開発スタッフ インタビュー『ラブ☆トレ』誕生のヒミツ!?

『ラブ☆トレ ~Sweet~』発売直前! ゲームモードなどを大紹介(後編)【よりぬきファミ通Xbox 360 10月号】_01
コンシューマチーフディレクター
真弓 貴(左)

ディレクター
井野哲哉(右)

 健康×ダンス×萌え=ラブ☆トレ! Kinectの特長を生かしたアイデアはどこから生まれたのか。マスターアップ直前のタイミングにインタビューを敢行した!

<始まりは「ヤンチャな企画」!?12人のヒロイン誕生秘話も>

ラブ☆トレ』誕生の経緯を教えてください。
真弓 もともと私たちはキャラクターゲームを制作しているメーカーであり、その分野においていろいろなチャレンジをしていきたいと考えていました。そういったときにKinectというデバイスに出会いまして、これならいままでにない新しいことができるんじゃないかと。まずはそこが『ラブ☆トレ』のプロジェクトがスタートするきっかけですね。Kinect専用のダンスゲームはいくつか世に出ていましたが、私たちの強みであるキャラクター性を最大限に打ち出したダンスゲームを作ってみたら、どこまでやれるんだろうと。これが企画の出発点なんですが、当初は相当ヤンチャな企画でした(笑)。

「ヤンチャな企画」と言われましたが、具体的には?
真弓 いわゆる"萌え"の要素が強かったということですね。開発が進むにつれてブラッシュアップされて、現在の形に落ち着いていきました。

ちなみに企画が立ち上がったのはいつですか?
真弓 構想自体は2010年の秋にはありましたね。
井野 そのころからヤンチャな企画はずっと出し続けていました(笑)。
真弓 おそらく「ヤンチャがすぎる」との理由でマイクロソフトさんに承認してもらえなかったんですが、何度か企画を練り直した結果、ようやく2011年の春になって承認が下りまして、そこから駆け足で開発を進めてきました。

ちなみに承認が下りなかった企画というのは……。
真弓 やはりキャラクターゲームなので、ヒロインとのお付き合いというものを追求したいと思っていました。では、Kinectを使用したときにどんな演出ができるかと考えまして、当時はアドベンチャーパートやトレーニングパートで女の子に密着する……これ以上は許してください(笑)。

キャラクターについてお聞きします。キャラクターデザインにカスカベアキラ先生を起用された理由は?
真弓 企画立ち上げ当時はアニメテイストの強いキャラクターデザインを考えていたので、その方向でイラストレーターさんを検討したんですが、井野からカスカベ先生を紹介されました。作品を拝見したところ、すごくキレイな絵を描かれる方だなと。一気に社内で注目が高まり、ぜひお願いしたいということになりました。
井野 最初はpixiv(ピクシブ)などでかわいい絵が描ける作家さんを捜して候補をリストアップしたんですが、カスカベ先生のキャラクターというのはとくに顔の描き分けが抜群にいいんですよ。『ラブ☆トレ』はキャラクターが12人も登場する作品なので、そういった点はとても重要でしたが、カスカベ先生であれば間違いないと確信して、猛烈にアタックをかけました。たいへんお忙しい方なのでスケジュールの面できびしかったようなんですが、キャラクターの中にひとり"男の娘"を入れるというアイデアをお話ししたら、乗り気になっていただいて承諾してもらいました。

"男の娘"ですか!
井野 これ以上は詳しく話せませんが、カスカベ先生の作品をよく知るファンの皆さんのあいだでは、すでに話題になっているみたいですね。

これは気になります。最終的に仕上がった12人のキャラクターデザインについては?
井野 キャラクターデザインについては、すばらしくて言うことがないですよ。さらに声優さんに声をあててもらったら、本当にキャラが生きてきて、制作側としても作っていて楽しいです。
真弓 カスカベ先生はとてもプロフェッショナルな方で、最初に12人のデザインが仕上がったときに、ひとりだけクオリティーに納得がいかないと。陽月かるたというキャラクターなんですが、「お願いだから描き直させてほしい」と言われまして。すでに色まで塗っている段階だったにもかかわらず、自分で納得がいかないということで、もう一度デザインをやり直していただきました。

豪華な声優陣も見逃せないポイントですね。
真弓 『ラブ☆トレ』のメインテーマは"ダンス"なのですが、どうしても実現したいことがありまして、それがキャラクターの声優さん自身にダンスの振付を担当していただくことでした。伊波茉莉花役の榊原ゆいさんはアーティストとしても精力的に活動されている方で、ライブのダンスの振付を自分でされていますので、真っ先にお声を掛けました。ステージモードのダンスの振付をお願いしています。ほかのキャラクターについてもイメージに合った声優さんをリストアップしたのですが、運よくというか第一希望の方にお願いすることができました。キャラクターの個性に合った、幅広いキャスティングになったと思っています。

