本作の記事を書くたびに「でも、規制あるんでしょう?」とコメントしている人を見かけますが、日マ付き英語版というのはですね……。

祝『デッドスペース3』発売! プロデューサーへのメールインタビューと、まさかのPC英語版を発売敢行するEAジャパンのコメントが到着_01

 エレクトロニック・アーツが誇るホラーアクションシューティング『デッドスペース』シリーズ。その最新作である『デッドスペース3』がいよいよ海外で発売される。
 グローバルなフライングゲットというか、秋葉原などの輸入ゲーム店には4日夕方あたりからちらほら入荷してきているようで、記者も4日に会議を抜け出し、タクシーに乗って閉店間際に飛び込んで早速ゲット。朝までプレイして大遅刻をカマしてしまった。

 そして本作といえば、EA Japanが日本語マニュアル付きのPC英語版を国内で発売する。素晴らしすぎるゲームデザインとゴア表現のおかげで正式ナンバリングタイトルではちゃんとした展開が行われて来なかったが、今回は2月7日にダウンロード版が、2月14日にパッケージ版が発売されるのだ。日本語ローカライズとか、コンシューマー版とか、「もっと!」と言いたくなる人もいるだろうが、まずは海外での発売と同時にきちんと展開が行われた、この第一歩を喜ぼうではないか。
 というわけでまずは、EA Japanからの発売直前コメントをお届けしよう。


エレクトロニック・アーツ(EA Japan)からのコメント(※太字は編集部によるもの)

Dead Spaceシリーズは、世界中でタイトル独自の世界観が非常に好評を頂いている作品で、日本国内においてもユーザー様からの要望が高いタイトルでした。
今回のDead Space 3においても、リリースに向けいろいろな可能性を検証させていただきました。

その結果、日本の様々な現環境の下、最大限にユーザー様のニーズに対応すべく、全ての表現および内容が同一の英語PCバージョンをリリースすることに決定しました。
是非とも、この機会にDead Spaceの新たな世界観をご堪能いただき、シリーズファンになって頂きたく思っています。

もちろん将来的に環境が許し、シリーズ作がある際には、ほかのバージョンやプラットフォームでのリリースを引き続き検討していきたいと思います。


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▲というわけでゴアが多い日も安心。ガッツリ遊んじゃってくれ。ちなみに、変に海外から無理して買うよりお得な値段(パッケージ版5040円[税込]、ダウンロード版4500円[税込])になっていることもお伝えしておきたい。セリフが英語なのは残念だが、まぁそこはガッツで理解するか、誰かが魔法を発明するのを待て。

完全ネタバレ拒否の人はご注意あれ

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『デッドスペース3』
アソシエイト・プロデューサー
ジョン・カルホーン氏

 そしてお次は本作のアソシエイト・プロデューサーであるジョン・カルホーン氏に行ったメールインタビューもお届けする。結構キワドい部分もバンバン答えているので、前情報をカットするタイプの人はここから先を読まずに予約しにいってください!

――E3デモを見た時、最初は「ストーリーCo-op(協力プレイ。本作では2人プレイが可能)はいいな!」と思いました。でもそれから「ということは『デッドスペース』らしい孤独感はどうなっちゃうんだ?」と疑問に思ったんです。ところがしばらくしてアジアショーケースの試遊でソロプレイで遊んだら、そんなことはなくて、じつに『デッドスペース』らしいステージになっていました。
 さて今回『デッドスペース3』を出すにあたって、「ここは変えないようにしよう」と思った部分と、「ここは別の選択肢も用意しよう」と思った部分はどこですか? それと、ソロプレイの場合は従来のデッドスペースのような孤独感で遊べるということでいいですか?

