愛知の代表はやっぱり!?

 アークシステムワークスによる、同社のアーケード版対戦格闘ゲームの全国大会“ARC REVOLUTION CUP(アークレボリューションカップ)”、通称“あーくれぼ”。今回は、名古屋で行われた『ブレイブルー クロノファンタズマ』のエリア決勝の模様をリポートする。

あーくれぼ『ブレイブルー』愛知エリア決勝をリポート――タオカカのメッカ、愛知の代表はやっぱり!?【ARC REVOLUTION CUP】_01

■ARC REVOLUTION CUPとは?
ARC REVOLUTION CUP(アークレボリューションカップ)、通称あーくれぼは、『ブレイブルー クロノファンタズマ』、『ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ』、『ギルティギア イグゼクス アクセントコア プラス アール』というアークシステムワークスの3タイトルを競技種目とした、国内最大規模のアーケード版対戦格闘ゲームの全国大会。全国各地のゲームセンターで開催される店舗予選、店舗予選勝者が集うエリア決勝を勝ち抜くと、2013年5月19日に開催される同社の創立25周年記念イベント“ARC SYSTEM WORKS FESTIVAL(アークフェス)”内で実施予定の決勝大会に出場できる。なお、同大会はトーナメント方式で、各タイトルの最強を決めるべく1on1の試合形式が採用されている。

【ARC REVOLUTION CUP概要】
◇大会名称:ARC REVOLUTION CUP(アーク レボリューション カップ)
◇競技種目:
・BLAZBLUE CHRONOPHANTASMA(ブレイブルー クロノファンタズマ)
・ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ
・GUILTY GEAR XX ΛCORE PLUS R(ギルティギア イグゼクス アクセントコア プラス アール)
◇予選大会:2013年2月16日(土)~2013年4月21日(日)
◇会場:全国の予選実施店舗
 ※詳細は、公式サイトの予選店舗スケジュールをご覧ください。
◇全国決勝大会:2013年5月19日(日)
 会場:パシフィコ横浜 国立大ホール
 (ARC SYSTEM WORKS FESTIVAL(アークフェス)内に実施)
◇主催:アークシステムワークス
◇公式サイト(こちら

熱気溢れる名古屋予選!

 2013年3月3日、愛知県名古屋市のアーバンスクエア大須店にて、『ブレイブルー クロノファンタズマ』(以下、『BBCP』)の店舗予選と愛知エリア1の代表者を決めるエリア決勝が開催された。店舗には予選開始前から多くのプレイヤーが集まり、野試合が盛んに行われたほか、プレイヤーどうしが笑顔で交流を深めていた。

あーくれぼ『ブレイブルー』愛知エリア決勝をリポート――タオカカのメッカ、愛知の代表はやっぱり!?【ARC REVOLUTION CUP】_02
あーくれぼ『ブレイブルー』愛知エリア決勝をリポート――タオカカのメッカ、愛知の代表はやっぱり!?【ARC REVOLUTION CUP】_09
予選が開催されたアーバンスクエア大須店。右は、プレイヤーとして大会に参加しながら、実況に映像配信までをこなしていた、うぃすらー選手。

さて、これまで筆者は、『BBCP』の取材で名古屋に訪れたことがなく、名古屋の対戦事情については正直あまり詳しくない。そこで、地元のプレイヤーに名古屋とはどういう地域なのか話を伺ってみたところ、「名古屋はタオカカが多いですね」、「名古屋はタオカカのメッカですよ」といった意見を多く聞くことができた。どうやら、『BB』界で“魔王”と恐れられるカリスマプレイヤーの辻川選手(タオカカ)がたびたび名古屋に訪れるそうで、彼のプレイに影響を受けてタオカカを使い始めた人も多いとのこと。名古屋の『BB』シーンを盛り上げるプレイヤー、“うぃすらー”選手(タオカカ)によれば、「以前は、大会参加者の半数以上がタオカカだったこともありますよ(笑)」というほど、タオカカ使いが多い地域だという。一時期に比べて使用者の数は減ったそうだが、他の地域に比べればかなりタオカカ人口が多いようだ。一方で、「関東に比べてジンを使う人が少ないと思います」とうぃすらー選手。都内でよく見られる、スタンダード系筆頭ともいえるキャラクターのジンが少ないというのは少し意外な印象を受けた。


