日本上陸は未定だが、多彩な要素に可能性を感じる!
2012年12月11日、オーストラリアのシドニーで、エレクトロニック・アーツのプライベートイベント“EA ASIA SHOWCASE 2012”が行われた。
本稿では、Insomniac Gamesが開発中のTPS(三人称視点シューティング)『Fuse』のプレゼンテーションの模様と、プレイヤブルデモのリポートをまとめてお届けする。
なお本作は、海外では2013年3月にプレイステーション3とXbox 360で発売予定。
今回見ることができたタイトルの中で、魅力ある“大穴”的存在を挙げるとすれば『Fuse』だ。2011年のE3前のプレスカンファレンスで“Overstrike”として発表された本作は長いこと続報がなく、一時は「キャンセルされたのでは?」とのウワサも流れたほど。
しかし今回開発元Insomniac Games(『ラチェット&クランク』や『レジスタンス』などで知られる)のクリエイティブ・ディレクターのブライアン・オールガイア氏からプレゼンテーションを受けた上で本作を遊んでみたところ、非常に大きな可能性を感じた。
ソロCo-opも4人Co-opも可能!
本作の舞台は近未来。1940年代にアメリカ政府が発見し秘匿してきたエイリアンのテクノロジー“Fuse”が武装組織によって強奪される事件が発生。CIAは、スゴ腕エージェントが集まる部隊“Overstrike 9”(改題前の名残り)にFuse奪還を依頼する……という設定。
というわけでプレイヤーは、ダルトン、ジェイコブ、イジー、ナヤという4人のエージェントを操作して戦うことになる。キャンペーンモードはいつでも離脱&参加が可能なオンライン経由の4人同時Co-op(協力)プレイが可能で、ソロでプレイする際でも、自分が操作している以外のAI操作のキャラクターへいつでも切り替え可能。
「敵スナイパーが出てきたからスナイパーライフル持ちのキャラをメインで操作したいな」と思ったら、たったボタンを2回押せば切り替えできる(デモ機はXbox 360だったので、バックボタンを押すと選択画面が出てきて、XYABに割り当てられた各キャラのボタンを押せばオーケー)。
そのほかキャラクター周りの要素としては、パワーが溜まると使える“FUSION”モード(攻撃力にブーストがかかったりする)や、スキル取得などの成長要素も用意されている。
また、“エシュロンモード”というキャンペーンモードとはまた別の4人プレイ可能なオンライン協力プレイモードがある。これは、ラウンドごとに目的やボスが設定され、押し寄せてくる敵を排除していくというもの。テイストとしては『ギアーズ オブ ウォー』のHordeモードのような感じだが、エシュロンモードでは全部で6種類のタイプ(護衛、標的撃破など)があり、ボス戦以外はラウンドごとにランダムで選択される。
なお、エシュロンモードとキャンペーンモードではキャラクターの成長度合いなどを共有しており、キャンペーンで鍛えたキャラクターでエシュロンモードでどこまで進めるか挑戦するといったこともできる。
専用武器:マグシールド
ダルトンのマグシールドは、前面に半透明のシールドを生成する。これは敵の銃弾を無効化しつつ、自分と味方の銃弾は通過できるという優れもの。シールドを張りながら仲間とともに進んで前線を押し上げることもできるし、シールドをその場に固定して別の銃に切り替えて銃撃することも可能。接近してきた敵には衝撃波をお見舞いすることもできる。
専用武器:シャッターガン
赤毛のエージェント“イジー”のシャッターガンは、敵を撃ち続けることで結晶化してしまう能力がある。強化によっては、ダウンした仲間のヒールも可能だ。
専用武器:アークショット
ジェイコブ(上記画像の背中を向けている黒人男性)の専用武器はクロスボウ型のアークショット。敵が炎上する強烈な威力を持つほか、強化を行うと地面に撃っておき、上を通った敵を燃やし尽くすといった芸当もできる。
専用武器:ワープライフル
もうひとりの女性隊員ナヤのワープライフルは、撃ち続けることで敵を異次元に放り込む能力を持つ。強化によっては光学迷彩を使うことも可能だ。
敵多すぎ! でもギミックも多くて面白いぜ!
今回のイベントに出展されていたプレイヤブルデモでは、キャンペーンモードとエシュロンモードを1ミッションずつプレイすることができた。
感想を先に言ってしまうと、どちらも敵が多くてめちゃくちゃハード! キャンペーンモードではとある基地へ侵攻するミッションがプレイできたのだが、最初の一発を撃ったらごそっと30~40人の敵兵が出てくる始末。一体一体はそうでもないのだが、なんせ数が多いせいでナメた動きをしていると速攻でダウンしてしまう(ダウン中は這うことができ、一定時間ないに仲間が蘇生してくれると復活可能。AIキャラクターも結構頑張って助けに来てくれる)。
仲間との連携、そして各特殊能力をちゃんと活用しないとキツいのは想像に難くないと思うが、初見プレイになる各国メディアは結構な割合で脱落していた(エシュロンモードは一緒にプレイする相棒次第な部分もあるのでさらにキツかった)。
プレイしていてわかったのは、ギミックの多彩さだ。各メンバーの専用武器や特殊能力はもちろん、カバーリングアクションだってあるし、ナヤの光学迷彩能力などを使えばステルスキルも可能。低い障害物などもボタン一発でスムーズに乗り越えられるし、戦闘中に扉をハッキングして移動ルートをこじ開けるといったこともできた。
まだ完成版ではないということもあり、プレイしていると妙な挙動に遭遇することなどもあったが、チームベースのTPSに要素をてんこ盛りにしまくった感じは個人的に大変楽しめた。ここからの調整がうまく進めば、一躍来年の春先の注目洋ゲーの座に躍り出ることもあるのではないかと思った次第だ。