3D上映は日本だけ!
2012年9月20日から千葉県の幕張メッセで開催中の東京ゲームショウ2012。その二日目となる2012年9月21日、メインステージにおいて、フルCG映画『バイオハザード ダムネーション』(10月27日から全国ロードショー)の記者発表会が行われた。
同発表会には、神谷誠監督と『バイオハザード』シリーズの小林裕幸エグゼクティブプロデューサーが登壇し、制作秘話などを披露した。
「前作『バイオハザード ディジェネレーション』の発表会のときに、この作品がヒットすれば、またこの場に戻ってくることができるので応援よろしくお願いします、と発言したのですが、お陰様で戻ってくることができました。ゲーム作品のナンバリング『6』が発売、実写映画の公開と、この秋の“バイオハザード祭り”に参加できてうれしく思っています」
「『バイオハザード ディジェネレーション』のステージから4年振りのステージとなりました。実写映画とは違い、CG映画のほうは『バイオハザード』のゲームの世界観で描いている映画です。『バイオハザード ディジェネレーション』だけでも楽しめる作品になっています」
前作『バイオハザード ディジェネレーション』は、全国3館での2週間限定公開だったにも関わらず、動員は33000人、興行収入4300万円を達成し、発売されたDVDとBDは全世界で累計160万本以上のセールスを記録。このヒットが続編制作への後押しとなり、「神谷監督と鍋をつつきながら(笑)、続編をやりませんか? と持ちかけた」(小林)ことがスタートだったと言う。実際に制作がスタートしたのは2009年とのこと。
本作は東欧のとある国が舞台となっているが、東欧という地域を選んだ理由のひとつに、前作がアメリカだったので今回は違う国がいい、という小林氏の意向もあったという。だが、なぜ東欧なのか。「別の映画でポーランドに行ったことがあるんですが、石畳の道や古い町並みがゴシックホラーっぽく、近代的な建物もあり、旧ソ連の影響下も残っているため軍事色も強い。それらが『バイオハザード』の雰囲気にピッタリと合っていると感じました」(神谷)と、神谷監督からの提案だったことが明かされた。ロケハンには、同じ東欧のウクライナに赴いたという。
フルCG作品ということで、CG映像の制作の過程も披露され、モーションキャプチャーのデータをもとに、CGが作成されることなどが紹介。神谷監督は演技指導に熱が入るあまり、ある脇役キャラクターのモーションも担当したという。そうして出来上がった映像で、最初の特報が公開されたのは、“Comic‐Con International”(通称“コミコン”。毎年アメリカで開催されている)。そこは、熱心なファンとの交流の場ともなっており、よく聞かれる質問は「登場していないキャラクターはいつ登場するのか」といったことだという。「ファンとの交流の場はすごく大切で、エイダはなぜ出ないんだ、と多くのファンに聞かれたこともあって、監督と相談し、今作ではエイダを出そうと決めたんです」(小林)と、ファンの声は大いに参考になっているとコメントした。
また、映画を制作することで、『バイオハザード』シリーズにどういった影響があったかについては、女性のファンが増えたとのこと。小林氏は「女性のほうが積極的に外に出て、エンタテインメントを楽しもうとする傾向にあるからでは」(小林)。本作のレオンやバディもイケメンなので、さらに女性に人気が出そうだ。
『バイオハザード』シリーズの最大の魅力について聞かれた小林氏は、現実の時の経過とともにキャラクターも年を取り、ゲーム内の世界情勢も変化することで、飽きられないことが、長く支持されている要因と分析。ファンとともに成長してきたシリーズとも言えそうだ。「レオンも『2』では新米警官だったのに、いまや無精髭を生やした逞しい立派なエージェントになりましたし(笑)」(小林)
主題歌を歌うのは前作に引き続き土屋アンナの『CARRY ON』。今回の記者発表でも登壇する予定だったが、体調不良のため残念ながら欠席となった。神谷監督は「前作の記者発表のとき、土屋アンナさんが女性にも観てほしい、という意図で“怖くないので観てください”と仰ったんですけど、私としてはホラー映画のつもりだったので“怖くない”というのは……(笑)。なので今回は、リベンジするつもりで映画を作ったので観てほしかった」と残念がった。楽曲に関しては、数ある候補曲の中から満場一致で決定したものが、『CARRY ON』として完成したという。
最後に、公開へ向けて神谷・小林両氏それぞれがメッセージを述べ、記者発表は終了した。
「今年の後半は“バイオ祭り”になっています。その最後に登場するのが『バイオハザード ダムネーション』です。映画だけ観てもおもしろいと自信を持っています。ゲームの世界観を踏襲した作りになっているので、ゲームファンの方にガッカリされることもないと思いますので、ぜひ楽しんでください」(神谷)。
『バイオハザード ダムネーション』は、ゲームやホラー、ミリタリーなどがお好きな神谷監督が、“ゲームの世界観”で作られたCG映画です。『6』をプレイした人は、前日譚として楽しめますし、『バイオハザード ダムネーション』を最初に観た方は、『6』と後日譚として楽しめますので、プロデューサーとして両方を楽しんでいただければ、これほどうれしいことはありません。ぜひ、3D(3D公開は日本のみ!)で観ていただければと思います(小林)