実力派俳優が魅せるドラマに注目!
『BEYOND: Two Souls(ビヨンド:ツー ソウル)』は、2010年2月に発売されたサイコサスペンス『HEAVY RAIN(ヘビーレイン) -心の軋むとき-』で、世界中から賞賛を浴びたゲーム開発会社“Quantic Dream”が放つ、アクション・アドベンチャー。プレイヤーは、ジョディというひとりの少女を操作し、彼女の8歳から23歳までの15年間を追体験していく。ジョディは、霊体の“エイデン”と交信できるという特別な力を持っており、エイデンの助けを借りて難所を乗り越えていくことになる。
ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンは、この『BEYOND: Two Souls(ビヨンド:ツー ソウル)』で、映画界きっての実力派俳優ウィレム・デフォーがパフォーマンスキャプチャーのモデルを担当することを発表した。既報では、主人公のジョディのモデルを映画『JUNO/ジュノ』でアカデミー主演女優賞にノミネートされたエレン・ペイジが担当することが発表されており、実力派俳優/女優どうしの濃厚な掛け合いが楽しめそうだ。キャストの発表に合わせて、ふたりが登場するゲームのワンシーンを切り取ったプロモーション映像と、パフォーマンスキャプチャーのメイキング映像が公開された。さっそく公開するので、本作の魅力を感じてほしい。
なお、ファミ通.comでは、Quantic Dreamの創設者であり、本作のディレクターを務めるデビッド・ケイジ氏へのインタビューを掲載する。キャストの起用理由やゲーム概要について直撃した。
デビッド・ケイジ
――この度、ウィレム・デフォーの起用が発表されましたが、キャスティングの意図を教えてください。
デビッド・ケイジ氏(以下、デビッド) 私は、単純に彼らの才能に引かれて、ウィレム・デフォーやエレン・ペイジといった俳優を選びました。『BEYOND: Two Souls(ビヨンド:ツー ソウル)』は物語性の強い作品なので、本作がユーザーのみなさんとの感情的なつながりを強固なものにするために、役者として誰を起用するかがとても重要でした。役者を選ぶときに重要だったのは、作品のキャラクターにマッチしていること。そして、それらのキャラクターに心や魂を与えうる才能を持っていることです。ゲームのパッケージに有名な俳優の名前が載っていると、ただのゲームを売るためのマーケティングの手段と思われがちですが、本作では純粋にいい作品を作りたいがためにエレン・ペイジとウィレム・デフォーを起用しました。ゲーム内のキャラクターを表現できる、最高の役者を起用することを第一に考えていたので、俳優として有名か無名かということはいっさい考えていませんでした。ユーザーの方々には、エレンやウィレムがこの作品にもたらす体験を楽しんでいただけることを願っています。個人的にも、彼らには非常にすばらしい仕事をしてもらったと思っていますし、撮影中も毎日、セットで映画さながらのパフォーマンスをしようとがんばっている姿を見ましたよ。
――Quantic Dreamは、『HEAVY RAIN –心の軋むとき-』でゲームに“感情”を盛り込みました。『HEAVY RAIN –心の軋むとき-』を遊んだ多くのプレイヤーは、愛と贖罪、喪失感や恐怖などが複雑に混じり合った感情を味わったと思います。本作は、プレイヤーにどんな“感情”を味わわせるのでしょうか?
デビッド 我々は、作品ごとに違う体験を提供できるように心がけています。本作でも同様に、『HEAVY RAIN –心の軋むとき-』と同じようなものを作ろうとしてはいませんし、まったく違う方向で、手探りの制作を進めています。ストーリー性の高い作品であることには変わりありませんが、核となる感情や、システム面などではまったく違う体験を作り出すことに力を注いでいます。本作の構想では、ふたつのアイディアがメインとなっています。ひとつは、プレイヤーがキャラクターの人生を通して、いい経験も悪い経験も体験し、まるでプレイヤーとキャラクターが一体になったような感覚でキャラクターのことを理解できるようなものを作ること。主人公のジョディが何を体験して、彼女がどんな理由でいまある姿になったのか、彼女が誰なのか。プレイヤーがジョディというキャラクターと、まるで旧知の知り合いのような感覚で繋がることができるような体験を提供できれば幸いです。もうひとつのテーマは“死”と“あの世”について考えたものを作品に反映しています。
――公開されたいくつかのPVを見ると、本作は『HEAVY RAIN –心の軋むとき-』よりも肉体的なアクションが増えている印象を受けました。この意図を教えてください。
デビッド 『HEAVY RAIN –心の軋むとき-』とは違って、本作で得られる体験はとても壮大なものです。ジョディというキャラクターの人生を通して、ジョディが命を落とすような危険な状況に置かれることもありますし、霊体エイデンとのつながりを使って、命を賭けて戦わなくてはいけない場面もあります。その上で、これらのシーンは感情的で静かなシーンとは違う迫力のあるものに仕上げられるよう、努力しました。感情的な場面と、アクションを盛り込んだ激しい場面が交わることによって、このゲームの展開がつねに予測不可能で、強烈なものになっていることでしょう。
――『HEAVY RAIN –心の軋むとき-』では、プレイヤーが複数の登場人物を操作し、ときには重要人物が死亡して物語が変化することもありました。『BEYOND: Two Souls(ビヨンド:ツー ソウル)』でもシナリオの分岐を採用していますか?
デビッド 本作でプレイヤーが操作できるキャラクターは、ジョディとエイデンのみです。ジョディを操作して、プレイヤーは彼女の幼少時から大人になるまでの長きに及ぶ人生を垣間見ることになります。彼女の人生のさまざまな場面をプレイすることで、まるで違うキャラクターをプレイするような体験ができます。たとえば、幼少時代のジョディができることと、大人になったジョディができることは大きく違いますし、各場面での見た目や、服、髪型、動きまでも変えて描写しています。6歳から役者として活躍していたエレンを起用して幸運だったのは、ジョディの幼少時を描写する際に参考となる過去の映画があったことです。これにより、それぞれの年齢に合ったリアルな描写を再現することができました。そしてもちろん、プレイヤーはどのタイミングでもジョディとエイデンの操作を切り替えることができます。
――最後に、現在の開発状況を教えてください。また、発売時期はいつごろでしょうか?
デビッド 制作は、β版が完成間近の段階にあります。今年の終わりには本作品が発売される予定です。2013年も年末に向けて、数多くのすばらしいゲームがリリースされる予定ですが、本作が提供する体験に、皆さんが興味を持っていただけることを、せつに願っています。グラフィックも役者もすばらしいですし、ゲームプレイもとてもユニークなものに仕上がっていると思います。きっと、この作品を通して、とても感情的な体験ができることでしょう。
BEYOND: Two Souls(ビヨンド:ツー ソウル)
メーカー | ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン |
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対応機種 | PS3プレイステーション3 |
発売日 | 2013年発売予定 |
価格 | 価格未定 |
ジャンル | アドベンチャー / ドラマ |
備考 | 開発:Quantic Dream |