新ジャンル!? “バトルパーティゲーム”とは?

 東京ゲームショウ2012に先駆けて、2012年9月19日、東京・バンダイナムコゲームス本社にて、メディア向けの新作タイトルプレゼンテーションイベントが行われた。ここでは、Wii U専用ソフト『TANK! TANK! TANK!』のプレゼンテーションの模様と、試遊リポートをお届けしよう。

『TANK! TANK! TANK!』開発者プレゼン&試遊で“バトルパーティゲーム”の圧倒的楽しさが明らかに_01
▲開発スタッフがご覧の格好で登場。今回おもにお話を聞かせてくれたのは、小森国人プロデューサー(写真右)だ。

 『TANK! TANK! TANK!』は、もとはアーケードで人気を博している“体感型バトルパーティゲーム”だ。プレイヤーは戦車を操り、バトルロイヤルのようにプレイヤーどうしで対戦をしたり、プレイヤーが協力して巨大な敵と戦ったり……と、グループでワイワイ楽しめるのが大きな魅力となっている。

『TANK! TANK! TANK!』開発者プレゼン&試遊で“バトルパーティゲーム”の圧倒的楽しさが明らかに_11
『TANK! TANK! TANK!』開発者プレゼン&試遊で“バトルパーティゲーム”の圧倒的楽しさが明らかに_12

 それをWii U用としてリリースすることになったわけだが、“友だちどうしが集まれば、ややこしい説明抜きですぐに楽しく遊べる”という本作の性質は、それだけでもWii Uにうってつけの内容と言える。しかし開発にあたって小森プロデューサーがまず考えたのは、やはり「Wii U GamePadで何か新しいことができないかな?」ということ。そこから生まれたのが、Wii Uのオリジナル要素“コングモード”だ。

 コングモードでは、Wii U GamePadを持ったプレイヤーが巨大なコングを操り、ほかの3台の戦車と対決することになる。小森氏いわく、「家族でゲームを遊んでいると、お兄ちゃんが弟をぼこぼこにする、というのはよくあるパターンですが、コングモードなら、弟がコングで逆襲できるわけです(笑)」という楽しさもあるのだとか。
 また、本作ではプレイ前に、各プレイヤーがWii U GamePadのカメラで顔を撮影し、それをゲーム内に取り込んで各プレイヤーのアイコン代わりにするのだが、コングモードの場合、顔写真をそのままコングの顔部分にはめ込んだ形で表示されるようになる。バカバカしい仕様だが、友だちどうしで遊べば、コレだけでもかなり盛り上がれそうだ。

『TANK! TANK! TANK!』開発者プレゼン&試遊で“バトルパーティゲーム”の圧倒的楽しさが明らかに_05
『TANK! TANK! TANK!』開発者プレゼン&試遊で“バトルパーティゲーム”の圧倒的楽しさが明らかに_06
▲コングモードは、Wii Uのウリである、いわゆる“非対称のゲームプレイ”が楽しめるモードだ。戦車担当のプレイヤーはテレビを見ながらプレイするが、コング担当のプレイヤーは、Wii U GamePadのディスプレイに表示されるコングの視点(はるか上方からの視点)でプレイすることになる。
『TANK! TANK! TANK!』開発者プレゼン&試遊で“バトルパーティゲーム”の圧倒的楽しさが明らかに_07
▲巨大モンスターとしてコングを採用した理由は、「ストーリーの説明などを抜きに、直感的に敵味方が判断できるものをいろいろ考えて、いちばんしっくりきたのがコングでした」(小森氏)とのこと。ちなみにコングは、パワーゲージを溜めてオナラ攻撃をくり出したりもできる。親子で遊べば、子どもが大喜びすること間違いナシ!?

 なお、もともと “バトルパーティゲーム”というコンセプトのゲームなだけに、大人数で遊ぶ楽しさは折り紙付きだが、Wii U版は家庭用とあって、ひとりでじっくり遊ぶための“ストーリーモード”も追加される。このモードは、ミッションをクリアーしていくことで、タンクがレベルアップしたり、より性能のよいタンクが使えるようになったり……といった内容となっているそうだ。もちろん、TV画面を使わずに、Wii U GamePad単体でプレイすることも可能。家族みんながテレビを見ているときはWii U GamePadでストーリーモードをプレイし、家族みんなで遊ぶときはテレビに表示させてマルチプレイ、といった遊びかたができるというわけだ。

 ちなみに東京ゲームショウ2012の一般公開日(22日、23日)では、ファミリーコーナーで本作が試遊出展される。小森氏のオススメとしては、初めてプレイする人はまず巨大な敵と戦うモードを。くり返しプレイする人は、“俺コングモード”をぜひ試してみてほしい、とのことだった。

『TANK! TANK! TANK!』開発者プレゼン&試遊で“バトルパーティゲーム”の圧倒的楽しさが明らかに_02
▲「これからもイベントなどで、この格好で登場しますので、暖かい目で見守っていただければと思います(笑)」(小森氏)とのこと。

始めてすぐに実感できる、説明不要のおもしろさ!

