バンダイナムコゲームス

東京ゲームショウ2012に先駆けて、2012年9月19日、東京・バンダイナムコゲームス本社にて、メディア向けの新作タイトルプレゼンテーションイベントが行われた。ここでは、Wii U専用ソフト『鉄拳タッグトーナメント2 Wii U エディション』(2012年12月8日発売予定)のプレゼンテーションの模様と、試遊リポートをお届けしよう。

『鉄拳タッグトーナメント2 Wii U エディション』を先行体験プレイ! 原田氏のインタビューも_01

 『鉄拳タッグトーナメント2 Wii U エディション』は、アーケードで好評稼働中の『鉄拳タッグトーナメント2 アンリミテッド』をベースにした移植作だが、追加キャラクターが収録されるなど家庭用ならではの要素も収録されている。そんな本作の先行体験会では、鉄拳プロジェクトディレクターの原田勝弘氏によるプレゼンテーションも行われた。原田氏は、Wii U版の特徴として下記の3点を挙げた。

・新しいコントローラー“Wii U GamePad”を使った遊び
・Wii U版オリジナルのゲームモード“キノコバトル”
・任天堂とのコラボレーションコスチューム

『鉄拳タッグトーナメント2 Wii U エディション』は、Wii U GamePadのタッチスクリーンにあらかじめ登録した“固有技”を表示させることが可能で、表示部分をタッチするだけで固有技をくり出すことができる。これを原田氏は「ワンタッチで技が出せるため、難しいコマンドが苦手な人にオススメの機能です」とアピール。タッチ操作については、「タッチ操作でキャラクターのカスタマイズも行えるようにしたい」と語っており、今後さらに機能が拡張される可能性もありそうだ。また、Wii U GamePadのタッチスクリーンにゲーム画面を表示させ、Wii U GamePadだけでプレイすることも可能だという。原田氏いわく、「お父さんがリビングのテレビを使っていてゲームができないという子どもにぜひ使ってほしい機能」だそうで、「Wii U GamePadを部屋に持ち込んで、ニンテンドー3DSをプレイするような感覚で遊べます」とのこと。

Wii U版オリジナルのゲームモード“キノコバトル”は、バトルステージに『マリオ』シリーズでおなじみの“スーパーキノコ”や“毒キノコ”などのアイテムが出現するモード。出現するキノコを取るとキャラクターが大きくなって攻撃力が上がったり、小さくなって攻撃力が減少する仕組みだ。“スーパースター”にいたっては、キャラクターが一定時間無敵になり、相手の攻撃を一切受け付けなくなるとのこと。原田氏は「キノコを取り合って友だちとワイワイ遊んでほしいですね」とコメントしていた。

任天堂とのコラボレーションコスチュームは、マリオやルイ―ジを始め、リンクやフォックスなど、任天堂の人気キャラクターのコスチュームを着用して闘えるというもの。「マリオのようにデフォルメされたキャラクターのコスチュームを8頭身のキャラクターが着るという無理なことをしていますが、任天堂ファンの方にはうれしいと思いますので、ぜひ楽しみにしていてください」と原田氏はプレゼンを締めくくった。

『鉄拳タッグトーナメント2 Wii U エディション』を先行体験プレイ! 原田氏のインタビューも_03
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Wii U版の気になるポイントを原田氏に直撃!

――任天堂コラボコスチュームはどのような種類があるのでしょうか?

原田 マリオやゼルダなど、さまざま種類を用意しています。もちろん、現在未発表のものもありますので、今後の発表を楽しみにしていてください。

――Wii U GamePadに表示されたコマンド表をタッチすることで、“固有技”をくり出せるそうですが、固有技以外に登録できるものはあるのでしょうか?

原田 固有技を組み合わせた“コンボパーツ”を登録することもできます。そうすることで、ワンタッチでコンボを決めることが可能になるため、初心者のかたにオススメです。

――Wii U GamePadのタッチスクリーンにゲーム画面を映し、携帯ゲーム機のようにWii U GamePadでプレイした場合、タッチスクリーンによるラグ(遅延)は生じるのでしょうか? 液晶テレビでプレイするのと同じ感覚で遊べますか?

原田 Wii U GamePadのモニターに遅延はありません。すごく反応がいいので、テレビでプレイするのと変わらないと思います。また、Wii U GamePadによる操作も快適です。Wii U GamePadには、開発中のものを始めて触ったときから好印象を持っていたほどです。

――Wiiで発売中のアーケードスティックを使用してプレイすることは可能ですか?

原田 もちろんです。Wii U自体がWiiのコントローラーに対応していますので問題なく使えます。

――Wii U GamePad操作とWii U PROコントローラー操作で対戦したとき、どちらかが有利で、どちらかが不利になるということはあるのでしょうか?

原田 Wii U GamePad操作は、ワンタッチでコンボをくり出すことができるので、初心者どうしの対戦であればWii U GamePadを使用したほうが有利になると言えるかもしれません。ただ、“最速風神拳”に代表されるテクニカルな技は登録できないため、ゲームをやり込んでくると最終的にはWii U PROコントローラー操作の人のほうが強くなるはずです。

――プレイステーション3版とXbox 360版に登場する追加キャラクターはWii U版には登場しないのでしょうか?

