B級はB級でも、B(EST)級な技術と人を揃えた内容に!

『地球防衛軍』まさかの実写化――『いかレスラー』、『ヅラ刑事』などの河崎実監督が“2分ぐらい”でEDFの誕生を描く!_01

 ディースリー・パブリッシャーから2012年9月27日に発売が予定されているプレイステーション Vita用ソフト『地球防衛軍3 ポータブル』で、ユニークなプロモーションが発表された。なんと、一部好事家たちから支持を得ている映画監督の河崎実氏の手で、『地球防衛軍』が実写化されることが決定したのだ。

 『地球防衛軍』シリーズは、“連合地球軍 EDF”と、画面を覆い尽くすほどの巨大エイリアン“フォーリーナー”たちの戦いを描いた、古き良き日本の特撮を彷彿とさせる作品。河崎監督は、アレな感じの作品を複数手掛け“日本一のB級監督”と呼ばれることもある一方で、『ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発』や『日本以外全部沈没』など特撮と(たぶん)真摯に向かったものも少なくない。つまり、『地球防衛軍』の実写化を任せるうえで、河崎監督ほど最適な人物はいないのだ!(と思う)

 2012年8月27日には、東京・中野にある河崎監督のお店“BARルナベース”で製作発表会も行われた。最初に上映された予告編は、居酒屋でビールを片手に赤ら顔の河崎監督が「もういいんじゃない?」、「命かけてます! ……カンパーイ!」などイイ感じの表情を見せる合間に作品情報が挟まれるという内容で、それによれば実写作品の上映時間は“2分ぐらい”! ラストは、ビールをグイっと飲む河崎監督の顔に“撮影快調!”というテロップが載る、スバラシイものであった。ちなみに、観た人の9割が「まったく信頼できない!」と感じるであろう本予告編が撮られたのは、撮影開始の13日前。予告編からしていろいろとアレな感じなので、今回の実写化もさぞかしアレなのだろうと記者は思ったが、続いて登場した河崎監督から語られた言葉によって、その考えが9割くらい間違いであることに気付かされた。

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 登場した河崎監督は最初に、自身が過去に手掛けた『地球防衛少女イコちゃん』や『地球防衛ガールズP9』といった作品の名を挙げ「僕は昔から地球防衛を撮り続けているんですよ!」と、『地球防衛軍』の実写を自分が手掛ける必然性を主張。「GG全盛の時代だけど、特撮にこだわりたいと思います」と、自身の強みを盛り込んだ内容にする考えを語った。監督によれば、制作に当たっては、特撮に特化したスタジオ“特撮研究所”の技術協力を得て、クモのような形をした巨大生物を作成。それを、日本特撮の伝統芸とも言える“操演”で撮り「伝統芸能的な画に」するという。また、スタッフには“館長庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技”の会場内で上映されている『巨神兵東京に現わる』に関わった人たちを招集。B級はB級でも、B(EST)級な技術と人を揃えた作品となっているのだ。キャストもすごい。『ウルトラマン』シリーズの重鎮たちを起用し、さらに目玉として、空飛ぶ女性隊員“ペイルウィング”に某有名アイドルをキャスティングする。こちらの詳細は2012年9月18日に公開予定とのこと。

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 「マジメにふざけて作った」(河崎)というストーリーは、連合地球軍 EDFが結成された経緯にせまるインサイドストーリーで、撮影日数は堂々の4日。「みじかっ!」と一瞬こけそうになるが、よくよく考えてみれば2分くらいの映像に4日とはなんとも豪勢である。しかも、作品のボリュームをさらに増すために、エキストラで“逃げまどう人”を募集。プレコミュ内の特設ページで募集をかけ、当選者にのみ撮影場所(実施は9月2日)などが伝えられる。

 ゲームファンだけでなく、映画ファン、特撮ファンも大注目の実写版『地球防衛軍』は、2012年9月26日よりWeb上で公開。同日には、品川にあるソニー・コンピュータエンタテインメントの本社で上映会も行われる予定だ。