 ここからは、実際に試遊してみた感想を、まとめてリポートしよう。

 今回プレイできたのはマルチプレイモード。マルチプレイモードには4つのゲームモードがあるが、いずれのモードでも操作方法は共通。アナログスティックか十字キーでタンク(もしくはコング)を操作し、いずれかのボタンを押して攻撃、と極めてシンプルで、マニュアルを読まずとも、すぐに楽しむことができた。ちなみに移動の操作は、Wii U GamePadかWiiリモコンのジャイロセンサーを利用し、ハンドルに見立てて操作することもできる。

 実際に操作してみて最初に感じたのは、予想以上に動きがキビキビとスピーディーで、操作感が気持ちイイ、ということ。戦車のイメージから、もっと重々しく、旋回に時間がかかる感じを想像していたが、そんなことはまったくなく、思い通りにスイスイ動かすことができる。射撃も、難しい照準操作が不要で、狙いたい方角に車体を向けておけば、狙いがアバウトでも命中してくれるので、ガンガン撃ちまくればオーケーだ。これなら、プレゼンで小森氏が強調していた通り、友だちを家に招いてWiiリモコンを渡せば、即座にワイワイプレイを始められるだろう。

『TANK! TANK! TANK!』開発者プレゼン&試遊で“バトルパーティゲーム”の圧倒的楽しさが明らかに_03
『TANK! TANK! TANK!』開発者プレゼン&試遊で“バトルパーティゲーム”の圧倒的楽しさが明らかに_04
『TANK! TANK! TANK!』開発者プレゼン&試遊で“バトルパーティゲーム”の圧倒的楽しさが明らかに_13

 また、多彩なアイテムがうまく“効いている”のも大きい。マップ上に出現するアイテムのコンテナを取ると、戦車の主砲がパワーアップするのだが、連射可能なマシンガンや、超長射程のレーザービーム、一気に多数のミサイルを発射する多段ミサイル、威力絶大な超巨大ミサイル……などなど多種多彩で、いずれも爽快感が抜群なのだ。
 ちなみに戦車どうしが対戦するモードの場合、コンテナが“?”マークとなり、中にどのアイテムが入っているかが、取ってみるまでわからない仕組みになっている。誰が、どのアイテムをゲットするかで戦いの趨勢が大きく変わるため、これも対戦を盛り上げる要因となっているわけだ。ただし、アイテムはそれぞれに“威力はデカイがリロードが長い”、“当てやすくて弾数も多いが威力が低め”などなど、うまい具合にバランスが取られているので、「あのアイテムを取れたら勝ち」なんてバランスにはなっていない。プレゼンでの小森プロデューサーのお話では、熟練の開発スタッフたちと、ゲーム初心者がまざってプレイをしても、勝ったり負けたりになるとのこと。また、そうしてどんなグループでも楽しめるように、慎重にバランスを取っているとのことだった。

 さて、肝心のコングモードもプレイしてみたが……これは確かに、気分爽快! 眼下をうろちょろしているタンクどもを、ボタンひとつでパンチをくり出し、ガンガン破壊していくと、巨大生物気分を満喫できる。さらに、プレイしているうちにゲージが溜まり、ゲージが満タンになると、必殺技をくり出すことも可能。コングパワー、圧倒的すぎる!!

『TANK! TANK! TANK!』開発者プレゼン&試遊で“バトルパーティゲーム”の圧倒的楽しさが明らかに_09

 ただしこのモードのルールは、厳密には倒すか倒されるかではない。タンク側は、破壊されても何度でも復活可能で、制限時間内にコングの体力を削り切れれば勝利となるルール。なので、圧倒的なパワーを持つコングも、必死で戦車を破壊し続けなければいけないのだ。ここもバランスが絶妙で、戦車側、コング側、どちらで遊んでも、残り時間をにらみながらハラハラドキドキの戦いが楽しめる。友だちと遊ぶなら、やはり戦車側とコング側を代わりばんこでプレイするのがオススメだ。

『TANK! TANK! TANK!』開発者プレゼン&試遊で“バトルパーティゲーム”の圧倒的楽しさが明らかに_10
『TANK! TANK! TANK!』開発者プレゼン&試遊で“バトルパーティゲーム”の圧倒的楽しさが明らかに_08

 以上、今回はマルチプレイモードのみのプレイだったが、本作の魅力の片鱗は十分に味わうことができた。発売日はいまのところ未定だが、一家に1本常備しておきたい、大安定の1本と言えそうだ。