フルスイングでホームランを量産!

 Kinect センサーの前でバットを振って(もちろん実際にバットを持たなくもオーケー)、ホームランを打ちまくる──。『Home Run Stars』はなんともわかりやすく、爽快なコンセプトを持ったゲームだ。打席に立ち、かまえて、ボールにタイミングに合わせて振る。たったこれだけでプレイできるので、小さなお子さんや野球のルールを知らない人とでもいっしょに遊べてしまう。この「誰とでもいっしょに楽しく遊べる」というポイントは、いかにもKinectのゲームらしい長所だ。
 Kinectのゲームということで、操作の遅延を気にする方もいるかもしれないが、この点に関してもまったく違和感がない。とくに、ほかのプレイヤーがプレイしているのを観察してみると、ボールの動きとスイングがシンクロしたときにホームランが出ていることがはっきりとわかった。

Kinectの前でフルスイング! 狙え特大ホームラン! XBLA『Home Run Stars』プレイインプレッション_01
Kinectの前でフルスイング! 狙え特大ホームラン! XBLA『Home Run Stars』プレイインプレッション_02
▲打球を打ったタイミングや飛距離、落下した場所に応じてスコアが計算される。スタンドにボールを叩きこめばホームラン!

 見事ホームランを打てれば高得点をゲットでき、さらに打てるチャンスが1回増えるというオマケも付く。つまり、ホームランを連続で打ち続けるかぎり、どこまでも点数を伸ばしていけるというわけだ。どんな状態からでも逆転の可能性があるので、対人戦やスコアアタックはかなり白熱する!
 お手軽に遊べるとはいえ、底が浅いわけでもない。バットを振る動きでプレイするため、調子がいいときは連続でホームランを打ち続けられるプレイヤーでも、微妙なスイングのズレにより、凡打やファールチップしか打てないスランプに陥ってしまうこともある。野球好きの方ならご存知のとおり、この「調子がいいときのスイングを保ち続ける」ということがなかなかに難しいのである。
 ちなみに、実際にバットを振り回さなくてもプレイできるが(というか部屋で振り回したら危険です)、手近にある短い棒や、新聞や雑誌などを丸めて握るなどするとより遊びやすい。ただし、試す際には安全にはくれぐれも気をつけてほしい。女性や子どもの体力でも十分にホームランを狙えるので、力まかせに振るのではなく、ボールの見た目にタイミングを合わせることを心がけよう。
「ホームランをどれだけ連続で打てるか?」という観点だけでも十分楽しく遊べ、気持ちのいい汗をかける本作。だが、じつはこのゲームにはもうひとつの顔が存在する──。

もうひとつのゲーム性にも注目

 このゲームのもうひとつの顔──。それはピンボールを思わせる得点システムだ。
スタンドにはターゲット(役物)が配置されており、打球を当てることによって高得点をゲットすることができる。ターゲットの中には、打球を当てることで状態が変化するものもあり、たとえば1回目の打球でシャッターを開けた後、2回目の打球で開いた場所にボールを突入させ、さらなる高得点を獲得……といった遊びかたもできる。

Kinectの前でフルスイング! 狙え特大ホームラン! XBLA『Home Run Stars』プレイインプレッション_03
Kinectの前でフルスイング! 狙え特大ホームラン! XBLA『Home Run Stars』プレイインプレッション_04
▲ターゲットに打球が当たると派手な演出が発生。鉄球を使用する遊技機がお好きな方にはお馴染みのノリだ。

 もちろん役物を狙う場合は、打球の向きをコントロールする必要がある。まず、打席内での立ち位置で、打球の大体の方向を変えることが可能。またスイングでも打球の弾道を変えることができ、水平に振ればライナー性の打球でターゲットを正確に狙いやすく、アッパースイングなら弓なりの弾道で遠くのターゲットを狙える。
 さらに! ボールを打った後、体を傾けることで飛んでいるボールのコースを微調整することまでできてしまう。狙ったターゲットに当てるべく、必死に体を傾けてボールをコントロールしていると、「いったい自分は何のゲームをやっているのか?」などと疑問が湧かないでもないが、ほかのプレイヤーがボールを操っているのを見るのは純粋に楽しい(笑)。

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Kinectの前でフルスイング! 狙え特大ホームラン! XBLA『Home Run Stars』プレイインプレッション_06
▲CPU戦で目標スコアをクリアーしていくと、新しい球場が出現。もちろん、球場によって配置されているターゲットは変化する。

対戦やランキングもアリ

 オンライン対戦時は、さらに投球の要素が加わり、球種と投球のタイミングによって対戦相手が打ちにくいボールを投げることができる。そのため、自分が打者のときは、ポンポンとホームランを打つことができず、ふだんとはまったく異なるプレイ感を味わえる。1球ごとの重みが違うので、より集中して勝負に臨む必要があるだろう。

Kinectの前でフルスイング! 狙え特大ホームラン! XBLA『Home Run Stars』プレイインプレッション_07
Kinectの前でフルスイング! 狙え特大ホームラン! XBLA『Home Run Stars』プレイインプレッション_08
▲投球のタイミングはゴルフゲームなどと同じ方式。ボールを投げるモーションで投球タイミングを決定するのだが、こちらもほぼ遅延を感じない。

 また、ランキング機能により、本作をプレイしているフレンドや、世界中のプレイヤーの中での自分の順位を知ることもできる。ある程度上達してきたら、こうしたランキングをチェックすることで、さらなる高得点を狙うモチベーションを得ることができる。
 手軽にみんなで遊ぶこともできれば、オンラインのライバルと真剣勝負をくり広げることもできる『Home Run Stars』。個人的には、パーティーゲーム的な遊びかたがとくに楽しめたが、ピンボール的な要素にも興味をくすぐられているので、『Dance Central 3』の合間にでもちょこちょこプレイし、スコアの稼ぎかたを研究しよう……などと考えている次第だ。

■著者紹介:高橋祐介
ゲームやデジモノ界隈に出没するフリーライター。ここ数日ほど、『Home Run Stars』と並行して某“実物のエレキギターを使う音ゲー”をプレイしていたため、上半身の筋肉痛に悩まされている……。


Home Run Stars
メーカー 日本マイクロソフト
対応機種 X360Xbox 360
発売日 2012年10月26日(Xbox LIVE マーケットプレースにてダウンロード配信)
価格 800マイクロソフトポイント
ジャンル スポーツ&レクリエーション
備考 Kinect専用