原田 Wii U版は後発になりますから、最初から遊べるようにしておきたいと思います。また、ファンが求めるものは、ハードごとに異なっていると考えていますので、ハードごとのニーズに適したサービスを提供したいと思っています。それが任天堂さんとのコラボコスチュームであり、キノコバトルでもあります。もちろん、それ以外にもWii U独自のサービスを提供できたらいいですね。

――最後に別のゲームの話題になりますが、『鉄拳X(クロス)ストリートファイター』の開発は進んでいるのでしょうか?

原田 『鉄拳タッグトーナメント2 Wii U エディション』は、『鉄拳』チームと『ソウルキャリバー』チームの混成チームで開発しています。それだけ力を入れて作っていますので、『鉄拳X(クロス)ストリートファイター』のほうはまだなんとも言えない状況です。また、近年の格闘ゲームは、「ソフトが発売されたから開発の仕事は終わり」ということはなく、プレイヤーに末永く遊んでもらうためにも発売後の運営が重要だと考えています。アーケード版も含めて、まだまだ『鉄拳タッグトーナメント2』でやらなくてはならないことが残っているので、『鉄拳X(クロス)ストリートファイター』については先の話になると思います。

『鉄拳タッグトーナメント2 Wii U エディション』をひと足早く体験!

『鉄拳タッグトーナメント2 Wii U エディション』を先行体験プレイ! 原田氏のインタビューも_02
キノコを取って巨大化するとこんなに大きく! ちなみに、ゲーム操作感はアーケード版とまったく同じといっていいほどのクオリティーを再現していた。

 原田氏のプレゼンのあとに、『鉄拳タッグトーナメント2 Wii U エディション』のキノコバトルを実際にプレイすることができたので、そのプレイリポートをお届けする。
 
まず、コントローラーはWii U GamePadとWii U PROコントローラーの両方を試すことができた。Wii U GamePadは「重い」とは感じないほどよい重量感で、長時間のプレイも問題なさそうだった。ただ、手の小さい記者にとってはやや大きく感じられた。それもそのはず、Wii U GamePadには、6.2インチと大き目のタッチスクリーンが中央に配置されているためだ。バトル中、ここには使用キャラクターの固有技のコマンドが複数表示されており、画面をタッチするだけで固有技をくり出すことができる。これは、ニンテンドー3DS用ソフト『鉄拳3D プライムエディション』のタッチ操作に近いイメージ。ただ、本作の場合は、ニンテンドー3DSよりもタッチスクリーンが大きいため、ものすごくタッチ操作がやりやすかった。ワンタッチで技をくり出せるため、原田氏がプレゼンで語っていた通り、慣れていないキャラクターで遊ぶときや初心者には、すごく遊びやすいコントローラーだと感じた。一方のWii U PROコントローラーの手触りは、クラシックコントローラPROの感触に近い印象。当たり前の話だが、WiiのゲームプレイでクラシックコントローラPROに慣れていた記者としては、すぐ手にフィットしてガンガン固有技をくり出すことができた。

つぎにキノコバトル。これは通常のバトルにキノコなどのアイテム要素が加わったモードだ。『マリオ』シリーズと同様に、“スーパーキノコ”を取るとキャラクターが大きくなり、“毒キノコ”を取ると小さくなる。試しにスーパーキノコを取ってみると、キャラクターが少し大きくなった。どうやら巨大化は3~4段階程度あり、スーパーキノコをひとつ取るごとに1段階ずつ大きくなっていくようだ。まれに“巨大キノコ”と呼ばれる特別なキノコが出現し、これを取ると一気に最大まで巨大化した。画面に下半身しか入らなくなるほど大きくなり、さすがにこの大きさには「どうやって闘えばいいんだ(笑)」と記者もびっくり。ちなみに、大きくなると攻撃力が上昇する効果が得られる。しかし、相手との体格差が大きくなると、攻撃位置の高い上段攻撃などが相手に当たらなくなるという現象が起きた。大きくなり過ぎると足下を狙うような下段攻撃しか相手に当てられないので、自分の攻撃パターンが相手に読まれやすくなるというデメリットもありそう。このため、とにかくキノコを取って巨大化すればいいというわけでもなさそうで、相手の体格に合わせてキノコを取るといった戦略性も生まれるはずだ。さらに、自分がキノコを取りやすい場所に移動したり、相手に取らせないような攻撃を展開したりと、かわいい見た目とは裏腹にキノコバトルならではの奥深い駆け引きも発生しそう……。と、少し難しいことを書いてしまったが、仲のいい友だちとアイテムを奪い合ったり、小さくなったかわいいキャラクターを見て盛り上がったりと、ライトなプレイヤーが楽しめるモードだということは間違いないと思う。東京ゲームショウ2012で試遊台が設置される予定なので、Wii Uを購入予定のアクションゲーム好きの人はぜひ一度触ってみてほしい。


鉄拳タッグトーナメント2 Wii U エディション
メーカー バンダイナムコゲームス
対応機種 Wii UWii U
発売日 2012年12月8日発売予定
価格 価格未定
ジャンル 格闘 / アクション