東西の予選を勝ち抜いたトッププレイヤーが渋谷で激突!
2012年12月9日、渋谷WOMBにてゲームプレイヤー日本一を決める東西対抗トーナメント大会“Red Bull 5G FINALS”が開催された。
Red Bull 5Gとは、エナジードリンクでおなじみのレッドブルが日本のゲーミング界に翼をさずけることを目的に開催されたゲーム大会のこと。今回は5つのジャンル「レーシング」「FPS」「スポーツ」「ファイティング」「フリージャンル」で行われ、東京と大阪で実施された予選(参加者は約1700名)を勝ち抜いたトッププレイヤーが東軍・西軍に分かれて雌雄を決する団体戦形式。先に3ジャンルで勝利を収めたチームが優勝となる。
レーシング:『GranTurismo 5』
初戦「レーシング」は『GranTurismo 5』。両軍から2名ずつ参戦して4名のレース形式で2コースを走り、合計ラップタイムがもっとも速いプレイヤーが優勝となる。使用する車種は本大会のための特別車Red Bull X2012 5Gということで、大会運営サイドの気合の入りかたが伝わるようだ。
最初のラウンドはハイスピードリンク。日本最高峰のプレイヤーが集まっているだけのことはあり、最終ラップの最終コーナーまで4台が一団となった展開。この息詰まる接戦は、西軍のワンツーフィニッシュ(1位 kh選手、2位 マサル選手)で勝負は決した。しかし、3位 YAM選手との差は0.152秒、4位 やまどぅー選手との差は0.557秒とほとんど差がない状態。
勝負を決する2ラウンドの舞台はニュルブルクリンク。今度はハイスピードリンクとは逆の展開で、東軍の2選手が先行する形でレースが進行する。中盤、YAM選手とkh選手が抜きつ抜かれつの激しい2位争いをくり広げるなか、そのまま最終ラップへ。kh選手のアタックをかわしたYAM選手が2位を死守して、東軍がワンツーフィニッシュをやり返した。
最終的にはYAM選手のフォローを受けた形でトップを独走したやまどぅー選手が、ハイスピードリンクの遅れを挽回して優勝の栄冠に輝く。同時に西軍に幸先のよい1勝をもらたした。
FPS:『Battlefield 3 Close Quarters』
2戦目の「FPS」は『Battlefield 3 Close Quarters』による4人対4人のチーム戦。マップ内にある3本の旗(拠点)を制圧するドミネーションの1本勝負(チケットは150)で行われた。
この試合も一進一退の好勝負を展開する。アサルトライフル中心の東軍、SMG中心の西軍と対照的なスタイルで、チケットが60前後になるまでまったく差が開かないまま終盤に突入。ここから勝負の流れが大きく動き出した。お互いにAとCの旗を制圧した状態で、マップの中央にあるBの旗が激戦区になると、激しく攻める東軍に対して西軍がうまく守り続けて一線を越えさせない。完璧な守りでBの旗を死守した西軍が、リードを広げて勝利をもぎ取った。チームワークもさることながら、個人の高いスキル(西軍トッププレイヤーは25キル/7デスという驚異の戦績)が融合したことが勝因だったようだ。
スポーツ:『FIFA 12』
3戦目「スポーツ」は『FIFA 12』。ここからは1対1の個人戦となる。試合は6分ハーフの1試合勝負で行われた。
両軍ともに『FIFA』シリーズのゲーム大会で頂点に立った経験を持つトッププレイヤーという日本最高峰の戦いは、東軍・jengaman選手のレアル・マドリッド、西軍・ともプー選手のブラジル代表の組み合わせ。両選手ともに確実にパスをつなぐスタイルであり、キープ力が抜群でレベルの高い攻防がくり広げられた。お互いに手の内をよく知る間柄であり、うかつに相手の足もとに飛び込んでかわされるようなプレイは皆無。確率の高いプレイを瞬時に判断するスピードが早く、慎重な立ち上がりを見せたが、左サイドをドリブルで切り込んだクロスをクリスティアーノ・ロナウドが頭で合わせてjengaman選手が先制。一気に会場のボルテージが高まると、今度はともプー選手が魅せる。ドリブルの個人技でディフェンス陣をかわすと、落ち着いてゴールキーパーとの1対1の場面を制して同点に追いつく。その後、シュートがゴールポストに2回当たる場面を作ったともプー選手が押し気味の展開で前半戦が終了。後半戦はも一進一退の互角の戦いが続き、勝負の行方は延長戦(1分ハーフ)に持ち込まれた。ここで両選手ともに疲れの見える選手を交代するが、ともプー選手はフォーメーションを4-4-2から4-3-2-1に変更。これが勝負の綾となったのか、延長前半にC・ロナウドのドリブル突破から最後はベンゼマがシュートを決める。これが決勝点になり、2-1でjengaman選手が勝利を収めた。
ファイティング:『Street Fighter X 鉄拳』
4戦目の「ファイティング」は『Street Fighter X 鉄拳』。1試合は2ラウンド先取制で、3試合を先取したプレイヤーが優勝となる。使用キャラクターは東軍・いんこ選手がファラン&ルーファス、西軍・エートロ選手がジャック&サガット。
ド派手なコンボ攻撃の演出もさることながら、キャラクター交代のタイミングを巡る駆け引きが見せ場となるなか、東西のトッププレイヤーの激突はまるでシナリオがあったかのような手に汗握る展開になる。交互に勝利を収めて2-2になると、最終決戦もお互いに1ラウンドを取って勝負の行方はすべてが決する3ラウンドへ。いんこ選手が優勢に進め、残り時間が少なくなるなかで、エートロ選手が勝負に出た。「いい飛び込みだ!それはァ!」と実況・解説のブンブン丸氏が思わず叫んだ絶妙な反撃から、冷静に逆転勝利をつかんだ。
これで東西決戦は2-2。最終戦の「フリージャンル」に決着がゆだねられた。
フリージャンル:『ぷよぷよ!!』
東西の雌雄が決する5戦目「フリージャンル」は『ぷよぷよ!!』。1試合は2ラウンド先取制で、3試合を先取したプレイヤーが優勝となる。
いまや国民的パズルゲームとなった人気タイトルだが、トッププレイヤーどうしの対戦は“ほのぼの”とした作品の雰囲気からは想像できない緊張感が漂うものになった。とにかく“ぷよ”を積むのが早い。そして迷いがない。そのうえで次のぷよと相手の動向を見て、おじゃまぷよを仕掛ける(または相殺する)タイミングを図るという高度な読み合いがくり広げられた。この対戦を最終スコア3-1で制したのは、東軍・くまちょむ選手(非公式団体・日本ぷよ連盟理事長でもある)。この瞬間、本大会の東軍勝利が決定した。
全試合終了後、各ジャンルの優勝者の表彰式が行われ、最後に東軍プレイヤー全員に優勝旗&賞品(2013年F1日本グランプリ観戦ツアー、レッドブル1年分)が授与された。ハイレベルなプレイだけでなく、接戦に次ぐ接戦で大興奮のまま幕を閉じた……と思いきや、最後にサプライズ発表。早くも、来年の次回大会開催が決定したとのこと。「今度こそ、この舞台に立つ」と思っているプレイヤーは、いまから腕を磨いて続報を待ってほしい。
やまどぅー選手
チーム名:AKS
jengaman選手
エートロ選手
くまちょむ選手