ソーシャルゲームの新たな次元を目指す両作品

GREEに『ファイナルファンタジー』と『すばらしきこのせかい』が提供! スクウェア・エニックス×グリー共同記者発表会詳細リポート_25
▲がっちり握手を交わすグリー 代表取締役社長 田中良和氏(左)とスクウェア・エニックス 代表取締役社長 和田洋一氏。

 既報(→こちら)のとおり、スクウェア・エニックスとグリーは、2012年10月23日、都内で共同記者発表会を開催。同発表会で、GREEにて『ファイナルファンタジー』シリーズをモチーフにしたカードゲーム『ファイナルファンタジー × GREE』(仮題)を2012年に、『すばらしきこのせかい』を題材とした『すばらしきこのせかい LIVE Remix』のサービスを今冬に開始することが発表された。

 共同記者発表会には、まず、自身も『ファイナルファンタジー』シリーズをプレイしてきており、同シリーズのファンだというグリーの代表取締役社長の田中良和氏が挨拶に立ち、「今年25周年という長い歴史がある『FF』シリーズの作品を、グリーに提供していただけることをありがたく思っています」と感謝の意を述べ、世界規模でソーシャルゲームを展開しているグリーのノウハウを注ぎ込んで、グローバルに展開したいとの抱負も語った。また、『ファイナルファンタジー × GREE』(仮題)と『すばらしきこのせかい LIVE Remix』は、ソーシャルゲームを新しいフィールドに押し上げる意欲作であるとし、それによって新たなユーザーの獲得にも期待しているとのこと。

 続いて、スクウェア・エニックスの代表取締役社長 和田洋一が登壇。和田社長はグリーの印象について、「彗星のごとく現れ、瞬く間に巨大な太陽になった。お客様に対し、どういったものを提供するか。じつに丁寧にサービスを提供している」と語り、「コンシューマーゲームは、いかにゆっくり落ち着いて楽しんでもらうか、という作りになっています。ですが、ソーシャルゲームはサッと入ってそこから深く楽しめる作りになっている。グリーさんはそこのツボを心得ている」と賞賛。「今回のコラボでそのノウハウを学んでいきたい」(和田)と、グリーとのコラボがスクウェア・エニックスの今後の事業展開においても大いにプラスになると語った。また、昨今のソーシャルゲームに関しては、浸透してきたことでユーザーの目が肥えてきており、基本無料のタイトルであっても「雑な作りのタイトルでは、お客様は許してくれない」(和田)。それゆえに、スクウェア・エニックスの“虎の子のIP”である『ファイナルファンタジー』シリーズと『すばらしきこのせかい』の名に恥じない、高いクオリティーを誇る作品にするとの意気込みを語った。

 最後に、和田社長は「コラボというのは、双方の理解が融合して、初めてすばらしいコンテンツが届けられると思います」と、コラボのポイントを挙げ、「これから作品紹介のために登壇するグリーさんと弊社のスタッフのやり取りから、今回のコラボの成否を判断していただければと思います」(和田)とコメントを残し、降壇。

『ファイナルファンタジー × GREE(仮題)』は『FF』のすべてが集約したカードゲーム

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 和田社長から、高いハードルを課せられて登場したのはスクウェア・エニックス 第一制作部 プロデューサーの間一朗氏と、グリー 取締役 執行役員常務 メディア事業本部長 吉田大成氏。

 まず、紹介されたのは『ファイナルファンタジー×GREE(仮題)』。本作は、歴代『ファイナルファンタジー』に登場するキャラクター、召喚獣、モンスター、武器や防具など、さまざまな要素がカードに集約されたカードゲーム。「『FF』のすべてを集約したような作品。『FF』のありとあらゆる要素が詰まっている作品です」(間)。

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グリー 取締役 執行役員常務 メディア事業本部長 吉田大成氏
スクウェア・エニックス 第一制作部 プロデューサー 間一朗氏

 シリーズ作の特徴でもあるアクティブタイムバトル(ATB)の要素が取り入られ、本作ならではのバトルがお楽しめるという。また、『FF』と言えば思い出に残るイベントの数々も特徴だが、本作にもシリーズ数々の名シーンが盛り込まれるとのこと。

 メインカードとなるキャラクターカードには、シリーズの主人公はもちろん、ナンバリング作品以外の人気キャラクターも多数登場。キャラクターのカードはそれぞれ特技を持っており、バトル中にその技を発動することも可能。「たとえばクラウドなら、凶斬りや、超究武神覇斬など、同じキャラクターでもレアリティごとに技が異なります」(間)。また、メインカードの中には、おなじみのモンスターや召喚獣といったカードも登場するという。

 また、装備カードとして、武器や防具、アクセサリーといったカードも存在。装備カードにも付随するアビリティがあり、HPアップやギルアップといった、冒険を優位に進められる効果が発動する。カードに付随するアビリティは、カードを強化することによって成長し、たとえばファイアを強化すると、ファイラやファイガといった上位アビリティに強化できるなど、『FF』ならではの要素が随所に盛り込まれている。

