オリジナルドラマCD企画『フルール・ラフィネ』第1弾の魅力に迫る

 TWOFIVEより新シリーズとして動き出した、ベテラン女性声優陣によるオリジナルドラマCD企画『フルール・ラフィネ』。2012年11月発売予定の第1弾「パン屋さんで働こう」の収録スタジオにて、佐久間レイさん、井上喜久子さん、日高のり子さん(※“高”はハシゴダカ)、そしてプロデューサーのドン・マッコウさんを交えてお話を聞いた。

──今回の企画やシナリオのコンセプトと、キャスティングの意図について話して頂けますか?

ドン・マッコウ(以下、ドン) 僕らは以前ファミコン世代の人に向けて商品を作っていたんですが、最近、その世代の男性にコミケなどで手伝ってもらっている時、「僕たち向けのグッズはないのか」と言われたんです(笑)。そこで、そういう世代の男性向けに、応援歌的なものを作ろうと思いました。そして、声優さんもその世代の人たちにとって馴染み深い方にすれば、聞く人たちも演じる人たちも僕自身も、同窓会気分で楽しめるんじゃないかと思ったんです。

──今回のお話の舞台をパン屋にしたのはなぜですか?

ドン 昔、パン屋さんとか花屋さんで働きたいと思っていたんですよ(笑)。

日高のり子(以下、日高) 小さな女の子が希望する職場に、お花屋さんとかパン屋さんって必ず入っていますよね?(笑)

井上喜久子(以下、井上) パンの香りがよくて幸せになれますね(笑)。

ドン 楽しく今の仕事をやらせていただいているんですけど、男ばかりの職場にいると、やはり「素敵な女性の方に囲まれる仕事がしたい」と思うんですよ(笑)。

──では井上さんから、ご自身のキャラの紹介と、演じての感想をお話しいただけますか?

井上 私のキャラクターは上条妙子という、パン屋さんでレジ打ちのパートをしている、おっとりしているタイプの人です。

日高 ……キャラクターの性格設定、もうひとつありますよね?(笑)

井上 あえて“おっとり”で止めたんだけど、その後に“天然さん”とありますね、やはり私にはそういう役なのかな……(笑)。でもこういう人が一番怖いんですよ(笑)。ストーリー中でも「そんなこと言っちゃってていいの?」という場面もあったんですが(笑)、彼女なりに頑張っている雰囲気もある、とてもやりやすい役でした。

日高 みんな「やりやすい」と思ってます(笑)。だってキャラを見せてもらった時、「自分がこのキャラならば、これがレイちゃんで、こっちがきっこちゃんだ」とすぐわかりました(笑)。

佐久間レイ(以下、佐久間) 黙読しているだけで脳内にみんなの声が聞こえましたね(笑)。

井上 わりと素な感じでやらせていただきました(笑)。さらにスタジオ内でレイちゃんとノン子(日高)さんの声を聞いていると、不思議なことに自分が主人公の男の子の気持ちになってきて、ふたりの語りかけに「はい、すいません……」とか思ってしまって、「自分はどの立場?」とわからなくなってしまったんです(笑)。ですから聞いていただく方も、パン屋さんで働き始めた男の子になりきれる、素敵なドラマになっているのではと思います。

──つぎに、佐久間さんにお願いします。

佐久間 私は星川里佳子という、優しくて少し色気のある、パン屋さんのオーナーという設定です(笑)。

日高 “色気”という言葉を見ただけで「レイちゃんの役だ」とわかりました(笑)。

佐久間 アニメだと母親とかお婆ちゃん以外で、大人の女性をやらせてもらえる機会はなかなかないんです。でも今回、自分がだんだん年齢を重ねていって得たものをそのまま生かせる、大人の女性が演じられたのはすごく嬉しかったです。しかし私はパン屋さんに縁があるのかな? 『それいけ! アンパンマン』では私はバタコさんだし、この間も『NO.6』というアニメでは、主人公のお母さんでパン屋さんという設定でした(笑)。今回のドラマでも、どこかでバタコさんを出したほうがいいのかなと思いましたよ(笑)。

井上 パンの妖精さんとしてバタコさんで喋るの?(笑)

ドン 「パン屋さんだから佐久間さん」ということは、特に意識していなかったんですけどね(笑)。

──最後に、日高さんにお話しいただけますでしょうか?

