GTX 680が2枚挿しの贅沢構成でプレイ!

各国メディア死にまくりのハードコア度! 『クライシス 3』試遊リポート【EA ASC 2012】_06

 2012年12月11日、オーストラリアのシドニーで、エレクトロニック・アーツのプライベートイベント“EA ASIA SHOWCASE 2012”が行われた。
 APAC(アジア太平洋地域)部門が管轄のイベントとして、オーストラリア、ニュージーランドだけでなく、アジア地域のメディアも多数参加。というわけで本誌も取材してきたので、模様をお届けする。

 日本でもすでに2013年3月7日の発売が決定している、CrytekのFPS(一人称視点シューティング)シリーズ最新作『クライシス 3』。本作についてはプロデューサーのマイク・リード氏がプレゼンテーションを行ったほか、Xbox 360でのマルチプレイと、PC版でのシングルプレイを試遊できた。

 本作の特徴は、主人公が装着するハイテクスーツ“ナノスーツ”がもたらす超人的能力と、マップ内の行動の自由度の高さだ。ひとつひとつのミッションはある程度区域が区切られているが、一般的なFPSのキャンペーンに出てくるフィールドと比べると非常に広く、またナノスーツによるハイジャンプや光学迷彩のおかげで、提示される目標に対する攻略ルートは結構幅広く、しかも「ここまではステルス、ここからはパワープレイ」といった具合に自在に変化できる。すでに公開されているインタラクティブトレイラーを見れば、途中までは同じようなプレイなのに、選択した方法によって途中からまったく違うプレイに変化していることがわかるだろう。

 今回PC版プレイアブルデモを触ってみて、何度かプレイして頭に浮かんできたのは、“彼を知り己を知れば百戦して危うからず”という言葉だ。
 いや正直、FPSのプレス用デモを年間何本も遊んでいると「まぁ大体こんな感じでプレイすりゃクリアーできるだろうな」っていう目安があるのだが、まぁ~本作はそれが通用しない。なんせマップ広いから、舐めたプレイをしてるとどこかで集中砲火を食らう(実際、このミッションはかなりハードで、周囲のメディアも苦労していた)。

 そこで襟を正して冷静に考えなおすと、「俺、あそこですぐに乱戦に入っちゃったけど、弓矢でアイツ倒してから屋上に飛び上がった方が活路は開けたんじゃないの?」とか、「ココ、敵を律儀に倒そうとして最終的に弾切れでお陀仏だったけど、ステルスで走り抜ければクリアーだろ?」とか、「あ、あんな所に爆発物(弾薬箱でも可)あったんじゃん」とか、ちゃんとさっきは気付かなかったポイントが見えてくる。

 というわけで、敵(この場合は敵兵やクリーチャーだけでなく、マップそのもの)をじっくり観察して知り、己の武器やナノスーツの能力をちゃんと思い返していくと、「あれ、まずそこに行ったら、次はあそこに行けばよさそうだな」と、ポイントとポイントが繋がれて、ただダダっ広かったマップに“道”が浮かび上がってくる。
 あぁそうそう、武器のアタッチメントを切り替えてガンガンカスタマイズしていくのも環境に適応した戦いを展開するには重要だが、本作で特にフィーチャーされている弓も、C.E.L.L兵を即死させる威力のあるノーマルタイプの矢以外にも、電撃タイプや爆発タイプや煙幕タイプなどの矢が用意されており、これもまた非常に楽しいポイント。ちなみに、今回はセフのプラズマガンなども拾って使うことができる。

各国メディア死にまくりのハードコア度! 『クライシス 3』試遊リポート【EA ASC 2012】_04
各国メディア死にまくりのハードコア度! 『クライシス 3』試遊リポート【EA ASC 2012】_05
▲前半戦は倉庫内でC.E.L.L兵士(雑な言い方をすると何か企んでそうな軍)と遭遇。マップ中央2階にあるジップラインからの脱出が目標となる。

 そしてもうひとつデモについて付け加えるとすると、後半の草原での戦いで顕著だったのだが、生い茂った草がナチュラルに動きまくる表現がハンパじゃなくスゴかった。デモ機はグラフィックカードにGeforce GTX 680を2枚挿してSLI接続した結構豪華な構成だったのだが、DirectX 11環境でのCryEngine 3のポテンシャルをフル活用した映像表現が、結構なフレームレートでバリバリ動いているさまは、思わず笑っちゃうほどだった。

各国メディア死にまくりのハードコア度! 『クライシス 3』試遊リポート【EA ASC 2012】_03
各国メディア死にまくりのハードコア度! 『クライシス 3』試遊リポート【EA ASC 2012】_02
各国メディア死にまくりのハードコア度! 『クライシス 3』試遊リポート【EA ASC 2012】_01
▲後半戦は高度生命体セフ(雑な言い方をするとエイリアン)と遭遇。マップ奥にいるサイコと合流し、現場を離脱するまでが目標。

 プレゼンテーションでは、すでにティザー映像が公開されている、映画監督アルバート・ヒューズと組んだ特別映像“クライシス 3:The 7 Wonders”のエピソード1の上映も行われた。ゲーム映像を組み合わせて結構見応えのある内容となっていたので、こちらもお楽しみに。

マルチプレイもさらに進化

 一方、マルチプレイのデモでは、ユニークなモードのひとつ“ハンターモード”をプレイした。これは、マッチ開始時にナノスーツ(光学迷彩オン)+弓矢を装備した“ハンター”が指名され、その他大勢はC.E.L.L兵として規定の時間逃げまわるというもの。
 ハンターがC.E.L.L兵プレイヤーを倒すと、倒されたプレイヤーもハンターとなるので、逃げるのが段々キツくなっていくという寸法だ。一定時間が過ぎたらラウンドが終わり、逃げた時間や行動に応じてポイントを加算。次のラウンドはまた別のプレイヤーがハンターに指名され、一定ラウンド数をこなすと終了する。

 “ナノスーツ対一般兵士”となるとハンター側が無敵に思えてくるが、弓矢は即死レベルで強力なものの連射が効かないし、そもそも光学迷彩オンとはいえ姿はちょろっと見えているので、不用意な行動を取ると危険なのは変わりがない。デモでは1ラウンド2分の試合を5ラウンド戦ったのだが、結構2分間逃げ切れるものだった。しかし、この辺りのバランスはプレイヤーがモードに慣れてマップ理解が進むことで変わってくることもあるだろう。

 マルチプレイは全部で12マップで8つのゲームモードが用意され、PC版では最大16人、家庭用ゲーム機では12人がプレイ可能。PC版にはデディケイテッドサーバー(専用サーバー)のシステムも用意される予定だ。