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ジョン・カルホーン(以下、カルホーン) まず最初に『デッドスペース』シリーズが“本物”であると感じさせる重要な要素、フランチャイズの“DNA”についてお話するとしましょう。それは、スリリングなアクション、背すじがぞっとするようなサスペンス、身も凍るような雰囲気、そして幻想的な音響といったものです。
 あなたが『デッドスペース』をプレイする時、我々がいかにこれらの要素をストーリーとゲームプレイに溶け込ませているかにお気付きになるでしょう。『デッドスペース3』においては、いつでも参加/離脱可能なCo-opプレイを通じ、これらを友達と一緒に体験するというオプションもあります。

 さて本題は、我々がCo-opというオプションを用意しようとしたために、ソロのキャンペーンの孤独感が失われてしまうのではないかということでしたね。一人でプレイした場合に『デッドスペース』らしい体験をできるか? そりゃもちろん!
 ソロのキャンペーンは、隔絶され、ひとりぼっちの経験です。アイザックがネクロモーフを根絶するために、どのように自分自身と周囲の協力者の力でサバイバルしていくかというストーリーが体験できます。
 そこには、これまで『デッドスペース』がそうであったように、AIの同行者なんかはいません。ただ、あなたがもしCo-opを選んだら、そこにネクロモーフやユニトロジストと深い因縁のあるジョン・カーバーという男が加わる。要はそういうことなんです。

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▲記者はチャプター4の途中まで遊んだが、確かにソロプレイでもカーヴァーは出てくるものの、それはカットシーンなどであり、戦闘シーンはほぼ単独だった(冒頭のみ演出としてカーヴァーが出てくる戦闘もある)。
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――E3デモでは、極寒の惑星“タウ・ヴォランティス”が出てきました。広くて開放感がある、シリーズにとっては新しい感じのステージです。
 逆にアジアショーケースでプレイしたEudoraのステージは、閉塞感がある宇宙船かなんかの狭い通路を進んでいくと奥に何かちらっと見えたりする、すごく『デッドスペース』らしいステージでした。

 こういった、Eudoraのような“いかにも『デッドスペース』”な狭い空間と、タウ・ヴォランティスのようなオープンなマップのバランスはどうなっているんですか?

カルホーン 我々が公開しているのは、『デッドスペース3』に出てくるさまざまな環境のほんの一部に過ぎません。タウ・ヴォランティスと失われた艦隊(Eudoraもそのひとつです)は確かに、まったく新たなテイストの場所と、いかにも『デッドスペース』な場所という点で対称的です。
 まず、タウ・ヴォランティスのような、これまでシリーズになかった広くオープンな空間は、ブリザードによる視界消失、凍りつくような寒さ、漆黒の夜とともに、我々に「いかにプレイヤーを恐がらせるか」という点で新たな側面をもたらしてくれました。

 一方で『デッドスペース』を真にユニークなタイトルとしている要素には、スペースSFという部分もあります。ですからこれまでの『デッドスペース』らしい空間――宇宙船の狭い通路、閉所恐怖症に陥りそうな狭い場所ももちろんありますし、深き闇にネクロモーフが潜む、ゼロG空間や真空空間、漆黒の宇宙も体験できます。我々はこの両者がいい配分になるよう、注意深くミックスしています。

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▲武器の自作システム。素材の種類はそんなに困るほどじゃないのでご安心あれ。ただタングステンが最初中々手に入らないのよね。

――ウェポンベンチのアイデアは超ヤバいですね! プレイヤーは少額(0.99ドル)で素材を買うこともできるそうですが、手に入れようと思えば手に入るものなんでしょうか。それとも、ものすごい手に入れるのがキツいレア素材があったり?

カルホーン 『デッドスペース3』を構築するにあたって、ゲームの中で手に入るものによってすべてを体験できるよう、最初に方針を確認しました。
 一方で、武器のバランスについても注意しています。強すぎてゲームが楽しくなくなるような“スーパーウェポン”はナシです。高難度やモードによりレアパーツやレア報酬はあります。しかし、それはあくまであなたに新たな体験を提供するために設計したもので、超強化するためのものではないわけです。
 素材購入についての話ですが、そうした方が便利と考える人のために加えられました。ここではっきりとお伝えしておきたいのですが、ゲーム中に出てこない素材なんかはありません。本作は“Pay to Win(払って勝つ)”ゲームではなく、“Play to Win(プレイで勝つ)”ゲームです。

――ちなみに、敵のパラメーターはソロかCo-opかによって変動するのでしょうか?

