発売まで2週間を切った『真・三國無双7』の魅力をアピール

 2013年2月16日、東京・池袋のヤマダ電機LABI1池袋モバイルドリーム館にて、コーエーテクモゲームスより2月28日に発売予定のPS3用ソフト『真・三國無双7』の店頭体験会が開催。併せて開発者によるトークショーも行われた。ここでは、その模様とトークショウ後に行われたミニインタビューをお届けする。

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▲イベント来場者の多くが女性だったのが印象的でした。
▲体験コーナーはもちろん大人気。整理券が配布され、順にプレイを楽しんでいた。
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▲『真・三國無双7』鈴木亮浩プロデューサー(右)、宮内淳ディレクター(左)。

 体験会の開始に先駆けて行われたトークショウに登場したのは、本作のプロデューサーの鈴木亮浩氏とディレクターの宮内淳氏。映像や実機プレイを交えつつ、『真・三國無双7』のゲームシステムや魅力を紹介した。トークでは、「注目のキャラクターは?」という質問に対して、鈴木氏は「新キャラクターのなかでは魯粛に思い入れがありますね。いままでにないダンディな見た目も気に入ってます」、宮内氏は「晋の文鴦ですね。ストレートなかっこよさを描くことができていると思います」と回答。また、「開発の過程でもっとも苦労したことは?」という質問には「武器系統の調整ですね。種類を前作の倍以上に増やしたので(笑)。種類が多いと似たようなアクションが増えてしまいがちなのですが、そこはそれぞれにキチンと個性を持たせようとこだわりました。結果として、それぞれが個性的なアクションに仕上がっていると思います」(鈴木氏)。「すこし技術的な話ですが、今回シリーズで初めてディファードライティングという描画フローを実装しました。これは複雑な光源を動きの多いアクションゲームで実現するための技術なのですが、ωフォースとしては初めての取り組みで苦労しましたし、プロデューサー(鈴木氏)をやきもきさせてしまいました(笑)」(宮内氏)と、開発者ならではの秘話を披露した。

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▲オープニングムービーもフルでお披露目。
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▲宮内氏による実機プレイは新武将の賈充(かじゅう)で行われた。
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▲トークショウの最後には、本作の声優陣のサイン入りクリアファイルというファン垂涎のグッズがもらえるじゃんけん大会も行われた。

鈴木プロデューサー&宮内ディレクターインタビュー

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──まずは、先ほどのトークショーのときにもお話しされていましたが、改めて、今回のおふたりのオススメキャラクターを教えていただけますか?
鈴木 私のオススメ武将は魯粛です。横山光輝先生の『三国志』では情けないキャラクターとして描かれていますが、『真・三國無双7』では史実に寄った、強い外交をした人物という描きかたをしています。しかも、魯粛の登場により、周瑜、魯粛、呂蒙、陸遜と呉の大都督が4人揃ったので、それぞれの思いをつないでいくような形で物語を描くこともできました。呉のストーリーはオススメですね。
宮内 私は文鴦です。まさか、文欽にあんなカッコいい息子がいたんだ、という感じでしょうが、私もあんなにカッコいいデザインになるとは思いませんでした(笑)。全身鎧を着ているという意味では、デザインのコンセプトは夏侯覇と近いですが、夏侯覇は小さい体躯で重装備というギャップがあって、ど真ん中ストレートではなかったですよね。文鴦は背も高くてスタイルもよくて、ヒーロー像そのままの造形になっています。また、父が属した呉から、なぜ別の勢力に行くのかというのも、きっちりとストーリーで描いています。

──ストーリーモードはボリュームがあるということでしたが、どれくらい遊べるものでしょうか?
宮内 ifのストーリーも含めて、35時間くらいを想定しています。クリアータイムを足しただけで35時間程度で、実際は1勢力に10時間くらいはかかるので、実際のプレイ時間はもっと伸びるでしょうね。我々がデバッグでプレイしていても、朝から晩までかかって1勢力を終わらせるという感じなので、社会人のお客様なら、1勢力終わらせるのに1週間かかると言っても言い過ぎではないと思います。

──本作の目玉である、ifの仕組みを教えていただけますか?
鈴木 ifのストーリーには、誰かが死ぬはずのところを死なせないとか、あるいは誰かを心服させるなど、そういった要素が絡んできます。たとえば蜀の徐庶であれば、史実では魏に降ってしまうのですが、蜀に戻って来させるという展開もあります。そのための要素は、ifの分岐前までのステージにたくさん散りばめられています。そのifの要素を拾っていくと、話しかけると戦闘が始まるキャラクターが出陣前の陣地にふたり用意され、片方に話しかけると史実の展開になり、もう片方に話しかけるとifのストーリーに進むという仕組みです。
宮内 初見でプレイして、ifのストーリーに進むことはまずないと思います。何回もプレイして、その結果としてifのストーリーが出現すると。

──では、三国志の流れを知っている方のほうが有利だったり?
鈴木 はい。若干有利になります。
宮内 ただ、ストーリーモードをクリアーしていただければ、そのストーリーラインの中で、ifに進むためにどういった条件が隠されているというのは、ある程度はわかります。ですので、まったく三国志を知らない方でも、「このステージで孫堅を助ければいいんだな」というようなことをわかったうえで、プレイしていただけるようになっています。

