ところで“アイスクロス”って何ですか?
日本でもすっかりおなじみとなった“翼をさずける”エナジードリンク・レッドブル。このドリンクを販売するレッドブル社は、F1やWRC、エクストリームスポーツなどのスポンサーとしても有名だが、本作があつかう“アイスクロス”も同社が協賛するエクストリームスポーツのひとつ。簡単に説明すると、アイスホッケーのような荒々しさをプラスしたスケートレースで、選手たちは障害物満載のコースをスケートで滑り、ゴールを目指す。また、ほかの選手へのタックルや妨害もルールで認められており、ときに激しい多重衝突などが起こるのも魅力だ。
もちろん筆者も読者の皆さんの大多数と同じく、そんなスポーツがあることさえ知らなかったひとり。だが、YouTubeなどで検索してみると、ものすごい数の動画がヒットするため、ゲーム前の予習にはまったく困らなかった。余談だが、こんなふうに知識を広げるきっかけになるのも海外ゲームを遊ぶ楽しさのひとつだ。
プレイ感はどんな具合?
さてこの“アイスクロス”という競技を、どのような操作方法で再現しているのかは興味深いところではないだろうか? 試してみればわかるが、スケートの足を後ろに蹴りだす動きをテレビの前でくり返し行うことは難しい。というか、どうしても前に進んでいってしまう(笑)。
だが本作はこの問題に対し、じつに思い切った解決方法をとっている。選手の加速は足の動きで行うのではなく、なんと“腕の振り”によって行うのだ。確かに、アイススケートで足を後ろに蹴りだすときは、同時に腕を動かしてバランスを取るもの。文字で読むと意外な操作と感じるかもしれないが、実際にプレイしてみると、氷上を蹴っている雰囲気をしっかり味わえるのだから不思議なもの。
また、カーブは体を倒して重心を変えることで曲がる。しゃがむように体を傾けるとより鋭く曲がれるのもとても感覚的。さらにレールグラインドやジャンプ台を使ったトリックなど、スノーボードのハーフパイプやスケートボードを思わせるアレンジも加えられている。もちろん、ジャンプ中などにレッドブルの缶を取れば“翼をさずける”状態になり、さらなるスピードアップが可能となる。スポンサーは偉大、ということか。
身近なライバルや世界のプレイヤーと競い合える
本作は、画面分割での対戦プレイも可能。メニュー画面でふたりのプレイヤーがKinectの認識範囲に入れば、それだけで対戦の準備は完了だ。5つのコースでレースを行い、どちらがより速いのかを証明してやろう。
また、Xbox LIVEを通じてのランキング機能により、世界中のプレイヤーとタイムアタックができるのも熱い。ランキング表からほかのプレイヤーのゴースト(コースをどのように滑ったかの記録)を呼び出し、それを見ながら自分のタイムを詰めていくというストイックな楽しみかたもできる。
それにしても、適度に体を動かすことはやはり気持ちがいい。プレイ前は日々の予定をこなすことに疲れ気味で、気分も沈みがちだった筆者。だが、本作を遊んで息を切らしているうちに、いつのまにか笑顔になっていたのが自分でも印象的だった。「馬鹿になれ (中略) 本当の自分も笑ってた」という某名言ではないが、ときには馬鹿になったように気分を切り替え、ふだんやらないことに燃えてみるのも悪くないもの。Kinectは対応パッケージソフトが豊富なだけでなく、本作のようにお手ごろな価格で購入でき、思わず熱くなれるXbox LIVE アーケードゲームも揃っている。この年末年始の休みには、Kinectとその対応ゲームに挑戦してみてはいかがだろうか?
■著者紹介:高橋祐介
ゲームやデジモノ界隈に出没するフリーライター。レトロゲーム、思考系ゲーム、FPSやTPS、オープンワールド、そしてKinectゲームまで、よくできているゲームなら幅広く楽しめる体質。しかし、ゲームが上手いかどうかはまた別の話。
Red Bull Crashed Ice Kinect
メーカー | 日本マイクロソフト |
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対応機種 | X360Xbox 360 |
発売日 | 2012年11月30日(Xbox LIVE マーケットプレースにてダウンロード配信) |
価格 | 400マイクロソフトポイント |
ジャンル | レース&フライト、Kinect |
備考 | ※Kinect専用 |