「この感じ絶対来るよなぁ」と思ってるとやっぱり来る。でもビビる。
2012年12月11日、オーストラリアのシドニーで、エレクトロニック・アーツのプライベートイベント“EA ASIA SHOWCASE 2012”が行われた。
APAC(アジア太平洋地域)部門が管轄のイベントとして、オーストラリア、ニュージーランドだけでなく、アジア地域のメディアも多数参加。というわけで本誌も取材してきたので、その模様をお届けする。
本稿でお届けするのは、日本では正式ナンバリングタイトル絶賛未発売中のホラーサバイバルゲーム『デッドスペース3』。残念ながら開発チームからのスタッフは来ていなかったのだが、プレイアブルデモがバッチリ公開されていたので、その模様をお届けする……って、実はこのステージ、もうオーディオコメンタリーつきのビデオが公開されてるんですよねぇ。しかし、それでもやっぱり面白いんである。
一応おさらいしておくと、本作は人間の死体が変化するクリーチャー“ネクロモーフ”が蔓延する致命的災害にひょんなことから巻き込まれた技師アイザックを主人公とするサバイバルホラーアクションシューティングの第3作。
ネクロモーフはその性質上、割と“死んだフリ(っていうか死体のフリ)”をしているので、クリーチャーを工具(レーザーカッター)で切り裂きまくるのはまだしも、ビビりのプレイヤーほど、石橋を叩いて壊すかのように一般人の死体も容赦なく踏みつけてまわる野蛮さに発展するという、ヒジョーにいろんな意味で容赦のないゲームである。
で、何でビデオがすでに出ているステージなのに面白いのか? “デモを最大限に楽しみたいから細かいところは見ないようにしたし、頑張って一回忘れた”という事情もあるのだが、シリーズで築きあげてきたお約束がきっちり踏襲されているからなんですね。
それは「このいやーな感じ、来るよなぁ……」と思っていると、きっちりネクロモーフの襲撃を食らうこと(大抵は思ったタイミングよりワンテンポ遅れてだが)。
今回だと、例えばミニシアターだか講義室らしき部屋を通って行くシーン。この部屋の手前にある廊下で、天井に植えてあるかのような死体からネクロモーフが出てくるという演出を一回やってるんですね。
そこではきっちり倒す余裕があるから対処できるしあんまり驚かないんだけど、この部屋に入って行くと、もうすぐそこにヤツが2体ぶら下がっている。でも手前のヤツの近くに行っても動かない。「うわー、これ絶対マズいよなぁ……」と思いつつ、弾は節約したいからフェイクの可能性(本当に死体だった)を疑って下を恐る恐る通りすぎる。そしてもう一体の下を通ろうとした時に……そっちは降りてくるんだ。「やっぱりそうなのかよ!」と慌てて倒し、「まさかな」と後ろを見ると、案の定さっき下を通り過ぎた奴が襲ってきているという按配。
もうね、大体そんな感じ。“手前で曲がればよさそうだけど、廊下の奥にアイテム箱が見える”って時は、そりゃ奥に行ったら後ろからネクロモーフがやってくる。“ジェネレーターを動かすために巨大なパーツをキネシス(念動能力)で動かさなきゃいけない”なんて時は、そりゃ何個目かを動かす作業してる時に、あんまり逃げ場もないのに大量のネクロモーフのラッシュがやってくるわけですよ。毎度、雰囲気と音、そして視線誘導のコントロールが上手いので、記者なんぞは毎回アホのように踊らされます。
シリーズ初となるCo-op(協力)プレイを発表したE3デモでは、ちょっと違ったテイストを見せたかったからなのか、Co-op多めでシリーズの特徴である孤独感少なめ、ホラーというよりもどこかのアドベンチャー大作っぽいハプニング演出多め、結構広い屋外フィールドでもうひとつのシリーズの特徴である閉塞感少なめという、「これはこれでスゲー感じだけど、肝心の部分はどうなの?」という疑問も少しないわけではなかった。
今回のデモは、そんな疑問に対する「そっちはそっちで任しとけよ!」という宣言のようにも思えた次第。もちろん、ホラーとはまた別のお楽しみ要素として、本来工具という設定の武器を工作ベンチで夢の超凶悪武器に魔改造しまくれるという要素や、『デッドスペース2』にもあった「アイアンマン」バリの宇宙カッ飛びシーンもあって、そちらも非常に楽しめた!
でまぁ発売日ですが、海外はXbox 360とプレイステーション3とPCで2013年2月5日発売予定となってます。