ガンホー・オンライン・エンターテイメントが運営するハートフルオンラインRPG『エミル・クロニクル・オンライン』(以下、ECO)は、2012年12月9日で正式サービス開始から8年目に突入。かわいらしいキャラクターや暖かみのある世界観を愛するファンから、画集の刊行を望む声が多く上がっていた。
というわけで、その声に応えるかたちで、小社より2013年2月14日には多数のデザイン画が詰まった画集「エミル・クロニクル・オンライン オフィシャルデザインワークス」が刊行!
本書で掲載している、キャラクターやデザインについて『ECO』運営の中核を担う寺田美絵氏と榊田毅氏のおふたりに聞いたインタビューの一部を抜粋してお届けする。
言葉の端々からにじみ出すキャラクターへの愛情
右:寺田教授(こと、寺田美絵氏)
――では最初に、自己紹介からお願いします。おふたりは『ECO』において、どのようなお仕事を担当されているのでしょうか?
榊田 マーケティングを担当しているブリキング榊田です。おもにキャンペーンやWebの広告といった、お客様に楽しんでいただくためのゲーム外イベントなどの制作指揮を担当しています。ゲーム内の企画に参加することもあるのですが、大きなくくりとしてはゲームの外のものに関わることが多いですね。
寺田 私は『ECO』の日本国内展開における統括を担当しています。ゲーム内のシステムやストーリーが絡んだイベントなど、どういうコンテンツを制作して提供するかを考えたりするのがおもな仕事です。ほかには、最近だと生放送に出演したり、関連商品を出すタイミングを設定したり、わりとすべてを平たく見ながら整えていく感じです。会社によっては“プロデューサー”と呼ばれる仕事だと思います。
――“プロデューサー”ではないんですか?
寺田 そういう呼びかたはあまりしないんですよね。『ECO』の場合、統括的な立場のスタッフは代々“教授”と呼ばれています。
――“教授”という単語には何となく“プロデューサー”っぽい響きというか印象があると思うのですが、榊田さんはなぜ“ブリキング”なんですか?
榊田 マーケティング担当には“『ECO』に登場するモンスターの名前をつける”という伝統があるんですよ。僕は若干ポンコツチックなイメージがあるブリキングが大好きなので、そこから取ることにしたんです。
――そういう少しくだけた感じも『ECO』らしいと言えばらしいですよね。
寺田 ほかにも、シナモンというモンスターから取った“シナモンしおじー”とか、バクバクから取った“バクバクみそ”というスタッフもいます。パッと見、バクバクにそっくりだったので、「キミはバクバクね」みたいに。
――自分の希望じゃない人もいるんですね。
榊田 でも、本人もまんざらじゃないみたいですよ。バクバクの画像をプリントアウトして席の近くに貼ったりとかして。確実に気に入ってますね。
――モンスターも基本的にはかわいいキャラが多いですもんね。そのかわいいキャラの代表と言えばマリオネットのタイニーだと思います。
寺田 タイニーは基本的にはすごくかわいいんですが、たまに悪気なくめんどくさいときがあるのもいいですよね。「もう帰っちゃうの?」って言ってきたり、「もてなしタイニー!」なんて張り切ったりとか。デザインももちろんかわいいんですけど、空気の読めないキャラクター性や性格も憎めないというか、魅力的なんですよ。
――世間には“うざかわいい”というジャンルもありますからね。やっぱりタイニーが一番人気ですか?
榊田 ほかにも人気のあるキャラはたくさんいますが、『ECO』と聞いてお客様が想像するのはタイニーだと思います。
寺田 キャラクターを使ったイベントやキャンペーンも多いんですけど、お客様が持っているタイニーのイメージがあると思うので、あんまりダイナミックにはいじれないんですよね。エイプリルフールには八頭身になったりしてますけど。
――十分ダイナミックにいじってるじゃないですか(笑)。
榊田 そうですね。機関車になってみたり。
寺田 どこまでがボーダーラインかわからなくなるときもありますが、このいじりかたもタイニーへの愛があるからこそですね。
――タイニー以外のキャラクターについても教えてください。デザインやモーションがおもしろいキャラクターにはどんなものがありますか?
寺田 “騎乗ペット”はおもしろいですね。『ECO』ではバイクも“騎乗ペット”というジャンルに入るんですけど、ふつうにバイクに乗ってモンスターを跳ね飛ばしたりできますし。ほかの騎乗ペットもかなりトリッキーですよ。
――キャラクターのモーションなども、広い意味では“キャラクターデザイン”の一部だと思いますが、全体的にちょっと変ですよね。もちろん、いい意味で。
寺田 開発元(株式会社ヘッドロック)のデザインチームには職人的にこだわる人が多いので、わりと何でもいけちゃうんですよ。王道ではなく、少しハズして作るのも、お客様を飽きさせないためには重要だと思います。“少し”の度合いやベクトルがかなりハズれているんじゃないかと思うときもありますけど(笑)。
榊田 そういうエキセントリックな部分も含めておもしろいですね。
寺田 デザインに関しては簡単にこちらの希望を伝えた後は、ヘッドロックさんにお任せすることが多いんです。『ECO』らしいホワッとしたかわいい印象を残したまま、「えーっ!」というのが出てくるので、個人的にも楽しみにしています。
というわけで本編は「エミル・クロニクル・オンライン オフィシャルデザインワークス」で!
「エミル・クロニクル・オンライン オフィシャルデザインワークス」では、上記のおふたりへのインタビューではさらに濃い内容をうかがっているほか、ふだんはあまり前に出ることのないデザイナー陣へのインタビューなども掲載されており、7年の歴史を凝縮した内容となっている。
そしてイラストでは、アルマやネコマタといった人気キャラクターのデザイン画&設定画はもちろんのこと、本誌のために描き下ろされた新イラストも掲載。特典としてペットアイテム“ダンプティー・アルマ”もついてくるぞ!
商品名:「エミル・クロニクル・オンライン オフィシャルデザインワークス」
発売日:2013年2月14日 ※発売日は地域によって異なる場合があります
価格:2,940円[税込]
装丁:A4版 128ページ オールカラー
発行元:株式会社エンターブレイン
発売元:株式会社角川グループパブリッシング
販売店:全国書店、オンライン販売サイト