ファンを裏切らないこと、これが一番大事だ

『FIFA13』エグゼクティブプロデューサーDavid Rutter氏インタビュー【gamescom2012】_01

 2012年8月15日~19日にかけてドイツのケルンで開催中のイベントgamescom2012。その会場で、シリーズ最新作『FIFA13』のエグゼクティブプロデューサーのDavid Rutter氏にインタビュー。最新作の注目ポイント、さらには『FIFA』シリーズの開発理念などについて聞いた。

──Davidさんは現実のサッカーもよく観ていると思いますが、どこのクラブチームのファンですか?
David Rutter氏(以下、David) ふたつのチームのサポーターなんだ。ひとつはレスター・シティFC(イングランドのクラブチーム)。もうひとつはすごく小規模なクラブなので知らない人が多いと思うけど(笑)、ヒッチン・タウンFC(イングランドのヒッチンを本拠地とするクラブチーム)というチーム。

──最近のサッカーシーンについはどんな感想を持っていますか?
David 『FIFA』を作るために、いろんな国のサッカーを観るけど、やっぱりトレンドはFCバルセロナやレアル・マドリードのあるスペインのサッカー、加えてイングランドにもいいクラブチームがたくさんあるね。個人的には、これから上がってくるのはドイツだと予想しているよ。

──現代のサッカーは戦術などがどんどん複雑になってきていますが、これに合わせてサッカーゲームも複雑になってしまうのでは? と心配しているサッカーゲームファンもいると思うのですが。
David よくみているね(笑)、素晴らしい視点だ。もちろん僕たちもそこには注意している。例えば最新作の『FIFA13』では、”スキルゲーム”というモードを用意して、初めてのプレイヤーでも操作方法の基本が学べるようになっているし、全部で32種類ほどあるアクションを丁寧に解説する要素も入れる予定なんだ。

──最新作のお話が出ましたので、『FIFA13』のセールスポイントを改めて教えてください。
David まずは、やはり毎回プレイするたびに違う結果になる、予測できないリアルなサッカー体験を再現しているという点。加えて、新しいアクションや物理エンジンの成熟でより現実感を増した体の動きなどにも注目してほしい。さらに、昨年から始めた“EAスポーツ フットボール・クラブ”の中の新要素”マッチデイ”では、毎週末までに実際のサッカーシーンで起きている出来事、移籍やケガといった情報がゲームに落とし込まれるようになっているんだ。

──PS Moveに対応した意図は?
David まず、SCEから打診されたのがひとつの理由。すでにKinectには対応済みで、この出来に非常に満足していたというのもあるね。PS Moveも非常に長い時間をかけてどう対応するのがいいか試行錯誤してきたので、いいものに仕上がっていると思う。操作のオプションが増えることで、いろんな人に『FIFA』を体験してもらえるチャンスが増えることにも期待しているんだ。

──サッカーゲームのトップブランドに成長した『FIFA』シリーズですが、ゲーム制作やチームとしてのポリシー、揺るがない理念はありますか?
David そうだね、まずファンを裏切らないこと。これが一番大事だ。『FIFA』のファンは非常に多くの意見を持っていて、僕たちにフィードバックしてくれるからね。これに対して自分たちは、納得のいかないものは絶対にリリースしない、ファンの声に応えられるものを毎回提示する、そしてサプライズを用意する、ということを守ってゲームを制作している。また、開発チームの中の話で言うと、何をするにしてもどこへ行っても、自分たちはひとつの”EA”なんだ、という気持ちを持っている。それから、毎年クリスマスの前に最新作の『FIFA』がリリースされるけど、その後、クリスマスまでに今後の3年間で何をするのか、そのビジョンを決める。そして、1月にはその年に何を達成するのかを話し合う。こうして、シリーズの制作を続けているんだ。すごく大変なことだけどね。まあ、僕はまだ21歳だから、まだまだ大丈夫さ(笑)。

──David氏、居合わせた全員に突っ込まれる──

──(笑)。では最後に、日本の『FIFA』ファンにメッセージをお願いします。
David はい。『FIFA13』はこれ以降も多くの情報を出していきますし、体験版も用意します。ぜひ楽しみにお待ちください。そして発売後は、オンラインで世界中のプレイヤーとガチ対戦を楽しんでください。それから、僕もいつか日本を訪れたいと思っています。

──日本にいらしたことがないんですね?
David ヒドイんだよ、僕は毎回一番に日本に行きたいって言ってるんだけど、僕の上司の牧田さん(※FIFAプロジェクト統括プロデューサーの牧田和也氏)が行っちゃうから行けないんだよ!(笑) これはぜひ書いておいて(笑)。

──わかりました(笑)

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