被災地を盛り上げるJR東日本×ポケモンの注目プロジェクト!

 2012年12月22日、JR東日本盛岡支社は、ポケモンの被災地活動”POKEMON with YOU”の協力のもと、ポケモントレイン気仙沼号の運転を開始(運転区間は、宮城県一ノ関駅から、同県の気仙沼駅まで)。ここでは、当日行われた出発式の模様と、一般向けの運行に先駆けて行われた試乗の様子をお届けしよう。

 この日、一ノ関駅と気仙沼駅の2カ所で執り行われた出発式には、JR東日本代表取締役社長・冨田哲郎氏、ポケモン代表取締役社長・石原恒和氏、気仙沼市副市長・大江真弘氏などが出席。主催者の代表である冨田氏は、「気仙沼市を始め、震災に遭われた地域の復興はまだまだ険しいものがあると思います。被災地の皆様、とくに子どもたちに元気を出してもらえるように、ポケモントレインを企画しました」と、今回の企画意図を語った。

ポケモンの東北復興支援企画“ポケモントレイン気仙沼号”に乗ってみた!_01
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▲東北を中心に走行している気動車キハ100系をリニュールしたポケモントレイン気仙沼号。
▲車両の側面には、ピカチュウのほか、『ポケットモンスターブラック2・ホワイト2』に登場したイッシュ地方のポケモンたちが描かれている。
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▲ポケモントレイン気仙沼号の名前は、車両の案内にも表示されている。細かなこだわりも見逃せない。
▲出発を記念したテープカット。写真左から、JR東日本代表取締役社長・冨田哲郎氏、気仙沼市副市長・大江真弘氏、ポケモン代表取締役社長・石原恒和氏、JR東日本執行役員 盛岡支社長・福田泰司氏。
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▲こちらは、この日の試乗に招かれた子どもたちによるクス球割り。ピカチュウも登場して場を盛り上げていた。

無数のポケモンたちで彩られた遊び心いっぱいの車内がスゴイ!

 一ノ関駅と気仙沼駅での出発式の後には、それぞれ事前に応募した子どもたちと保護者の計46名がポケモントレインに乗車。記者は、15時02分発の気仙沼駅→一ノ関駅の運転に乗せてもらうことができたので、気になる運行の様子をリポートする。

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▲ポケモンがデザインされているのは、車両の側面だけでなく、車内全体。ドアが開いた瞬間に広がるポケモンの世界に圧倒される。
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▲車内は、向かい合った4人掛けのシートが複数設置された”コミュニケーションシート車両”と、靴を脱いで自由に遊べる“プレイルーム車両”のふたつで構成される。
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 電車が気仙沼駅を出発すると、車内にはピカチュウからのメッセージが流れ、参加した子どもたちは大喜び。思い出ノートや車両のヘッドマークをイメージした缶バッジ、記念乗車証をプレゼントされるほか、プレイルーム車両で楽しく遊ぶことができる。

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 気仙沼駅から一ノ関駅までの乗車時間は、約1時間30分ほど。ポケモンデザインの車両を楽しんだり、プレイルームの遊具で遊べるほか、車窓から北上川の流れや東北の豊かな自然の景観を眺めたり、数ヵ所ある途中停車駅では、ホームに降りての記念撮影やスタンプラリーも行える。大船渡線では、各駅にポケモンをモチーフにした“おもてなし”が用意されており、電車だけでなく停車駅ごとに楽しみを見つけられる趣向だ。

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▲発車ホームの駅名標は特別仕様に。停車駅ごとに描かれているポケモンが異なるという凝りようだ。
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▲駅の敷地や構内には、ポケモンのフォトスポットが設置。訪れた記念写真が撮れる。
▲ホームにさりげなく置かれたポケモンモチーフの植木。とくにアナウンスがない遊びも各所にあるので、目が離せない。
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▲ホームフェンスに描かれたポケモンたち。フェンスの装飾は左右の見る視点でデザインが変わる“ななめアート”になっている。
▲JR東日本とポケモンのコラボ企画と言えば、おなじみのスタンプラリー。子どもたちが楽しそうにスタンプを押しているのが印象的だった。

子どもも大人も笑顔になれる観光スポット

 今回、ポケモントレイン気仙沼号に乗車してみて印象に残ったのは、車両の内装および乗務員の方々の応対、各駅の“おもてなし”の工夫がとにかく素晴らしいことと、何よりも乗車した子どもたちが自然な笑顔で溢れていたこと。JR東日本が「観光面からの復興支援と地域活性化を目的としている」とリリースしている通り、今後は多くの乗客を集め、冬の観光の目玉になることだろう。2012年12月22日から2012年12月28日までの7日間については、事前応募のあった被災地域の子どもたちを招待する形になるが、その後は一般客も利用できるようになる予定(全席指定。指定席は、乗車の1ヵ月前の午前10時より、全国のみどりの窓口にて販売)。一ノ関や気仙沼を訪れる機会があれば、乗車してみてはいかがだろうか。

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