あーくれぼ『ブレイブルー』愛知エリア決勝をリポート――タオカカのメッカ、愛知の代表はやっぱり!?【ARC REVOLUTION CUP】_08
あーくれぼ『ブレイブルー』愛知エリア決勝をリポート――タオカカのメッカ、愛知の代表はやっぱり!?【ARC REVOLUTION CUP】_06
あーくれぼ『ブレイブルー』愛知エリア決勝をリポート――タオカカのメッカ、愛知の代表はやっぱり!?【ARC REVOLUTION CUP】_07
大会開始前の抽選とエントリーの様子。参加者の多くが知り合いのようで、ピリピリしたムードはなく、みんな楽しそうに交流を図っていた。

 そんな名古屋のアーバンスクエア大須店の予選には、34名のプレイヤーが参加。ギャラリーを含めれば40人以上がフロアに集まり、会場はいろんな意味で熱気に包まれていた。参加者の中には、女性プレイヤーのほか、なんと外国人選手までが参戦。また、タオカカが多いとのことだったが、実際にはハクメン、ヴァルケンハイン、ミュー、ラグナがもっとも多く、次いでタオカカほかのキャラクターという形に。やはり、タオカカを扱うには一定以上の操作スキルが必要なため、みんなが使っているというよりは、上位プレイヤーにタオカカ使用者が多いと言えそうだ。とはいえ、バレット、アズラエルといった、筆者が取材をさせていただいた都内の予選では見かけなかったキャラクターを使っている選手もおり、都心の大会とは異なる新鮮な組み合わせの試合が見られたのが印象的だった。

あーくれぼ『ブレイブルー』愛知エリア決勝をリポート――タオカカのメッカ、愛知の代表はやっぱり!?【ARC REVOLUTION CUP】_13
あーくれぼ『ブレイブルー』愛知エリア決勝をリポート――タオカカのメッカ、愛知の代表はやっぱり!?【ARC REVOLUTION CUP】_10
あーくれぼ『ブレイブルー』愛知エリア決勝をリポート――タオカカのメッカ、愛知の代表はやっぱり!?【ARC REVOLUTION CUP】_12
あーくれぼ『ブレイブルー』愛知エリア決勝をリポート――タオカカのメッカ、愛知の代表はやっぱり!?【ARC REVOLUTION CUP】_11
予選大会の様子。女性プレイヤーや外国人プレイヤーなど、さまざまな人が参加していたぞ。
あーくれぼ『ブレイブルー』愛知エリア決勝をリポート――タオカカのメッカ、愛知の代表はやっぱり!?【ARC REVOLUTION CUP】_14
店舗予選を勝ち抜いたながくら選手。

そういった大会を勝ち抜いたのは、大会唯一のカルル使い“ながくら”選手(13段)。カルルは、ニルヴァーナ(姉)と呼ばれる人形を駆使することで、カルル本体と姉による強力な同時攻撃を仕掛けられるのが特徴。ただし、カルル本体に加えて姉の操作も同時に行わなければならないため、使い手を選ぶ超テクニカルキャラクターだ。ながくら選手は、姉をしっかりと制御。姉とともに行動しながら“コンブリオ”などで牽制しつつ間合いをつめ、いったん相手を捕まえれば、中段攻撃や下段攻撃、低空ダッシュからの“ジャンプ2C”、移動技の“ヴィヴァーチェ”で相手を揺さぶるなど、多彩な連携で一気に体力を奪っていた。また、決勝戦では相手の無敵技をしっかり読み切るなど、勝負どころの読みの鋭さも発揮していたぞ。

あーくれぼ『ブレイブルー』愛知エリア決勝をリポート――タオカカのメッカ、愛知の代表はやっぱり!?【ARC REVOLUTION CUP】_15
エリア決勝のトーナメントを決める抽選。

