Xbox LIVEでいちばん熱いコーナー! 世界のインディーズ作品を独断と偏見で紹介!

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▲インディーズなのでクオリティーは玉石混交。ゆえに商業ベースにはない個性的な作品に出会える場でもあるのだ。

 ゲームファンであれば、誰もが一度は“一流ゲームクリエイター”を夢見るもの。ここで紹介する”Xbox LIVE インディーズ ゲーム”は、そんな夢を追い続けるアマチュアクリエイター(ときにはプロのクリエイターも!)が、日夜新作をリリースしているという、Xbox LIVEでもナンバーワンの更新頻度を誇るコーナーだ。ここでは、筆者の独断と偏見に基づいた注目作3タイトルをピックアップ!
 今月はレトル風シューティング、アクションアドベンチャー、アクションパズルの3タイトルをご紹介するぞ。

オススメその1 ~ハイテンポかつ爽快なレトロシューティング~

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タイトル:Bad Caterpillar
ジャンル:シューティング
製作元:Fun Infused Games
価格:80MSP

 画面上から登場するイモムシ風の幼虫を退治する固定画面シューティング。登場する敵は昆虫がモチーフになっているようで、節(フシ)がついた幼虫は寸断されるとそれぞれバラバラに動いて画面下に迫ってくる。
 グラフィックはビデオゲーム黎明期の8bit風で、レトロ感覚満載ながら、敵の動き、ショット感覚がハイテンポで非常に爽快。折々に登場するクモやサソリなどのボーナスターゲットもいいアクセント。敵を倒すと出現するパワーアップアイテムも、威力や連射スピードアップなどシンプルながら効果的で、いい相乗効果を生み出している。
 レトロ風味のタイトルは、いわゆる“狙いすぎ”で失敗する例が多いが、本作はそのあたりのバランスが絶妙で、なにより“プレイしていてすなおに楽しい”と感じさせてくれるのがいい。レトロゲームファン、シューティングゲームが好きな人はもちろん、カジュアルに短時間で楽しめるタイトルを求めている人にはとくにおすすめだ。

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▲画面上にいる水色の敵が幼虫。イモムシというよりは、どちらかというとムカデ風?
▲登場する敵は昆虫がモチーフ。素朴ながら味わいのあるグラフィックがいい感じ。
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▲幼虫は長い胴体が寸断されると分離してそれぞれ別の生き物として動き出す。
▲パワーアップアイテムはゲージ表示の残弾性。これまたいいアクセントになっている。

オススメその2 ~ドット絵が味わい深いアクションアドベンチャー~

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タイトル:Ascent of Kings
ジャンル:キャラクター アクション
製作元:Nostatic Software
価格:80MSP

 逝去した王様の後継者を目指して冒険するアクションアドベンチャー。主人公は、4兄弟の末っ子。冒険に先立ち、3人の兄にはスリングショット(パチンコ)、グローブ、ブーツとそれぞれ冒険に役立つアイテムが与えられるが、末っ子に対する父の態度は「お前はまだ若すぎる」の一点張りで何もくれないといった有様。
 それでも「やれるよ! 僕だって王様になりたい!」と冒険に出る末っ子。往年の名作『レミングス』などをほうふつとさせる表情豊かなドット表現は、Nostatic Softwareらしいテイストで、レトロゲーマーの琴線を気持ちよく刺激してくれる。操作性もよく、謎解きがすなおに楽しめる。
 本作のツボは、グラフィック表現もさることながら“適度な難易度”につきる。道中倒れている兄弟を助けて少しずつ行動範囲を広げていくが、手探りの範疇が“かゆいところにスッと手が届く”バランスになっており、ついつい先に進みたくて仕方がなくなってしまう。あまりにもシンプルなグラフィックに初見で避けてしまう人も少なくなさそうだが、それはあまりにももったいない。何度も遊べる作風ではないが、アクションアドベンチャーが好きな人はぜひお試しいただきたい。

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▲4兄弟の末っ子が主人公。父は3人の兄にそれぞれアイテムを授けるが、主人公には「小さすぎるからダメ」とにべもない。
▲それでも「僕やれるよ! いまに見てろ!」と父に言い放ち出発。王権の守護者は「まだちびっこいが素質を感じる。よし通してやろう」と許可。
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▲ステージギミックは、ひとつひとつの要素はシンプルだが“さりげないヒント”がイカす。
▲道中で倒れている兄を助けると、父から授けられたアイテムをゆずってくれる。これでさらに冒険の奥行きが広がりを見せていく。

オススメその3 ~石球勝負は柔(やわら)の道!?~

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タイトル:Marble Masters: The Pit
ジャンル:戦略 & シミュレーション
製作元:Polyart
価格:80MSP

 石球を操作してほかの石球を下に落としていくアクションパズル。これ系の作品はナムコ(現バンダイナムコゲームス)の『モトス』(1985年)など、昔からいろいろなパターンがあるが、本作は“質感”にこだわったようで、巨大な石球を転がしているかのような“ゴリゴリとした重量感”が味わえる。
 ルールはシンプルで、CPUもしくはほかのプレイヤーが操作する石球をすべて下に落とせばいいというもの。ステージによっては障害物や構造がイレギュラー要素として存在するため、単純にぶつかっていけばいいというものではない。これ系の作品は“押すか引くか”が重要になってくるが、本作は“引く”が正解。最初は慣れないかもしれないが、柔道で相手の力を利用するかのごとく、相手の勢いを利用するのがコツだ。
 ゲームスピードは“マッタリ感”に満ちており、「爽快感あふれるゲームがやりたい!」という人にはちょっと不向きかもしれない。ただし、一度に複数のライバル石球を蹴落とした瞬間のカタルシスは相当なものがあり、逆にミスしたときの「うわあああ!」という凹まされ感も強烈。ゆえにシングルよりはマルチプレイがおすすめだ。

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▲石球を転がして、CPUもしくは他プレイヤーが操作するライバル石球をすべて落下させれば勝利。
▲落とす場所ステージ内のあちこちに穴があったりと、単に外側だけとは限らない。
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▲基本的にはマッタリじっくり系だが、時間制限があるのでゆっくりやっているとゲームオーバー。
▲これ系は駆け引きが重要だが、本作は引きというか“いなし”が基本。ただ押すよりも断然効果的だ。

■著者紹介:豊臣和孝
フリーライター。月刊時代のファミ通Xbox 360誌よりファミ通.comにて実質コーナー継続中。今月はゾンビものが少なくてちょっと意外。2月はゾンビの季節ではないのかもしれない。