「愚問だね」に限界が訪れる!? アートリーさんの未来像とは?

 2012年9月29日(土)、東京・秋葉原のAKIHABARAゲーマーズ本店にて今井麻美と喜多村英梨のユニット“ARTERY VEIN”の4thシングル『陽炎』発売記念イベントが開催された。この日行われたのは、2012年9月15日に開催されたベインさんこと今井麻美単独でのイベントに続く、アートリーさんこと喜多村英梨単独のイベント。トーク&お渡し会という形式で行われたイベントの模様をリポートする。

※ベインさん(今井麻美)が大暴走!? ARTERY VEIN『陽炎』発売記念イベント

アートリーさん(喜多村英梨)がマジメに進行! ARTERY VEIN『陽炎』発売記念イベント_04

 会場が暗転すると、先にイベントを行ったベインさんによるビデオメッセージが会場で上映される。「今日は残念ながら、アートリーとは別行動なの。寂しいわね」とスケジュールの都合で別々にイベントをすることになってしまったことを悔やむベインさんに、舞台袖で待機していたアートリーさんも「そうだな」とマイクを使って反応。上映されているビデオメッセージの内容に応えるかのようなやりとりが続いていく。しかし、ビデオメッセージの途中で「なんだか私、つかれてきちゃった。アートリー、適当に埋めといて」(ベインさん)という無茶ぶりに思わず「え!?」という声を漏らし戸惑うアートリーさん。しかたなく「今日もキレイだよ、ベイン。そうそのスマイルは私だけの……」と何とか場をつなごうとするも、映像の中で自由に動き回るベインさんに「ベ、……ベイン聞いてる?(汗)」とタジタジだった。最後は、ベインさんによる呼び込みで登場したアートリーさんだったが開口一番「出づらい……(苦笑)」とポツリ。しかし、そんなふたりのやりとり(一方は映像だが)に、会場に詰めかけたファンからは終始笑いが漏れていた。

 ステージに登場したアートリーさんは、4thシングル『陽炎』の表題曲である『陽炎』が、ニンテンドー3DS用ソフト『閃乱カグラ Burst -紅蓮の少女達-』のエンディングテーマになっているということで、同作のアニメのアフレコ現場の話題を始める。同作にはアートリーさんこと喜多村英梨も、ベインさんこと今井麻美も出演しているため、現場でいっしょになったときに今回のイベント用の映像について、いろいろと話を聞いたそうで、会話の最後に今井は「でも、キタエリはすぐキタエリになるだろうね!」とひと言残して去っていったとのこと。この言葉をきっかけに「ということで、この辺で中の人でしゃべりたいと思いますー」とアートリーさんから喜多村英梨に戻ってトークをくり広げることになる。

 喜多村に戻ってからのトークでは、シングル『陽炎』についてマジメに解説。これまでのARTERY VEINとしてのCDでは、表題曲で疾走感や強さという部分を意識した楽曲を歌って来たが、今回はしんしんとした、いままでにない曲調になっていることに言及。ジャケットのイメージとともに、新しい一面を見せられたと胸を張る喜多村。曲中でキーの高い部分を喜多村が歌うことについても、喜多村のイメージではそういった部分は今井が歌うことが多いと思っていたそうで、「ひとつ課題だな、と思いました」と闘志に火がついた様子。自分なりにどう表現するか、思考を巡らせ歌いかたもこれまでの“アートリーさんとしての歌いかた”とは違ったものをイメージしてレコーディングをしたとのことだ。

アートリーさん(喜多村英梨)がマジメに進行! ARTERY VEIN『陽炎』発売記念イベント_06
アートリーさん(喜多村英梨)がマジメに進行! ARTERY VEIN『陽炎』発売記念イベント_05
アートリーさん(喜多村英梨)がマジメに進行! ARTERY VEIN『陽炎』発売記念イベント_07
アートリーさん(喜多村英梨)がマジメに進行! ARTERY VEIN『陽炎』発売記念イベント_01