■4人の選手で争われたエリア決勝

 エリア決勝は、CLUBSEGA金山代表の“コイケ選手”(ライチ17段)、ASCH 津島店代表の“まめ選手”(タオカカ16段)、ゲオパーク守山店代表の“MAVEN選手”(プラチナ12段)、アーバンスクエア大須店代表の“ながくら選手”(カルル13段)の4人によるトーナメント形式で争われた。

エリア決勝1回戦1試合目は、まめ選手対ながくら選手。試合は最終ラウンドまでもつれ込む好勝負となった。3ラウンド目、姉を盾にして空中を警戒しながら立ち回るながくら選手に対して、「カルル戦は事前に対策を練っていた」というまめ選手が、ながくら選手の警戒をかいくぐって空中から接近。そこから怒涛の攻めで、最後は“オーバードライブ”からの“ディストーションドライブ”でフィニッシュ。まめ選手が決勝へ進出を決めた。

1回戦2試合目は、MAVEN選手とコイケ選手。プラチナとライチという、関東では珍しい組み合わせ。MAVEN選手が12段、コイケ選手が17段ということで、段位だけ見るとコイケ選手が有利な組み合わせだが、1ラウンド目にタイムオーバーギリギリのところでMAVEN選手が不意に放った“ドリームサリー”がヒット。MAVEN選手が逆転し、ラウンドを先取。これで勢いに乗ったMAVEN選手が、2ラウンド目も勝利を収めて決勝へ。

あーくれぼ『ブレイブルー』愛知エリア決勝をリポート――タオカカのメッカ、愛知の代表はやっぱり!?【ARC REVOLUTION CUP】_16
あーくれぼ『ブレイブルー』愛知エリア決勝をリポート――タオカカのメッカ、愛知の代表はやっぱり!?【ARC REVOLUTION CUP】_17
まめ選手対ながくら選手、MAVEN選手とコイケ選手によるエリア決勝一回戦の様子。
あーくれぼ『ブレイブルー』愛知エリア決勝をリポート――タオカカのメッカ、愛知の代表はやっぱり!?【ARC REVOLUTION CUP】_18
まめ選手対MAVEN選手の決勝戦。

決勝戦は、まめ選手対MAVEN選手の一戦。1ラウンド目は、体力を奪われたら奪い返すという一進一退の攻防に。まめ選手の動きを読んで空中投げを決め、MAVEN選手がペースをつかむも、あと一歩及ばずタイムオーバーギリギリのところでまめ選手が競り勝つ。2ラウンド目もMAVEN選手が先制する立ちあがり。しかし、「ふだんから対戦し慣れしているので、やりやすかった」というまめ選手は、“マジカルミサイル”からの攻めを“2A”で割り込んだり、バックステップを読んでコンボを決めるなど、ふだんの対戦相性のよさを本番でも発揮。安定感のある試合運びで試合を制し、まめ選手が本大会出場を決めた。なお、この大会の模様は、格闘ゲームの動画配信・大会支援を軸に活動するコミュニティ“TeamEXE”によって生放送が行われていた。アツい大会の模様を見たい人は、ニコニコ生放送で確認できるぞ。

あーくれぼ『ブレイブルー』愛知エリア決勝をリポート――タオカカのメッカ、愛知の代表はやっぱり!?【ARC REVOLUTION CUP】_19
あーくれぼ『ブレイブルー』愛知エリア決勝をリポート――タオカカのメッカ、愛知の代表はやっぱり!?【ARC REVOLUTION CUP】_20
あーくれぼ『ブレイブルー』愛知エリア決勝をリポート――タオカカのメッカ、愛知の代表はやっぱり!?【ARC REVOLUTION CUP】_21
エリア決勝終了後の表彰式。

※大会の視聴は(こちら)(ニコニコ動画のアカウントが必要です)

※“TeamEXE”のニコ生コミュニティは(こちら)

あーくれぼ『ブレイブルー』愛知エリア決勝をリポート――タオカカのメッカ、愛知の代表はやっぱり!?【ARC REVOLUTION CUP】_22
本大会出場を決めた、まめ選手。

■優勝者、まめ選手(タオカカ)ミニインタビュー

――優勝したいまの気持ちを教えてください。

まめ選手(以下、まめ) 昨日(3月2日)、津島の予選で勝って、今日も運よく勝っちゃったという感じで、まだ実感はありません。

――エリア決勝を振り返ってみていかがですか? 

