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すべてが進化したシリーズ最新作──『クライシス3』クリエイティブディレクターインタビュー【gamescom2012】_01

 2012年8月15日~19日にかけてドイツのケルンで開催中のイベントgamescom2012。その会場で、シリーズ最新作『クライシス3』のクリエイティブディレクターRASMUS HOJENGAARD氏にインタビュー。本作のコンセプトや見どころなどについて聞いた。

──まず最初に、『クライシス3』のセールスポイントを教えてください。
RASMUS HOJENGAARD氏(以下、RASMUS) いくつかありますが、ひとつはプレイヤーがハンターとなって生き抜くというシチュエーション。次に、巨大なナノドームに覆われ、7つの異なる環境(セブンワンダー)を持つ独特の熱帯雨林へと変貌したニューヨークが舞台というロケーション。そしてその舞台で語られるストーリー、さらにシリーズ最多となる武器種の豊富さなどが注目していただきたいポイントですね。

──オープンワールドのゲームで荒廃したニューヨークが舞台というのは非常にユニークですよね。
RASMUS それは、単に広いだけのオープンワールドではなく、狭い空間や限定されたレイアウトを作ることで、アクションや武器の選択といった面でバリエーションを持たせたかったからです。

──武器の種類も非常に豊富かつ変わったものも多いですね。
RASMUS はい。とくに弓には注目して欲しいですね、シューティングに大きく戦略性を付与することに成功していると思います。とても新しい体験ができますよ。

──1年半~2年という短いスパンでこれだけのボリュームの続編がリリースされることに驚きます。
RASMUS 本作は『クライシス』と『クライシス2』の間よりも期間が短くて、非常に大変ですね(笑)。ですが、この作品が忘れ去られないように、ある程度のスパンでリリースしていくことが大事だと思っています。これを可能にするのは、才能溢れるスタッフたち、明確なビジョン、テクノロジー面での安定と成熟です。また今回に関しては、PCベースのゲームではありますが、いまのコンソールに合わせてしっかりと作ろうということ、加えて、次世代に向けて未来を少しでも感じさせるものにしたいというモチベーションもありました。

──CryENGING(※)の使い心地はいかがですか?
RASMUS もちろんグレイト(笑)。『クライシス2』のときから試行錯誤してCryENGING3を使ってきましたが、チーム一丸となって成熟させてきたことで、よりよいゲームを作るためには欠かせないものになりました。開発の大きな助けになっていますよ。

──なるほど。ではゲームの内容に話を戻しましょう。キャンペーンモードのボリュームはどのくらいになりますか?
RASMUS ストーリーを追う形でシングルプレイを進める形にはなっていますが、単にストーリードリブン、ストーリーが主体で動いていくというわけではありません。プレイヤーにリッチで多様性のある体験をして頂くために、マップを含めて非常に作り込んでいますので、どんどん先に進んでもいいし、じっくりと探検してもいい。つまり、1回のプレイにかかる時間は、人それぞれになりますね(笑)。

──では次にマルチプレイについてお聞きします。今回のgamescomで公開されたハンターモードはどういった意図で導入したのですか?
RASMUS まず、シングルプレイでの体験をマルチプレイにもしっかり繋げていきたかったという理由があります。そこで、ハンター vs C.E.L.L.という図式をマルチプレイでも再現しようと考えました。また、正直なところ前作、前々作ではそこまでマルチプレイに力を入れていなかったということもあり、どちらかが勝ってどちらかが負けて、それで終わりというものでした。当然、高い評価も得られませんでした(笑)。そういった反省から、何か新しくユニークなメカニズムを入れたいと思い、生まれたのがこのモードです。最初は少しルールが難しすぎるかな? と思ったのですが、遊び込むうちに、これは多くの人に受け入れられるという確信を得ました。

──実際に遊ばせていただきましたが、絶妙なバランスで非常におもしろかったです。
RASMUS ありがとう。誰にでも楽しめる、いいモードに仕上がっていると思っています。

──今回、マルチプレイに力を入れているとのことですが、とても多くのモードがあるということも明言されていますよね。これ以外にもまだ未公開のモードはありますか?
RASMUS ええ、その通りです(笑)。今回はハンターモードのみの紹介となりましたが、続報をぜひ楽しみにしていてください。

──わかりました(笑)。では最後に、日本のファンにメッセージをお願いします。
RASMUS はい。ストーリー、シングルプレイ、マルチプレイ、あらゆる要素でスーパーリッチな体験をお届けすることを約束します。発売を楽しみにお待ちください。

※『クライシス』シリーズを制作するCrytekは、ゲームエンジンの分野でも大手。CryENGINGは同社開発のゲームエンジン。