陰鬱な恐怖が眼前に迫る

 KONAMIより発売されるプレイステーション3用ホラー・アドベンチャーゲーム『サイレントヒル ダウンプア』が、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンブースでプレイアブル出展。早速プレイレポートをお届けしよう。

 今回のプレイアブル出展では、3D対応ヘッドマウントディスプレイ HMZ-T2を装着してプレイすることができた。これを使用すると、視界に拡がるのは“サイレントヒル”の世界のみとなる。賑やかなブースの様子も、ヘッドマウントディスプレイを装着してくれたコンパニオンのお姉さんの姿も見えず、すでに心細さと恐怖度MAX! サイレントヒル(正確に言うとデビルズピットという場所らしい)にひとりぼっち! モニターでプレイするのでも恐ろしいというのに、ゲーム映像だけが目の前に拡がるという状況は、臨場感とともに恐怖も5割増し!

 ゲームはある建物の内部からスタートする。もちろん何の説明もなく奇妙な世界に放り出されるのが『サイレントヒル』の醍醐味(?)。まず探索することになる場所も、生活感は残っているものの、どこか不気味な雰囲気がヒシヒシ。
 そんな世界に迷い込んだ主人公のマーフィーだが、もちろん丸腰。まず心にゆとりを得るべく、棒でも石でもいいので持っておきたいところ。扉という扉を開けて移動していくと、キッチンでフライパンをゲットできた。早速武器を手にしたので調子に乗ってさらに室内を散策してみると、何やら気になるアイテムを随所で発見できる。すっかり家捜しタイムに突入し、テレビのスイッチを入れてみたり、トイレを流してみたり、小銭をゲットしたり、冷蔵庫の中を漁ってみたり。
 さらに進むと、バールのようなものゲット! これで最強! しかもこれさえあれば、扉に打ち付けられている板を破壊することができそう。もはや無敵な気分でガッツンガッツン板を壊して扉を開けて進むと、鍵を入手。そういえば、探索中に鍵がかかった扉があったことを思い出すものの、どこから来たのか方向をロスト。完全にバールを持ってウロウロする怪しい男になり果ててしまった。

 家捜しに夢中になり過ぎ、薄暗闇の中迷いに迷ったあげく、まさかのクリーチャーと出会うことなく試遊時間終了。ダウンプアのごとき土砂降りの雨が心に降り注ぐのでありました。

●ついにクリーチャーと遭遇!

 というわけで、この心の土砂降りを晴らすべく2ターン目に突入! 再度長蛇の列に並びサイレントヒルの世界へと帰って参りました。
 2周目こそはクリーチャーをこの目で確かめるべく、途中に仕込まれたアイテムには目もくれず、とにかくバールへ一直線。さらに鍵をゲットし、扉へとたどり着くことに成功! ありがとう、導いてくれたコンパニオンのお姉さん! 「このムービーあと……出ますよ」と笑顔で教えてくれたお姉さん、ありがとう!
 建物のテラスとおぼしき場所へ出ると、セイターと名乗るどこか厭世的な男性との出会いがムービーで描かれる。彼はこの地のあらましや、ここから外部へ向かうには、洞窟に入って奥へ進む必要があると教えてくれた。
 ちなみにテラスには望遠鏡が設置されていて、前回のプレイ時に入手していた小銭があれば、ここで使うことができたようだ。方向音痴だったばかっかりに……悔しい!
 さて、セイター(とコンパニオンのお姉さん)に言われた通りに進むと音が……何か奇妙な音がする! いよいよ出るのか! そう、『サイレントヒル』シリーズと言えば、これまでのシリーズにおけるラジオの音を始め、音が最強に最恐なのだ! なんとも言えない耳障りな音に、この向こうにクリーチャーがいることは間違いないと確信しつつバールのようなものを握りしめて進むと……はい来た! 2体のクリーチャーが出現! 奇妙な動きで向かってきます! 怖い! と言うか奇妙! ノーガードでひたすらバールで殴り、しがみつかれたら振り払いつつ、とにかく殴る! 必死すぎてどんな姿をしていたのか見ている余裕がなかったのが悔やまれます。
 足下で痙攣するクリーチャー(これまた不気味)を後に、セイターが言っていた洞窟へ到着。奥へ進むと吊り橋を発見。きっとこれを進むと、向こうからクリーチャーがやって来て……吊り橋の上でどうにもならないことになるの違いない、などとおののきつつ進むと、吊り橋の板が抜けて落下してしまうというサプライズが! LRボタンの操作で落ちた吊り橋をよじ登る……のだが、慌てているうちに谷底へ落下。ゲームオーバーと相成り、そこでちょうど試遊時間も終了となった。

 ひさしぶりの完全新作となる『サイレントヒル ダウンプア』は、陰鬱な世界観はもちろん、意味ありげなギミックや謎解きも健在のようだ。Unreal Engine 3が導入されたことにより、これまで以上に現実的に描かれるサイレントヒルの非現実的な世界は、ヘッドマウントディスプレイでプレイしたことも相まって圧倒的な存在感で迫ってきた。今回遭遇できたクリーチャーは1体だけだったが、このリアリティーであんなクリーチャーやこんなクリーチャーたちが登場することを想像したら、期待度は土砂降りどころか雷雨が到来! この世界観に没頭すべく、HMZ-T2の購入を固く心に誓ったのであった。

陰鬱な恐怖を体感! 『サイレントヒル ダウンプア』プレイリポート【TGS 2012】_01
陰鬱な恐怖を体感! 『サイレントヒル ダウンプア』プレイリポート【TGS 2012】_02
陰鬱な恐怖を体感! 『サイレントヒル ダウンプア』プレイリポート【TGS 2012】_03
陰鬱な恐怖を体感! 『サイレントヒル ダウンプア』プレイリポート【TGS 2012】_04
陰鬱な恐怖を体感! 『サイレントヒル ダウンプア』プレイリポート【TGS 2012】_05
陰鬱な恐怖を体感! 『サイレントヒル ダウンプア』プレイリポート【TGS 2012】_06