カプコンのオンラインチーム対戦アクションRPG『イクシオン サーガ』では、本作の根幹であるバトル部分のバランス調整を10月25日のアップデートで実施した。本稿では、どのように変化したのか、プレイリポートをお届けする。

バランス調整の目的

 今回の調整は、プレオープンβテストの開始以降に、多くのユーザーから寄せられたバランス面での意見を受けてのもの。とくに、遠距離からの射撃攻撃を得意とするスタイル(職業)であるブラスターが、一方的な状況を生み出しやすいことを「強すぎる」と感じたユーザーが多数いたようだ。
 また、接近戦が長所のストライカーついても、同様に連続攻撃への対抗手段がない一方的な状況が発生するケースがあった。
 本作のプロデューサーである早川泰彦氏は、10月12日に公式メンバーサイトで、「こういった極端な状況が目立ってしまったために多数の意見につながった」と見解を述べ、この状況を解消するために、キャスターも含めたすべてのスタイルに対して調整を施すとし、随時、駆け引きが生まれるバランスに近づけていくと発表した。運営チームも早くから、大きな課題のひとつとして位置づけていたようだ。

旧バージョンから何がどう変わったのか

 旧バージョンは前述の通り、ブラスターの遠距離攻撃を接近できないまま一方的に食らい続けてしまったり、ストライカーの連続攻撃から逃れられないケースがあるなど、万全とは言いがたいバランスだった。
 しかし今回のアップデートにより、全スタイル共通のアクションであるスウェーの無敵時間が調整されるなど、攻防の駆け引きが明確に味わえるバランスへと進化している。また、それと同時に各スタイルの役割もはっきりした印象だ。ここからは、スタイル別に調整箇所や特色を見ていこう。

【ストライカー】

『イクシオン サーガ』バトル部分のバランス調整はいかに? プレイリポートでお届け_01

 ストライカーのスウェーは無敵時間の延長に加え、スウェー中の攻撃の移動距離も伸びている。移動速度も上がったため、オートガードとスウェーを活用すれば、ブラスターにも近づきやすくなった。
 相手のガードを崩せる“崩撃斬”の発生は遅くなったものの、通常攻撃のダメージは向上。通常攻撃の2段目から読み合いが発生するようになり、スウェーで横に回避しようとする相手には回転斬り、逃げる相手には“真空刃”などの遠距離まで届く攻撃、ガードをする相手には崩撃斬と、使い分けが必要になった。プラス補正された技もあり、近づきさえすれば一気に相手を倒せるというポジションがより明確になったといえる。

【ブラスター】

『イクシオン サーガ』バトル部分のバランス調整はいかに? プレイリポートでお届け_02

 レベル15で覚えられるスキル“チャージショット”と“バニシングノヴァ”の再使用時間が変更。また、設置したトラップが破壊されやすくなったため、狭い通路や拠点に置くという使いかたにも、ひと工夫が求められることになりそうだ。
 通常攻撃やほかのスキルは変わっておらず、これまで通り遠くから相手を攻撃し、足止めや物体の破壊を狙う役割に変更はない。ただし、ストライカーに近づかれる場面が増えるため、スウェーやスキル、ガードからの回避を駆使する必要性ができたのではないだろうか。

【キャスター】

『イクシオン サーガ』バトル部分のバランス調整はいかに? プレイリポートでお届け_03

 キャスターの性能に大きな変化はない。回復や強化魔法を使いつつ、“ディスペルリング”や、“スパイクウォール”を使って味方や拠点を守るポジションが確立されているといえる。

試行錯誤が見られる対戦ルール

 メインのバトルモードである“自由戦”については、週変わりで参加人数の異なるミッションが配信されている。現在のバージョンでは、シンプルな8対8の対戦が楽しめる“チームデスマッチ”が人気のようだ。これからプレイしてみようという人のために、現在配信中の各ルールの特徴を紹介していく。

【クラッシュ・オア・ビルド】
フィールドにランダムに出現する拠点が設営できるポイントを見つけ、先に拠点を3つ設営するか、敵の本拠点を破壊すると勝利になる。1対1のバトルに慣れていなくても十分勝利に貢献できるため、対戦に慣れていない初心者にもおすすめのルールだ。

【アタック・ザ・ボス】
敵を倒すことでスコアが加算されていき、制限時間終了時にそのスコアの多いチームが勝利となる。このルールでは各チームでひとりがボス役に選ばれ、ボス役の周囲には味方が強化される支援効果が発生する。ボス役は、相手を倒したときも、逆に相手に倒されたときも、ほかのプレイヤーと比べて加算スコアが多いため、周囲のプレイヤーとの連携が勝利のカギを握る。

【チームデスマッチ】
チーム毎にコストゲージが設定されており、相手チームのゲージをなくせば勝利となる。敵を倒すか、そのとき排出される”ジン”を吸収するとゲージを減らすことが可能。とくにジンの吸収は大きくゲージを減らせるため、もしも味方か倒された場合はジンを吸収されないように食い止め、先にこちらがジンを吸収できれば、味方がその場で復活することに加え、ゲージの減少も抑えられる。このジンに関する攻防を覚え、単独行動をしないように注意して上手く味方と連携できれば、勝利が近づくだろう。

今後もリファインを継続

 今回のバランス調整は「第1段階」と明言されており、状況を確認しながら、つぎの調整を行うべく準備が進められているという。長期のオープンβテストのなかで、どのような進化を遂げていくのか、ぜひ注目してほしい。
 なお、今回のアップデートから、ユニオン(プレイヤーによるグループ)同士で順位を争い、上位入賞ユニオンには豪華なアイテムが与えられるコンテンツ、“天承ノ儀2がスタート。話題のアニメ『イクシオン サーガ DT』とのコラボ企画も実施されている。カプコンオンラインゲームズ、もしくはハンゲームで会員登録をすれば、すぐに遊ぶことができるので、気になるという人は、ぜひサイトを覗いてみてほしい。