セガの新しい挑戦! “思考型TCG”とは?
2013年2月15日~16日に千葉・幕張メッセで開催中の、アミューズメント業界の展示会“ジャパンアミューズメントエキスポ2013”(JAEPO2013)。セガブースで出展されていた、新作思考型カードゲーム『CODE OF JOKER』の詳細と、ステージイベントの模様をリポートしよう。
アミューズメント施設で人気のカードゲームと言えば、『三國志大戦』や『WCCF』などを思い出すところだが、本作はそれらとは大きく異なる。むしろ、昔ながらの紙のトレーディングカードゲームを、デジタルで最新の形にしたもの……といったところだろうか。カードをせわしなく動かすような操作は不要で、アクション性は低く、そのぶん思考性を重視した対戦型のカードゲームとなっている。
また、ゲーム内のカードはすべてデジタル化されているため、持ち運びやデッキ編集が便利に。PCやスマートフォンでカードを閲覧したり、デッキを編集することも可能になるという。
さらに、ゲームをプレイする端末、いわゆるサテライトだけでなく、多彩な機能を持った“ターミナル”も重要。サテライトは、ゲーム内のデジタルカードを購入できる“カード自動販売機機能”を搭載しているほか、“カードプレゼント機能”や“ランキング機能”を実装。世界観やカード閲覧、キャラクターの情報なども大型画面を通じて情報発信される仕組みになっており、アミューズメント施設に、いままでにないコミュニティーを形成する可能性を秘めている。
TCG業界からも熱い期待! イベント第一部
本作にかけるセガの意気込みは相当なものがあるようで、ブースでは、試遊台を8台用意するとともに、大型モニターにプロモーション映像を上映。さらに趣向を変えて2度のステージイベントを実施するなどして、大々的にアピールを行っていた。
ここからは、そのステージの模様をリポートしよう。
第一部では、本作の総合プロデューサーを務める西山泰弘氏と、カードゲーム専門誌“カードゲーマー”の青野編集長が登壇。トレーディングカードゲーム(以下、TCG)の現状を分析しつつ、『CODE OF JOKER』の魅力や、今後の展望などが語られた。
まず青野氏から、TCG市場の現状についての説明が行われた。青野氏によると、昨今のTCGは、多彩な新作と派手なプロモーションが牽引する形で活況を呈しており、昨年度には1000億円を超える市場規模に成長しているのだという。また、青野氏は、カードゲーマー誌の読者年齢分布データを示しつつ、20歳前後を中心としながらも、幅広い年齢層を獲得していることも特徴だと指摘した。
そんなTCGをアーケードゲームにするというプランは、じつは西山氏は、5年ほど前から暖め続けていたのだそうだ。TCGは非常に情報量が多く、デジタルゲーム化するのが難しいジャンルではあるが、いまの技術をもってすれば、映像技術や情報の見せ方を工夫することで、うまくやれると判断し、万を持してプランを実行に移したのだそうだ。
西山氏がアピールする本作の長所は、まずカードがすべてデジタル化されているということ。これは、大量のカードを持ち歩く必要がなくなることや、スマートフォンから閲覧・ブック編集ができるなど、利便性が大きく向上するのはもちろん、それ以外にもメリットがあるのだという。それは、素早く、タイムリーな更新が可能になることだ。紙のカードを刷るとなると、6~7ヵ月程度の時間がかかってしまうため、拡張カードパックをリリースしたくとも、なかなか頻繁には行えない。しかしデジタルなら、その期間が飛躍的に短縮できるうえに、Aimeでデータ管理ができるため、アミューズメント施設のオペレーターの負担も軽くなるというわけだ。
また、本作はネットワークで全国のマシンが結ばれているため、紙のTCGでは大きな障壁となる“対戦相手を探す”という部分のハードルが極めて低くなる。さらに、対戦履歴を参照して、実力の近いプレイヤー同士をマッチングさせることが容易なのも、デジタルゲームならではのメリットだ。
また、実際にプレイしてみたという青野氏は、本作の“入りやすさ”を高く評価しているという。TCGでは、最初にルールブックを読み込んでルールを覚える必要があり、それが大きなハードルとなるが、本作の場合、チュートリアルを通じてスムーズにプレイに入ることができる。また、一般的なTCGの場合、1000円程度の“スターターパック”を購入することが入り口になるが、本作なら、通常の1プレイ料金ですぐに始めることができる。これらのことから青野氏は、TCG好きやアーケードゲームファンに訴求するのはもちろんのこと、そのどちらでもない、より広い層の人たちをTCGの世界に引き込んでくれることを期待していると語った。
最後に青野氏は、「TCGのファンはもちろんですが、昔はやっていたけど、やめてしまった人を呼び戻してくれるのではないかと期待しています。カードゲーマーでも、特集を組んで応援していきたいですね」とコメント。
西山氏は、2月上旬に行われたロケテストで、きびしい意見も受けつつも、かなりの手応えを感じたというエピソードを明かしつつ、「まだまだ開発しないといけない部分は多いのですが、開発スタッフのモチベーションはとても高いです。皆さんもぜひ応援してください」と呼びかけ、ステージを締めくくった。
イベント第二部は加藤英美里、井澤詩織が登場