まめ ふだんは、一回戦で当たった“ながくらカルル”に負け越していたので不安でしたが、なんとか勝ててよかったです。決勝のMAVENさんとの試合は、1ラウンド目がお互いギリギリの試合だったんですが、そこを取れたのが大きかったです。

――ながくら選手に相性が悪かったとのことですが、ふだんと変えた部分はありますか?

まめ 東京の“りゅうせい”というカルル使いが教えてくれた対策を確認し、指針を決めてから挑んだのがよかったんだと思います。

――なるほど。りゅうせいさんのおかげということですね。ちなみに、決勝戦のプラチナ対策は?

まめ とくに対策はしていません。キャラクターの性能差を押しつけた感じですね。

――タオカカが有利な組み合わせなのでしょうか?

まめ プラチナはMAVENさんとしか対戦経験がないのでなんとも言えませんが、ふだんあまり負けていないので有利なのかなと。MAVENさんは“上入れっぱ”が多いのでそこを狙ったのと、“バクステ狩り”が噛み合ったのがおいしかったですね。

――ふだんの対戦で癖をつかんでいたわけですね。少し話題が変わりますが、名古屋の『BBCP』の盛り上がりはいかがでしょうか?

まめ かなりのプレイヤーがやり込んでいると思います。フリープレイイベントを開催しているゲームセンターがあるので、そういった場所に集まってワイワイ遊んでいます。名古屋近辺では大会も多いので、モチベーションも上がりますね。

――名古屋近辺ではタオカカ使いが多いと聞きましたがいかがでしょうか?

まめ そうですね。タオカカのトッププレイヤーである“辻川”さんがよく遠征に来てくれるので、その影響があると思います。それと、強いと言われているプレイヤーがタオカカを使っているので、名古屋はタオカカのイメージが強いのかもしれません。

――タオカカに強いプレイヤーが集中しているのでしょうか?

まめ いや、ヴァルケンハインやハザマと、強いキャラクターはひと通り揃っていると思います。

――ということは、強キャラの対策も万全ですか?

まめ う~ん、やっぱり関東と比べてしまうと、いないキャラはいないですね。とくに名古屋にはジンがいないので、対策が不足しそうで怖いです。

――キャラ対策のために関東へ遠征する予定はありますか?

まめ タオカカで詰めなければいけないところがたくさんあるので、いまのところ予定はありません。キャラ対策は自分のキャラを詰めてからになるので、まだまださきかなと。

――では最後に、決勝大会への意気込みをお聞かせいただけますか?

まめ 闘劇2回、ぶるれぼ、SOBと、大きな大会に出るのはつぎで5回目になるので、そろそろ優勝したいと思っています。それまでにやり込めるだけやり込んで、勝ちに行きたいです。

店舗紹介

アーバンスクエア 大須店
住所:愛知県名古屋市中区大須3丁目30番31号萬松寺駐車場ビル1階・2階
TEL:052-242-2011
営業時間:9:00-24:00
定休日:年中無休

あーくれぼ『ブレイブルー』愛知エリア決勝をリポート――タオカカのメッカ、愛知の代表はやっぱり!?【ARC REVOLUTION CUP】_03
あーくれぼ『ブレイブルー』愛知エリア決勝をリポート――タオカカのメッカ、愛知の代表はやっぱり!?【ARC REVOLUTION CUP】_05
あーくれぼ『ブレイブルー』愛知エリア決勝をリポート――タオカカのメッカ、愛知の代表はやっぱり!?【ARC REVOLUTION CUP】_04
アーバンスクエア大須店には、最新作からレトロゲームまで多数のビデオゲームが設置されている。また、定期的にゲーム大会などのイベントを実施している。