俺の街をどげんかせんといかん
2012年9月20日から23日にかけて、幕張メッセで東京ゲームショウ 2012が開催中。これに合わせて行われた、エレクトロニック・アーツから2013年にPCとMacで発売予定のシミュレーションゲーム『シムシティ』のビデオインタビューの模様をお伝えする。対応してくれたのは、本作のリードプロデューサーを務めるキップ・カツァレリス氏。本作の概要について、まずはビデオをチェックしてほしい。
――本作にはマルチプレイがありますね、隣接するプレイヤーや友達の街から人や物資がやってくるそうですが、マイナスのもの、公害とか犯罪も流通するのでしょうか?
キップ 通勤や買い物で人がやってきたり、電気なども友達の街からやってくるのですが、犯罪や火災なども移動してくることがあります。公害もそうですね。友達の街に工場がいっぱいあって、災害が発生し汚染が広がると、それが近隣に流れていくことは起こりえます。犯罪者のシムがやってきて、あなたの街のお店から物を盗んだりすることもあります。
――もしロボコップでもいないとどうにもならなそうな最悪の状態の街が隣にあった時、プレイヤーはどうすればいいのでしょうか? 関係を断てるのでしょうか? それとも何とかしないといけないのでしょうか?
キップ フレンドの街がひどい状態だった場合、彼らを取り除くこともできますし、プレイヤーがフレンドの街に協力して再建に手を貸すこともできます。犯罪者が近隣の町にいっぱい発生したら、警察署を一緒に建てて捕まえたり、教育に投資することも可能です。教育により犯罪率は下がります。自分の街だけじゃなく、近隣の街にいい影響をおよぼすことができるわけです。
――昨年日本で原発の事故が起きた時に「自分は『シムシティ』でこうなるのは知ってたよ」といった人をいくらか見掛けたんですね。いかに『シムシティ』が知られているかという証左でもあると思います。『シムシティ』でエネルギー問題をどう解決するかというのは重要なテーマで、原発はその大きな選択肢でした。何がいいとか悪いとかいった話をしたいのではなくて、単に確認したいのですが、本作に原発は出てきますか?
キップ まず、昨年日本で起こった災害や事故を見ました。あの悲劇の被害に遭われた方々にお見舞いとお悔やみを申し上げます。さて、本作はシミュレーションゲームであり、その点において、原発は従来のシリーズと同様、ひとつの選択肢として登場します。これについてはプレイヤーに認識してほしいと思っていることがふたつあって、まずひとつは、原発の事故というのもあるんだということ。それと、もしそれが起こってしまった時に、そこからいかに回復し再建していくのかが重要だということです。そういったことを知って頂くという意味も込めて、本作にも入れています。
これに関連して一点追加でお伝えしておきたいのですが、いままではメルトダウン時に街全体が影響を受ける規模でしたが、今回は規模自体は小さくなります。
――今度は逆に「実際には起こらないこと」について聞かせてください。僕が『シムシティ』を初めて知った小学生の時、『シムシティ』は僕にとって原発のゲームであり、ゴジラのゲームだったんですね。ゴジラとか、たとえばゾンビとか、そういったフィクションな要素は出てくるのでしょうか?
キップ 今日はちょっとお話できないのですが、『シムシティ』は大きな災害が何か起こるゲームですよね。そしてゲームなので、何か楽しめるものがあるといいですよね。それが何なのかは今日は控えさせてください(笑)。
――UGC(ユーザージェネレーテッドコンテンツ)はどうでしょうか? まったく新しいユニットやエネルギーを考えてみるとか、あるいはエディターでまったく新しいマップとミッションを作ってみるとか。MaxisはUGCを強力にサポートしてきた会社だと思うのですが。
キップ 我々のファンが作るものはいつも非常に楽しみです。MODをずっと作ってきていてくれて、最近も『シムシティ4』の『SimMars』MODが出ていますね。コミュニティの重要な一部だと思います。現在はゲームをリリースすることに集中していますが、ツールの提供は今後やりたいと思っていることです。『シムシティ4』でもリリース後にツールを出していますので、ご期待ください。
――自分が作れる街の大きさについて教えて下さい。何ブロック×何ブロックでしょう?
キップ 正確な数字はちょっといま出てこないのですが、『シムシティ4』の中ぐらいの街の規模と考えてください。今回はたくさんの街がシミュレーションで動くというのが大事なので、その下の単位であるそれぞれの地域がどうちゃんと連動して動作するかを重視しています。人口で言えば100万人ぐらいの規模をイメージしてください。
――テクニカルデモ映像で、“エージェント”として物資などがデータ的にどう動いていくかを見られますが、あれがすごい好きなんです。ゲームではあの画面に切り替えることはできますか?
キップ エージェントは我々の開発チームの用語ですけども、ゲーム中ででも見られますよ。たとえば人や水、電力などがどう動いていくかを見ることができます。
――セーブについて教えてください。オンラインゲームなどはオートセーブだったりしますし、クラウドセーブなんてものも今はありますね。
キップ ゲームの進行に合わせて、オンラインに自動でクラウドセーブします。違う端末でもセーブを呼び出して、どこからでも遊べます。
――思いっきりしくじった時は、セーブを呼び戻すというより、自分で何とかするしかないですかね?
キップ ゲームとして問題に対処する手段は用意していますが、街を消してやり直すという自由もありますね(笑)。
――では最後に日本のファンにメッセージを。
キップ ぜひ友達と一緒に遊んでみてください。それが一番楽しいと思います。