カルホーン そんなに変わりません。本作は、誰かがソロを選んだかCo-opを選んだかによってストーリーやアクションを楽しめなくなってしまうことのないよう設計しています。Co-opを選ぶと、新たなプレイヤーの火力の分を考慮してちょっとだけハードになりますが、それ以上のものではありません。

――歴代の『デッドスペース』シリーズでは、普通の人が狂気に追い込まれる場面を描いて来ました。そういったシーンは今回も期待していいですか?

カルホーン もちろん。実際、Co-opを設計する際ですらも、そこにどのように狂気や幻覚を持ち込むか考えたぐらいです。そしてクールな方法を思いつくことができました。
 あなたが友人と一緒にプレイする時、さまざまな形で本作の現実を体験することになります。しかしそれは一緒のものではないのです。違いは微妙なもので、最初は顕著ではありません。でもそれはゴールに近づくに連れて、次第に大きくなっていくのです。あなたに今見えたものが現実なのか、あるいはそうでないのかは、パートナーに聞いてみるしかありません。恐る恐る何が起こっているのか比較する時の緊張感が、新たな怖さとユニークさを生み出すといいな、と思っています。

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▲アイザックは相変わらずメンタル的にギリギリな状態で、引きこもり気味(家賃も滞納気味)の生活を送っていた。そこにカーヴァーらが現れ、アイザックを死闘へと引き戻す。
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▲今回のイッちゃってる悪い人Danik。冒頭でアイザックをあざ笑うかのように彼が取った行動は……。

――本作では人間の敵も出てきますね。兵士のようですが、どういう目的を持った連中なんですか?

カルホーン  今回の我々のストーリーの悪役“Jacob Danik”は、危険な連中を従えたカルト組織のリーダーです。彼をアイザックにとっての真の脅威とするために、我々は彼の急進的な教義をサポートするパラミリ(準軍事組織)部隊を与えることにしました。
 兵士、傭兵、テロリスト、考えようによっていろんな呼び方ができると思いますが、彼らのゴールはひとつだけです。アイザックが“マーカー”を破壊するのを止めること。マーカーはご存知のように、死者をクリーチャーへと変えて人間社会を破壊する奇妙な伝染病の根源となる異星人の構造物ですが、Danikと彼の兵士たちは、マーカーを人類を次なる進化のステージへと導くものだと信じているのです。

――LexineやEllieなど、過去の生存者たちは関わってきますか? それと……Nicoleなんかは?

カルホーン Lexine WellerやNicoleは『デッドスペース3』にいません。ですが、Ellieは重要なキャラとして帰ってきます。事実として、彼女こそが、彼が本作のミッションを始める理由なんです。
 彼女はマーカーを止める方法を探そうとしており、彼女の調査をきっかけに、アイザックはタウ・ヴォランティスへと導かれます。マーカーとネクロモーフを根絶する鍵がそこにあると信じて。

――日本のコトブキヤによるアイザックのフィギュアは見ましたか? 見たとしたら、感想は?
カルホーン 見ましたよ。とてもすばらしかったです! フィギュアの写真は『デッドスペース』のオフィシャルFacebookページにも飾らせて頂きました。開発チームの何人かは、オフィスの自分の席のコレクションに加えるために予約してます。

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▲コトブキヤのアイザック。背中のアレなんかも光るぜ!
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▲メールインタビューの質問を送った際には未発表だったのだが、先ほどスクウェア・エニックスからPLAY ARTS改のアイザックフィギュアも発表された。というわけでまとめて紹介。5月下旬発売だそうです。

――PC英語版ではありますが、『デッドスペース3』は正式ナンバリングタイトルとして初めて日本で海外と同時期にリリースされます! 日本のファンは発売日を待ちきれません。最後にファンにメッセージをお願いします。
カルホーン シリーズを愛してくれてありがとうございます。我々は日本で『デッドスペース』を遊ぶのが簡単なことではないことを知っています。我々が知っているのはそれだけじゃありません。ファンの皆さんの熱心さもです。皆さんのコスプレすらも、サンフランシスコにいる我々の開発チームの刺激になっています。皆さんが『デッドスペース3』をプレイするのが待ちきれません。感想を頂けたらうれしいですね!