“究極の箱開けゲー”ここに極れり!

 2012年12月19日(水)、東京・秋葉原にてソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンのプレイステーション Vita(以下、PS Vita)ダウンロード専用タイトル『箱! -OPEN ME-』(2012年12月20日配信予定)の発売記念イベント“ハコンファレンス”が開催された。本作は、PS Vitaの背面カメラを使った新感覚の謎解きゲーム。最新のSmart AR技術によって画面に映し出された“鍵のかかった箱”を、ギミックを駆使しながら開けていくシンプルなゲームだ。素材や大きさ、色、形、いろいろな箱が約50種類入って、価格は1500円[税込]。一部を遊べるダイジェスト版は100円[税込](※ダイジェスト版購入者は通常版を1400円[税込]で購入可能)。今回の“ハコンファレンス”には制作陣も登場し、コンセプトや遊び方を実演した。

▲こんなところも“ハコ”。
▲左から、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン JAPANスタジオ エクスターナルデベロップメント部アソシエイトプロデューサー 五十嵐 藍葵氏、JetRayLogic代表取締役兼ゲームディレクター 松田太郎氏、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン JAPANスタジオ エクスターナルデベロップメント部プロデューサー
猿渡晴義氏

 “箱の匠”ということで(?)、制作陣は甚平を着て登場。「今回はなぜ、箱をテーマにしたのでしょうか」という司会者からの質問に、JetRayLogic代表取締役兼ゲームディレクターの松田太郎氏は、「前回『ゴミ箱』というゲームを作ったんですが、今回そこから“ゴミ”をとって、ただの箱になりました」とゆるーく回答。しかしそんな回答とは裏腹に、じつは箱というテーマには“深イイ”理由があったのだ。松田氏いわく、“企画をたてる段階から決めている決め手”として、「1.世界中のどこにでもあるもの」、「2.インタラクションが直感的」、「3.自分の親父でもできるもの」の3つがあるのだとか。まず、“箱”という生活圏内に必ずあるものをゲームの中心に添え、さらに“箱があったら開けたくなる人間の本能”を刺激する要素を投入。そして一番大事なこととして、機械が苦手な両親世代や子どもたちにも、説明がなくても直感だけで楽しんでもらえるように意識しているそうだ。その際、開ける“箱”のリアリティも大事で、可能な限り物理的な構造を守って作られているとのこと。

 そんな、『箱! -OPEN ME-』は、最新の機能を搭載した“究極の箱開けゲー”。機能はハイスペックながらも、ゲームの内容は「謎をといて、箱を開けていくだけ」という非常にシンプルなもの。仕掛けの中には刃がついたプロペラが回っていることもあり、迂闊に触れればゲーム内の指をケガしてしまう。両手の指(10本)をすべてケガしてしまうとゲームオーバーになってしまうので、慎重にタッチしたい。

▲ゴミ箱-ゴミ=箱!
▲五十嵐氏がチュートリアルを実演。
▲画面左下の指(両手合わせて10本)をすべてケガするとゲームオーバー。
▲アシスタントに登場したのは、料理、着付け、乗馬をたしなんでいるという“箱入り娘”さん。

 また、本作はひとりで楽しむだけでなく、ふたり協力プレイにも対応。PS Vita本体をそれぞれひとつずつ持って、ふたりで協力して箱を開けていくことで“ハコミュニケーション”も生まれるのだ。実演で登場した箱では、ひとりが画面の数字や記号を読み上げ、もうひとりが読み上げられたものを入力するというシステム。さらに、レーザー光線をお互いのPS Vitaでパネルに反射させるなど、非常にユニークな仕掛けが満載となっていた。

▲数字以外の記号も登場。
▲PS Vita2台でレーザーを反射させ、箱のパネルに当てる。
▲初対面でも盛り上げれちゃうかも?
▲通常Tシャツ(左)と、ハコンファレンスのために作られた特別Tシャツ(右)。
▲Smart ARで読みこむと……。
▲背中がパカーン!

 このほかにも、“ハコンファレンス”では新規情報を続々と公開。オンラインを伝って、プレイヤーのもとにやってくる“さすらう箱”と、スロット機能を搭載した“賭け箱”というレア箱は、一定時間内に開けられないとつぎのプレイヤーの元へ飛んで行ってしまうのだとか。開けられなかったプレイヤーたちのポイントはどんどん積み重なり、見事クリアーした人に貯まったポイントが全部プレゼントされる仕組み。得られるポイント数はランキングに影響してくるほか、後々なにか“いいこと”が起こるとのこと。

 また、さまざまなコンテンツとコラボレーションした“コラボ箱”も配信決定。第1弾の“コラボ箱”として、2012年12月20日(木)発売日に、人気キャラクター・トロの顔がプリントされたキュートな箱“トロ箱”が無料配信されることがわかった。そして、追加コンテンツ“家電シリーズ”の配信も決定。第1弾の“オーブンボックス”は2013年1月10日(木)に、第2弾の“洗濯箱”は2013年1月17日(木)に、第3弾の“自動移動式掃除箱(仮)”は2013年1月24日(木)に配信予定だ(現時点での価格は未定)。

 さらに、本作が第16回文化庁メディア芸術祭のエンターテインメント部門で、審査委員会推薦作品を受賞したという喜ばしいニュースも。アソシエイトプロデューサーの五十嵐藍葵氏は「ダウンロード専用タイトルの中でこの賞をいただけたことは、究極の誉れだと思います」とコメントし、松田氏は「普段なかなか評価されることは少ないんですが、今回、新しい遊び方でおもしろい体験をしてもらうことに意味があると認めていただけたような気持ちになり、皆非常に喜んでいます」と喜びを覗かせた。最後に、プロデューサーの猿渡晴義氏が「開発メンバー6人、制作期間8ヵ月。その中で、Smart ARという最新技術と6名の情熱が加わったいままでにないゲームです。新たな楽しさを体験していただければと思います」とコメントし、ハコンファレンスを締めくくった。

▲オンラインでレアな箱が登場!
▲“トロの箱”は、トロが一生懸命作った箱です。
▲追加コンテンツ“家電シリーズ”
▲第16回文化庁メディア芸術祭エンターテイメント部門「審査委員会推薦作品」受賞。
▲ハコミニュケーションで、プレス陣も大盛り上がり。
▲お土産。箱を開けると……?
▲『箱! -OPEN ME-』のTシャツ(通常版)が登場。