日高 私はパンの配達を担当している君島紗江という役で、里佳子さんの相棒的な存在の、やり手の女性です。“サバサバしている性格”というところを見た時、「私は他の人からこう思われているから、このキャラになったんだ」と思いました(笑)。私は『タッチ』で浅倉南をやっていたころ、共演していた三ツ矢雄二さんに「あんたみたいなサバサバした女は見たことない」って言われたんです(笑)。私は「そんな事はない」って思いながら生きてきたんですけど、その時は南になりきっていたから、自分も南みたいに女の子らしい性格だと勘違いしてしまったみたいですね(笑)。でもその後『らんま1/2』で天道あかねという勝ち気なキャラをやった時「やっぱり自分はこっちが合うのか……」と(笑)。

ドン それは日高さんの清潔感がサバサバした感じに見えるんですよ(笑)。

日高 自分にない雰囲気を出さないとならない役だと、どう演じるべきか迷うんですけど、今回は脚本を読んでいて「ここは冗談めかしてみよう」とか「からかってみよう」とポンポン決められたので「やはりサバサバしたキャラなんだなあ」と思いました(笑)。やっぱり3
人とも、本当にキャラに合っているということでしょうね(笑)。

佐久間 キャラについての相談もほとんどなく、収録を始めましたね。

日高 かなり自分のペースで感情を出してしまいました。もっとマジメな雰囲気で演じることもできたけど、長いセリフが多かったので、ちょっと笑える雰囲気にしたくなっちゃったんです(笑)。

ドン 「人生っていつからでもやり直しがきくので、伸び悩んでいる方に自分の殻を破ってほしい」という僕のメッセージが、日高さんのキャラのセリフにかなり入ってしまっているので、そのままだと重くなってしまうんですが、日高さんの雰囲気のお陰でいいバランスになったと思いますよ。

──それでは読者へのメッセージをお願いします。

ドン キャストのみなさんの演技に存在感があって、とてもキャラクターを膨らませやすかったです。3人のお姉さんが、元気づけてくれたり励ましてくれたり恋に落ちるというお話になっているので、ぜひ楽しんでください。

井上 笑えるところやキュンとするところがありつつも、大切な事に気付かせてくれる深い要素がちりばめられているので、疲れた時とか寂しいという時、このCDをヘッドホンで聞いてくれると暖かい気持ちになれると思います。

佐久間 小さなパン屋さんでのドラマですが、町で見かけたいろんなお店にも「もしかしたら、小さくても素敵なドラマがあるかもしれない」って思ってくれたら嬉しいなと思いつつ演じました。3人3様の人生を過ごしたお姉さんたちとの会話になっているので、「今日はきっこちゃんのかわいいところがいい」「今日は私のお姉様に」「きょうはノン子さんに叱ってほしい」と、その日の気分でチョイスしてはまってほしいと思います(笑)。

日高 私達出演者の名前を見ると、若い方は「僕には早過ぎる……」と思うかもしれませんが、そんな事は決してありません(笑)。今は中学生の方でも、年を重ねて成長していくにつれ、改めて聞くとしみいるところがあると思います。また上の世代で、私達のヤングヒロインの声でアニメなどを見ていられた皆様には、成長した私達の声を楽しんでいただけるでしょう(笑)。私達も昔より大人になって、人の気持ちがわかるようになりました(笑)。ぜひ幅広い世代の方に聞いていただきたいです。

佐久間レイ×井上喜久子×日高のり子による、新シリーズボイスドラマ『フルール・ラフィネ』の収録現場レポート!_03
佐久間レイ×井上喜久子×日高のり子による、新シリーズボイスドラマ『フルール・ラフィネ』の収録現場レポート!_01
佐久間レイ×井上喜久子×日高のり子による、新シリーズボイスドラマ『フルール・ラフィネ』の収録現場レポート!_02
星川里佳子役
(CV:佐久間レイ)
パン屋"アネモネ"を切り盛りする、優しい性格で大人の色気が漂う女性オーナー。
上条妙子役
(CV:井上喜久子)
おっとりした雰囲気の天然タイプ。レジ打ちのパートとして働いている。
君島紗江
(CV:日高のり子)
里佳子の良きパートナーであり、お店の配達係を仕切る勝ち気な女性。

<ストーリー>
ついこの間まで引きこもりだった主人公。とあるきっかけで近所にあるパン屋"アネモネ"でアルバイトをすることに。そこで働くのは美しくちょっぴり大人な女性3人。さばけた性格で配達を取り仕切る紗江さん。レジ打ちを担当するおっとりとした雰囲気の妙子さん。そして優しげで大人の色気が漂うオーナーのレイさん。魅力的な3人の女性に囲まれ、新しい生活が今、始まる──。

Fleur raffinee パン屋さんで働こう~Welcome to the baker anemone~
■発売日:2012年11月発売予定
■原作/脚本:ドン・マッコウ
■価格:2500円(税込2625円)
■品番:TRCD-10131
■発売元:TWOFIVE RECORDS
■販売元:有限会社ツーファイブ