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 ゲームの進行は、まずはフィールド探索からスタートする。フィールド上では敵と遭遇して通常のバトルをしながら、ときには宝箱を発見したり、最奥部へと進むとボス戦に挑むことになるというオーソドックスな形。画面下部にズラリと並ぶアイコンによって、フィールド上で、次に何と遭遇するのかが、あらかじめ把握できるというところも本作の特徴のひとつとのこと。探索を続けて行くと画面左下の“フィーバー”ゲージが溜まっていき、MAXになると“フィーバーモード”に突入。フィーバーモード中は敵が宝箱に変化! 宝箱から沢山のアイテムが入手できるのだ。

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 ボスとのバトルでは、カードデッキを使用したパーティーバトルが展開。手持ちのカードにはそれぞれATBゲージがついており、このゲージがMAXになると攻撃ができるという仕組み。また、各カードに付随したアビリティも発動可能で、メテオやケアルといったシリーズおなじみの魔法も登場する。「カードに付随しているアビリティはカードを強化することでパワーアップするので、カードをどう育てるのかがボス戦での戦略に大きく関わってきます。また、どのカード(メンバー)でパーティーを組むかという部分もバトルに影響しそうです」(吉田)。

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 さらに、本作では、プレイヤーどうしのバトルも可能となっている。このプレイヤーどうしの対戦では、勝利するとメダルが入手可能で、このメダルを持っていると、別のミニゲームに挑戦できるとのこと。ミニゲームが充実しているところも『FF』らしい要素で、ミニゲームではバトルに有利なアイテムなどが用意されるという。ミニゲームにも、これまでのシリーズで登場した要素が取り入れる予定。

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▲“手配書エネミー”を挑むという協力プレイ要素もあり。

スマホ向けに爽快感あるバトルをアレンジ! 『すばらしきこのせかい LIVE Remix』

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 ニンテンドーDS用ソフトとして2007年に発売された『すばらしきこのせかい』。2012年8月には、iOS版『すばらしきこのせかい -Solo remix-』もリリースされた。間氏は海外の評価基準のひとつであるメタスコアでニンテンドーDS版『すばらしきこのせかい』が88点を、『すばらしきこのせかい -Solo remix-』が95点を獲得し、『すばらしきこのせかい』が世界で高評価を受けるアクションRPGであることをアピール。

 そんな『すばらしきこのせかい』のソーシャルゲームとして、大切にしたポイントは「爽快感あるライトアクションバトル」(間)。スマートフォンで、『すばらしきこのせかい』の大きな特徴であるタッチスクリーンを最大限に利用したアクションバトルを誰でも手軽に楽しめる作りを目指しているという。

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▲本作はチームのみんなとミッションに挑む!

 本作では、パートナーとペアを組んで“死神のゲーム”の謎に挑戦するのではなく、チームの仲間と協力してミッションに挑むことになるという。ミッションの目的は“元凶ノイズ”(いわゆるボス)を探し出し、これを撃破すること。“元凶ノイズ”を見つけるには、ヒントをもとに探索率を上げていく必要があるとのことだ。

 『すばらしきこのせかい』では、バッジを装備することで、それに対応した特殊能力“サイキック”が発動できる。サイキックは、タッチしたり、なぞったり、連打したりといったタッチ操作で行い、本作でもそれを踏襲。バッジにはバトルを有利に進められるスキルバッジも用意されるとのこと。

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▲スマホ向けによりシンプルかつ大胆なアレンジが施される。
▲事前に使用するバッジでデッキを組んでバトルに挑む。
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▲縦画面となったバトル画面。『すばせか』おなじみのタッチパネル操作のバトルが本作でも楽しめる!

 また、『すばらしきこのせかい』はノリのいいBGMも特徴的。公開された映像には、音楽もしっかり収録されるようで、プレイする際にはイヤホンやヘッドホンを利用し、BGMもしっかり堪能したいところ。ソーシャルゲームといえど、もはや携帯ゲーム機並のゲーム性を誇る『すばらしきこのせかい LIVE Remix』。吉田氏が「タッチパネルを使ったリッチなバトルをソーシャルゲームで提供します!」とアピールすると、間氏も「いままでにないソーシャルゲームを展開することで、『すばらしきこのせかい』に触れたことがない新しいユーザーの方々にも参加してもらいたいですね」と応じ、息の合ったところを見せた。

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▲この笑顔から、コラボがうまくいっていることは間違いなし!! サービスインを楽しみに、まずは事前登録をしておこう。

 『ファイナルファンタジー × GREE(仮題)』、『すばらしきこのせかい LIVE Remix』ともに、リッチなコンテンツ制作が可能になってきたソーシャルゲームにおいて、クオリティーを1段階押し上げる先駆けとなる作品、との意気込みを感じた今回の記者発表会。どちらも基本無料なので、触れてみない手はないだろう。サービスインを楽しみに待ちたい。

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