為替前提レートの見直しがキー
2013年1月30日、任天堂が2013年3月期の第3四半期決算短信を発表。あわせて、2013年3月期の通期業績予想を修正した。
通期業績予想の修正理由は「年末商戦の販売動向及びその後の状況を踏まえた結果、売上高が想定を下回る見込みとなったため」としており、売上高8100億円、営業利益200億円の前回予想から、売上高6700億円、営業損失200億円へと下方修正。
一方、昨今の為替市場の状況を反映し、為替レートの前提レートを1ドル80円から90円、同じく1ユーロ100円から120円に見なおしたことなどを受け、経常利益は100億円から200億円に、当期純利益が80億円から140億円と、逆に上方修正となっている。
○前回発表予想
売上高 8100億円
営業利益 200億円
経常利益 100億円
当期純利益 60億円
○今回修正予想
売上高 6700億円
営業損失 200億円
経常利益 200億円
当期純利益 140億円
なお、第3四半期の連結経営成績は、売上高が5430億円(前年度比2.4%減)、営業損失が58億円、経常利益は227億円、四半期純利益が145億円となっている。業績予想の修正内容は以下。
各ハード・ソフトの販売数
決算短信の公開に合わせて、昨年4月から12月末時点までの各ハード・ソフトの販売台数・本数についても公表されている。
●ニンテンドー3DS
第3四半期(2012年4月から12月)では、ニンテンドー3DSにおいては、ハードではニンテンドー3DS LL、ソフトでは『New スーパーマリオブラザーズ 2』や『とびだせ どうぶつの森』などに言及。ハードウェア全体の販売台数が1271万台、ソフトウェアの販売本数は3956万本と報告している。
また、『New スーパーマリオブラザーズ 2』は全世界合計で596万本、『とびだせ どうぶつの森』はパッケージ版・ダウンロード版合計で273万本を販売とのこと。
なお、ニンテンドー3DSは今期販売予想をハード1750万台、ソフト7000万台としていたが、今回の決算短信ではそれぞれ1500万台、5000万本と修正されている。
●ニンテンドーDS
ニンテンドーDSでは、『ポケットモンスターブラック2』、『ポケットモンスターホワイト2』が世界合計で763万本を売り上げたとする一方、世代交代も着実に進んでおり、ハードウェアは215万台、ソウトウェアは3024万本となっている。
●Wii U/Wii
Wii Uでは、ハードウェアが306万台、ソフトウェアが1169万本という数字。うち、『New スーパーマリオブラザーズ U』が201万本、『Nintendo Land』が233万本。
ちなみにハード販売台数の国内外の内訳だが、国内が83万台で米大陸が132万台、その他が90万台という内容だ。
なお、Wii Uは今期販売予想をハード550万台、ソフト2400万本としていたが、今回の決算短信ではハード400万台、ソフト1600万本へと修正している。
Wiiはハードが353万台(前年度896万台)、ソフトが4508万本(前年度8906万本)で、前年度第3四半期と比較すると約半分といったところ。決算短信では『マリオパーティ9』がミリオンセラーになった一方、新規タイトルが少なかったとコメントされている。
●そのほか
ユーロ為替市場の円高推移の影響などもあり、売上高は5430億円で、内訳は日本が33.6%、米大陸が37%、欧州は26.3%。営業損益では「Wii U本体の採算が厳しい」(決算短信より)こともあり58億円の損失としながらも、年末の円安相場の影響で為替差益が222億円発生し、経常利益227億円、四半期純利益は145億円としている。