 また、『コープスパーティー -THE ANTHOLOGY- サチコの恋愛遊戯・Hysteric Birthday 2U』(以下、『コープス2U』)のエンディング曲にもなっている『月幻』については、爽やかな雰囲気の曲調というのがARTERY VEINとしては新しいと感じたという喜多村。しかし、『コープス2U』がこれまでの『コープスパーティー』シリーズとは一線を画す、異色なタイトルだったため、「ARTERY VEINの雰囲気を残しつつ、『コープス2U』らしくもある」楽曲になったと太鼓判を押した。

 そしてイベントが15分を過ぎ、そろそろお渡し会へ移行するのかと思いきや、ここで喜多村からの提案でARTERY VEINの音楽プロデューサーである濱田智之プロデューサーを呼び込み、さらにトークをくり広げることに。ステージに呼び込まれた濱田氏は、喜多村から「お前はペイン!」と新たな役割を振られると、ベインさんの代わりのペインさんとしてイベントに参加。喜多村とともにシングル制作秘話や、今後の活動について盛り上がる。

 ジャケットや楽曲が、これまでの雰囲気とは変わっていることについて濱田氏は「収録される2曲の内容が決まったときに、これまでとは雰囲気を変えたいと思っていたんです。これまではキャラ設定的に黒いイメージだったので白バージョンのARTERY VEINを作りたかった。カラーを崩さずに反転させたかった」とジャケットの雰囲気をガラリと変えた経緯を説明。ファンもうなずきながら、その言葉に耳を傾ける。また、「今後アートリーをどうしようかなって(笑)。“愚問”にいつまでも寄りかかっていてはいけないな、と」と喜多村が偶然生み出された名台詞の限界を吐露すると、濱田氏も「一発で消えていく芸人さんの苦悩がわかりますね」と回答し、会場を沸かせる。そんな濱田氏から「白アートリーになったので、そのイメージに合わせた台詞を考えたらいいんじゃない?」と提案されると、会場に白いイメージから連想するものを質問。会場のファンからは「タイツ!」という声や「お姫様!」という声が上がるが、そこから連想されるキャラクターを演じてみるもなかなかしっくりこない様子。そこで喜多村は、今井がパーソナリティーを務めるWebラジオ番組『今井麻美のSSG』に「苦情のメールを出しておきます。“白い動脈”というハンドルネームで新しい台詞を送っておくので、今井さんの反応をうかがいたい」と提案。これに濱田氏も「続きはWebで!」と乗っかり、会場の笑いを誘った。トークコーナーの最後には、濱田氏から「某『コープス』シリーズも続いていくと思うので、そのときまたオリジナルのARTERY VEINに戻るのか、違う一面を見せるのかは作品次第になりますが、オリジナルに戻ったとしても新たなことにチャレンジしたいと思います。ぜひこれからも見守っていてください」と会場のファンに声をかけた。

アートリーさん(喜多村英梨)がマジメに進行! ARTERY VEIN『陽炎』発売記念イベント_08
アートリーさん(喜多村英梨)がマジメに進行! ARTERY VEIN『陽炎』発売記念イベント_09

 当初10分ほどを予定していたトークコーナーが30分というボリュームになるハプニングがあったものの、しっかりと会場のファンを楽しませた喜多村は、続いてお渡し会を実施。この日のために用意されたオリジナルポストカードを、ファンひとりひとりと会話を楽しみながら渡していく姿は、高圧的なアートリーさんとは裏腹な、ふだんの気さくな喜多村の姿だった。

アートリーさん(喜多村英梨)がマジメに進行! ARTERY VEIN『陽炎』発売記念イベント_03
アートリーさん(喜多村英梨)がマジメに進行! ARTERY VEIN『陽炎』発売記念イベント_02

■陽炎
発売日:2012年8月8日発売
価格:1260円[税込]
発売元:5pb.
販売元:メディアファクトリー