──三国志のストーリーを押さえる意味でも、『真・三國無双6』をもう一度プレイするのもいいかもしれませんね(笑)。
鈴木 そうですね。ベスト版も出ていますので(笑)。

──本作では、店舗体験会を各地で行われていますが、ファンの反応はいかがですか?
鈴木 いちばん聞くのは、馬の仕様(L2ボタンで馬を呼ぶ際、ボタンを押しっぱなしにするとそのまま馬に乗れる)がいいという話ですね(笑)。いちばんというのは言いすぎですが、とにかく馬の仕様は非常に好評です。

──今回は、女性のファンが多いという話もうかがいました。事実、本日のイベントも、女性のファンの方が非常に多かったですよね。声優さんのサイン入りクリアファイルも大好評で(笑)。
宮内 そうですね(笑)。本作はカッコいい武将も多くて、文鴦などは人気が出ると思います。もともと『戦国無双』のほうが女性ファンは多かったのですが、『真・三國無双』もかなり女性の方に支持されていますね。
鈴木 ゲームシステムの話をすると、武器の3すくみは、プレイしてもらった方からの受けがいいです。口頭で説明するだけだと、「ヴァリアブルカウンターとか使わないんじゃ?」というような声を聞いていたのですが、実際に体験していただくと、「効果的に使える」と言ってくださって。システム的なところを評価してもらえるのはうれしいですね。
宮内 3すくみという字面で、「難しそう」と敬遠されるのではと危惧していたので、ほっとしましたね。

──『真・三國無双7』では、“ディファードライティング”という光源処理の手法を取り入れられたそうですが、前作との違いはハッキリわかりますか?
宮内 もちろんハッキリわかりますし、体験していただいたお客様からも「生活感が出てきた」など、お褒めの言葉をいただいていますので、取り組んできてよかったと思っています。こういった技術的なことはなかなか伝わりにくいものなのですが、このような取り組みの裏には、武将たちの息遣いを伝えたい、そこから物語に没入してもらいたいという狙いがありますので、ファンの方に好評をいただけたのは、本当にうれしいですね。
──苦労も相当なものだったと思いますが……?
宮内 前作から、ゲームエンジンをすべて作り変えています。すべてゼロに戻しての制作でしたので、序盤は形にならず、現場には不安もありました。
鈴木 現場というか、私が不安でした(笑)。
宮内 でも、最終的には鈴木が「ディファードでいきなよ」と決断してくれたので。途中までは、ディファードではなくて、従来のフォワードライティングで制作するという選択肢も残していたのですが、ギリギリまで悩んでいたときに鈴木が「いつまで悩んでいるんだ、早くディファードでやれよ」と後押ししてくれまして。あのときは開発チームが盛り上がりましたね(笑)。
鈴木 完成度には満足しています。ただ、クオリティーが上がるまでには時間がかかりましたね。メディアの皆さんにゲーム画面写真などをお渡しする時期が迫っているのになかなかクオリティーが上がらなかったりなど、焦ったこともありましたが、最終的には満足いく仕上がりになりました。

──前作はダウンロードコンテンツを長期にわたって展開されましたが、本作の予定を教えてください。
鈴木 ダウンロードコンテンツに関しては、『真・三國無双6』と同じような内容のものを配信します。また、将星モードでは拠点を発展させていくことになりますが、拠点の見た目を変えるようなものなども予定しています。

──前作では学園をモチーフにした衣装など、ちょっと変わったものも配信されていましたが、本作でも期待してもいいのでしょうか?
鈴木 もちろんです。学園ものの衣装に関しては、現場のスタッフがとてもやりたがっていたので(笑)。
──関銀屏の学生服が早く見てみたいです(笑)。ちなみに、前作のダウンロードコンテンツを引き継ぐことはできますか?
鈴木 前作から、武将のモデルや光源処理の方法などを変えているという事情もあり、そのまま引き継ぐことはできません。ただし、過去作の衣装を何らかの形で配信したいとは思っていまして、いま制作を進めています。

──2013年3月3日には、声優イベントの“声優乱舞 2013春”も開催されますが、その見どころなどを教えていただけますか?
鈴木 “声優乱舞 2013春”は、『真・三國無双7』ベースで行います。『真・三國無双7』のゲーム映像を使って声優さんに生でアフレコをしていただくなど、ドラマティックに楽しんでいただける内容になっていますし、歌のパートもあります。
宮内 小野坂昌也さんがイベントで着られる諸葛亮の衣装は、バンタンデザイン研究所 大阪校の学生さんが制作されたものですので、そちらもぜひ楽しみにしていただければと思います。

──ゲームでもイベントでも『真・三國無双7』を楽しめますね。では、最後になりますが、本作の発売を楽しみにしているファンにメッセージをお願いします。
宮内 今回は、やめどきが見つからないようなゲームを作るべく、さまざまなやり込み要素を用意しています。『真・三國無双7』を購入されましたら、長く長く楽しんでいただければと思います。
鈴木 本作では、新しい武器を多数追加しました。ひとつひとつの武器がおもしろくなるように、本当に苦労して作っています。いろいろな遊びを楽しむために、同じキャラクターでも武器を切り替えながら戦っていけますので、ぜひ体験してみてください。