トークショウでは、いまなおファンの記憶に残る、最終回についての話題も。飛び降りるシーンの撮影では、藤岡氏も「ああ、これで最後なんだな、と」と感慨深いものがあったそうだ。安藤氏も、「最後に藤岡さんが叫んだときに、涙を流されているように見えて、スタッフ全員がもらい泣きしてしまいました」と、制作陣が強い思い入れを持って制作していたことを改めて語った。また安藤氏からは、「ドリームキャストが出るという話を聞いたときから、最終回を作ろうというのは決めていました。感謝と尊敬の思いを凝縮して作ったのですが、思いが詰まりすぎて、通常は15秒か30秒で作るところが、60秒の映像になってしまいました」というエピソードも明かされた。

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▲感動の最終回。ちなみに安藤氏もこの最終回など、いくつかのCMにみずから出演し、思いを込めて演じていたのだそうだ。

 ちなみに最終回の映像では、最後にせがた三四郎が乗ったロケットが爆発するシーンがあるが、ファンの間で「画面右上にパラシュートで脱出するせがた三四郎の姿が見える」と話題になっているそうだ。しかしこれは、「スタッフが意図したものではないんです」(安藤氏)とのこと。
 ただし安藤氏は、「でも、スタッフの知らないところで脱出していたのかな、と。いまこうして(イベントで)復活しているわけですし、あのとき生きていたんだな、と僕は思っています」と語る。また藤岡氏も、復活を強く希望する観客たちの声に応えて、「せがた三四郎復活、武士道精神の復活。いいと思うな。落下傘で降りてきた……それが現実になってほしいね」と発言。最後に藤岡氏は、「また必ず逢いましょう!」と力強く宣言し、第二部を締めくくった。

“セガサターン、シロ!”の大合唱!

 続いて第三部では、再び[H.]と能登さんが登場。せがた三四郎の登場に盛り上がった観客の期待に答えて、“セガサターンヒット曲メドレー”を披露した。
 そして最後には、胴着を身につけ、せがた三四郎として完全復活した藤岡氏がステージに再登場。『セガサターン、シロ!』をフルコーラスで、会場にいる全員が合唱! 締めくくりに、せがた三四郎の「せがた三四郎復活だ! ウォー!」という雄叫びがステージに響き渡り、濃密なライブは幕を閉じた。

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【第三部セットリスト】
1 Burning Hearts ~炎のANGEL~ (バーニングレンジャー)
2 Conquista Ciela (電脳戦機バーチャロンシリーズから)
3 未来へと続く空 (ビクトリーゴール)
4 ネーネーどうして?(歌:能登有沙) (ファンタジーゾーン)
5 DREAMS DREAMS(歌:光吉猛修、能登有沙) (NiGHTS)
6 セガサターン、シロ!(ショートver.) (せがた三四郎真剣遊戯)
7 セガサターン、シロ!(藤岡弘、ver.) (せがた三四郎真剣遊戯)

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▲終演後、グッズ購入者に[H.]のメンバーがその場でサインをしてくれる大サービスも。

 なおこのライブの模様は、ニコニコ生放送のタイムシフト視聴で観覧することができる(有料。1800ポイント)。第一部途中までは無料で試聴できるので、興味がある人は、視聴ページ(→【コチラ】)をチェックしてみよう。