キャラクターが総勢12人というのは多いですよね。
真弓 じつは最初の企画段階ではキャラクターが4人だったんですよ。それが『~ Sweet ~』に登場する4人です。社内から「こんなキャラクターも欲しい!」と新しいアイデアがどんどん出てきて、とてもじゃないけど4人じゃ足りないと考えるようになったので「じゃあ、増やそうか」と。結果的に12人になったんですが、『ラブ☆トレ』はカラダを動かして遊ぶゲームなので、1日1時間プレイするくらいがちょうどいいんですよ。長時間プレイするゲームではないので、1本のタイトルに10人も12人もキャラクターが登場するとボリュームがありすぎて収まり切らない。ひとりのキャラクターに対して、じっくりストーリーを楽しんでもらえないと思ったので、全3巻リリースの形になりました。
井野 コントローラーで操作するゲームと違って、Kinectで操作するゲームの場合、UIをシンプルにしないといけないんですね。キャラクターが多くなるとそれだけメニューの項目が増えてしまうので、複雑になってしまいます。快適にプレイするためには1タイトルのキャラクターを絞る必要がありました。キャラクターを作っている段階では12人どころではなく、もっと多かったんですが、ひとりのキャラクターにいくつかの属性をつけることでうまく12人に収まったという感じですね。

<ダンス未経験でも心配無用、さらにエンディングのヒミツとは>

ひとりのキャラクターでエンディングに到達するまでのプレイ時間を教えてください。
井野 開発チームやデバッグ会社さんとテストプレイを重ねた結果としては、だいたい10~15時間でしょうか。すごく運動スキルが高いユーザーさんなら、もっと短時間でクリアーできるかもしれません。カラダを使うゲームなのでなかなかデバッグも捗らなかったんですが、1週間くらいかけてひとりのキャラクターをクリアーするようなペースがちょうどいいのかなと思います。

ダンスについては「未経験者でも楽しめるのかな?」という不安がありますが……。
真弓 キャラクターゲームでもありますので、あまり難しすぎないようにバランスを調整しました。難易度別のメニューを用意しましたので、運動をまったくしない方から得意な方まで楽しめるようになっています。
井野 難易度はミニゲームで3段階、トレーニングは7段階、ダンスは12段階から選べますので、ユーザーさんのレベルに合わせて楽しめます。また、メニュー1回あたりのプレイ時間は1~3分と短く設定していて、徐々に新しいメニューが解除されていきますので、途中で投げ出さないでモチベーションが続く仕組みになっています。

カラオケモードやステージモードに流れる曲はオリジナルですか?
真弓 ひとりのキャラクターにつき、声優さんが歌うオリジナルソングが1曲あります。

エンディングは何種類ですか?
真弓 ストーリーの途中で終わってしまうBADエンドのほか、最後まで到達したときに分岐するGOODエンドとNORMALエンドの3種類ですね。

分岐条件が気になりますが?
井野 トレーニングやダンスを完璧にしないといけないといった、きびしい条件ではありません。まんべんなくいろいろなメニューを遊ぶと、GOODエンドに到達できるはずなので安心してください。まじめにトレーニングをしなかったり、メニューが偏ってしまうと……ということですね。

最後に、発売を直前に控えた現在の心境は?
真弓 カスカベ先生のデザインと声優さんの力で、個性的なキャラクターに仕上がりました。日ごろの運動不足を解消しながら、かわいい女の子と仲よくなれる。一石二鳥、2度おいしい作品になっていますので期待してください。
井野 キャラソンの出来がいいのでカラオケモードを楽しみにしてほしいですね。いまはデバッグ作業中なんですが、ステージモードを流していると本当に癒されます。ぜひキャラソンにも注目して、チェックしてもらいたいです。

(C)BOOST ON

ファミ通Xbox 360 10月号

●表紙『DEAD OR ALIVE 5
9月27日発売予定の『DEAD OR ALIVE 5』が表紙のファミ通Xbox 360 10月号、
記事ではプロデューサーの早矢仕洋介さんとディレクターの新堀洋平さんに
たっぷりとお話を聞いてきた!
ゲームシステムのことはもちろん、新たな登場キャラクターについても!?

●特別付録:Halo 4 ブリーフィングブック
11月8日発売予定の『Halo 4』を徹底分析した特別付録冊子!
これまで判明しているゲーム情報はもちろん、
Halo』シリーズすべてを網羅したストーリー&用語解説で
『Halo 4』発売までの予習復習はバッチリ!

●特集:いまさら聞けないXbox 360のギモン 36
「Xbox 360本体はどれを買えばいいの?」
「Xbox 360はゲームのほかには何ができるの?」
「オンラインサービスのXbox LIVEって?」
「実績とは? 解除するといいことあるの?」
……などなど、Xbox 360に関する36個のギモンに答える特集!
Xbox 360の魅力をすべて知ってもらうためにも、
いま一度おさらいの意味も込めてチェック!

●特別企画:My 360 My Life スペシャル! みんなのベストワン
思い入れたっぷりに特定のゲームについて熱く深く語ってもらう連載コーナー。
今回はその特別拡張スペシャルとして、
クロスレビューメンバーの面々から編集部員に、
「これが私のベストワン!」なる1本についてたっぷり語ってもらったぞ!

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