正式タイトルは『HOMETOWN STORY(ホームタウンストーリー)』

 2012年の “エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ(E3)”にて初お披露目された、『牧場物語』の生みの親である和田康宏氏の新作タイトル『project happiness(プロジェクト ハピネス)』(コードネーム、プラットフォーム未定、家庭用携帯ゲーム機向けに開発中)。その最新映像が海外で公開された。ファミ通.comではこの映像を独占入手。和田康宏氏のコメントとともに公開しよう。

まずは最新映像をチェック!!

『牧場物語』の生みの親、和田康宏氏最新作の全貌が見えてきた! 最新映像とコメントを独占公開【動画配信】_01
和田康宏氏
TOYBOX 代表取締役社長/プロデューサー

――E3で公開された前回の映像の反響はいかがでしたでしょうか?

和田康宏氏(以下、和田)アメリカやヨーロッパでたくさんの反響をいただきました。視聴数が全世界のトータルで約10万ビューと、数としてはすごく多いわけではありませんが、海外でパブリッシングを行うNatsumeさん(北米)とRising Star Gamesさん(欧州)からは、すごい数の問い合わせがありましたとご報告いただいております。日本国内では友人や開発仲間から、TwitterやFacebookで「映像を見たよー」とか、「意味がわからなかった」といった、さまざまな感想をいただきました(笑)。前回はイメージボードと設定資料的な仮の画面で制作したので、作品の雰囲気はなんとなくわかったけど、具体的な内容はわからない。早く内容を教えて! という反応が多かったですね。

――今回の映像を見るとゲームの画面が登場していましたが……。

和田 はい。ゲームタイトルも前回の『project happiness(プロジェクト ハピネス)』というコードネームから、『HOME TOWN STORY(ホームタウンストーリー)』に決定し、作品の雰囲気だけではなく、見た方がどんなゲームなのかを想像していただけるような構成にしました。タイトルに“ストーリー”とあるように、お店を大きくして売上を伸ばすというよりは、お店の成長に従って人の出入りが多くなることで、新たな出会いと物語を楽しんでいただきたいなと。出会った人々の中にはストーリーを持ったキャラクターがたくさんいます。その人々が持つ夢や悩みごとを、主人公と相棒の“ポチカル”で解決していく、というのが本作のおもしろみになっています。

――なるほど。では、今回の映像の見どころを教えてください。

和田 ふたつありまして、まずひとつはキャラクター。本作ではイラストレーターの、にしだあつこさんにキャラクターデザインをお願いしました。にしださんのラフデザインでは投身が高いのですが、ゲーム中では少しデフォルメして投身を小さくしています。かなりいい感じにデフォルメできたので、お子さんからお父さん・お母さんまで、幅広い方に親しんでいただけると思います。そして、もうひとつが音楽です。今回も植松伸夫さんの新曲で、全部で4分以上ある曲の前半部分を使用しています。心に残るずはらしい楽曲になっています。

――その植松伸夫さんが手掛けた楽曲をフルバージョンで聴く機会は、今後設けられるのでしょうか?

和田 そうですね。作りたいと思っています。サウンドトラックの発売やWeb上での試聴などができたらいいなと考えています。あと、2012年の末に欧州で植松さんのコンサートツアーがあったのですが、そこで前回の映像で使用したメインテーマにあたる楽曲を生演奏していただいていたようなので、そういう意味では植松さんのコンサートに行くと、フルバージョンを聴くことができると思います。

――『HOMETOWN STORY』の現在の進捗状況を教えていただけますか?

和田 全体としては5~6割の完成度となっています。ただ、部品と言いますか、シナリオやゲームのメインシステムとなる、お店を大きくしていく部分は出来上がっているので、あとはたくさんのキャラクターが実際にゲームの中に登場して、どういう風に物語が展開していくのかといったところの調整ですね。群像劇のようなものなので、いろいろなエピソードがあちこちで同時に進行しても矛盾が起こらないように、チューニングする作業になります。

――では、最後にファンに向けてメッセージをお願いします。

和田 前回の映像も今回の映像も、基本的には欧米に向けて制作しています。英語字幕であるなど、日本のユーザーさんにはいまいちピンとこないかなもしれませんが、数ヵ月後には日本での正式な発表が行えると思います。その際には詳しいゲーム内容やキャラクター、ストーリーなどを、できるだけ皆さんにわかりやすくお伝えしたいと考えていますので、楽しみに待っていてください。