2回目のステージイベントでは、若干堅めの内容だった第一部からうってかわって、本作の登場キャラクターを演じている声優の加藤英美里、井澤詩織を招いての華やかなステージに。おもに、本作の世界観やキャラクターの魅力をアピールする内容となった。
ステージに登場した加藤、井澤のふたりは、いままではあまりTCGを遊んだことがなかったそうだが、「初心者にもわかりやすいゲームということで、とても興味が湧いてきました」(加藤)、「以前からやりたいとは思っていたけど、難しそうで……。このゲームは初心者でも遊びやすいと聞いたので、もっと知りたいです!」(井澤)と、本作に興味をそそられていることをアピール。
しかもなんと、ふたりとも、「じつは何も知らない状態でここに来ちゃっているんです(笑)。台詞収録もまだなのですが、逆にそれで、すごく興味を惹かれています」(加藤)とのことだった。
西山氏によると、加藤、井澤には、本作の第1弾として登場する7キャラクターのうちのふたりを演じてもらうことになるそうだが、「詳細は話しちゃダメ、と言われています。私は総合プロデューサーですが、そこに関しては権限がないので(笑)」とのこと。
しかしせっかくふたりに来てもらっているのだから、ということで、キャラクターのイメージについてのみ、少しだけ明かされた。
加藤が演じるキャラクターは、「楽しいことが大好きで、ムードメーカー的なキャラクターです。また、しっかり者で、面倒見がよかったりなど、いろいろな面を持っています」(西山氏)。これにを聞いた加藤は、「明るくてムードメーカーなキャラクターは、得意なジャンルなので、演じやすそうですね。収録が楽しみです」とコメント。
一方、井澤が演じるキャラクターは、「物静かだけど、タカビーというか、上からな感じのキャラクターです。また、よくわからない……怪しげで、ミステリアスな設定のキャラクターですね」(西山氏)とのこと。これを聞いた井澤は、「ぼんやりしていますね(笑)。ふつう高飛車というと、おしゃべりなキャラクターをイメージしてしまいますが、物静かで高飛車って……難しいですね(笑)」と感想を語っていた。


その後、いまだ情報が少なく、キャラクターのイメージが掴めない状態のふたりに、“現時点のイメージで、キャラクターになりきって台詞を言ってください」という無茶振りなお願いが。加藤は「私にまかせなさい!」、井澤はなぜか「お前はもう死んでいる」という台詞をリクエストされたが、そこはさすがにプロ。見事な演技でリクエストに応え、会場からは大きな拍手が湧いた。
最後に加藤、井澤から、期待しているファンに向けてのメッセージが語られた。
加藤 「今回、新しい試みのゲームということで、遊ぶのも楽しみですし、声優としても、どんなキャラクターが出てくるのか、とても楽しみです。収録はこれからですが、ユーザーの皆様の期待に応えられるように、がんばって、いいものを作り上げていきたいと思います」
井澤 「女性の目から見て、お洒落で、遊んでみたくなる絵柄だと思いました。自分のキャラクターはまだ見ていませんが、今日見せていただいたふたりのキャラクターもすごくお洒落ですよね。個人的にグローブフェチなので、ふたりともグローブをしているな、と萌えポイントも見つけつつ(笑)。今日教えていただいた情報をよく覚えておいて、がんばって収録に臨みたいと思います」


というわけで、いまだ秘密の要素が多い本作だが、西山氏によると、「引っ張りたいとかいうわけではなくて、皆さんに興味を持ってもらえるタイミングで、随時情報を出していきます。楽しみにしていてください」とのこと。2013年夏の稼働に向けて、今後続々と新情報が発表されるはずなので、引き続き注目していきたいところだ。また、JAEPOのセガブースで本作をプレイすると、オリジナルクリファイルなどのノベルティがもらえるので、明日(2013年2月16日)JAEPOに行く予定の人は、ぜひプレイしてみてほしい。
CODE OF JOKER(コード・オブ・ジョーカー)
メーカー | セガ |
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対応機種 | ゲーセンアーケード |
発売日 | 2013年夏稼働予定 |
価格 | 未定 |
ジャンル | デジタルトレーディングカードゲーム |
備考 | 基板:RINGEDGE2、ネットワークインフラ:ALL.Net、その他:Aime対応 |