『メダル オブ オナー』シリーズは“兵士への感謝の気持ち”を表した作品

 ドイツのケルンで2012年8月15日(現地時間)から開催されている欧州最大規模のゲーム見本市、gamescom 2012。同イベントでエレクトロニック・アーツから国内では2012年11月日にプレイステーション3、Xbox 360、PC用ソフトとして発売予定の『メダル オブ オナー ウォーファイター』のマルチプレイモードが公開された。本作のマルチプレイはどんなものになるのか。『メダル オブ オナー ウォーファイター』エグゼクティブプロデューサーのグレッグ・グッドリッチ氏に話をうかがった。

『メダル オブ オナー ウォーファイター』のマルチプレイはいままで以上にエキサイティング!【gamescom2012】_02
『メダル オブ オナー ウォーファイター』のマルチプレイはいままで以上にエキサイティング!【gamescom2012】_08
『メダル オブ オナー ウォーファイター』のマルチプレイはいままで以上にエキサイティング!【gamescom2012】_07
『メダル オブ オナー ウォーファイター』のマルチプレイはいままで以上にエキサイティング!【gamescom2012】_06

『メダル オブ オナー ウォーファイター』のマルチプレイはいままで以上にエキサイティング!【gamescom2012】_01

――gamescomでお披露目されたマルチプレイですが、本作ではどんな種類のものがあるのですか?

グレッグ 現在までに発表しているのは、“セクター・コントロール”と今回発表した“ホットスポット”、“ホームラン”(※下記参照)の3つだね。それぞれのマルチプレイモードにCO-OPのようなふたり協力プレイが楽しめる要素も入っている。また、オンライン要素として、Webベースのメタゲームであるソーシャルネットワーク・バトルログでは国連の193か国の代表となることが可能だ。自分の国が上記10ヵ国に含まれていない場合、ゲーム内で獲得したトークンを自国のメタゲームに使うことができる。

――どんなメタゲームに?

グレッグ Webサイト上で地球儀が回っていて、そこに全世界の国が表示される。そこに全世界的リーダーボードや誰が勝利しているかも表示されるんだ。プレイヤーはドイツやフランス、イタリアなど自分の好きな国にトークンを使うことができる。トークンが増えればリーダーボードでの地位も上がる仕組みだ。ちょっと言葉で説明するとわかりづらいかもしれないけれど、実際に体験すれば簡単であることがわかってもらえると思うよ。

――メタゲームを入れた理由は?

グレッグ 本編では10ヵ国に限定されているため、そこに含まれていない国のプレイヤーたちにも、自国に対してプライドを感じてもらえるようにしたかったためだ。

『メダル オブ オナー ウォーファイター』のマルチプレイはいままで以上にエキサイティング!【gamescom2012】_09

――キャンペーンモードについても少しうかがいます。実際にあった世界の紛争が舞台となりますが、ひとりの主人公が各国を転戦していく物語になるんですか? それとも、国ごとに個別のエピソードが用意され、それぞれ主人公が違うかたちになるんでしょうか。

グレッグ 主人公が各国の紛争を転戦していくかたちになるんだけれど、プレイヤーキャラクターはふたりいるんだ。メインのキャラはタスクフォースに属し、プレイヤーはこのキャラクターでスタートする。ストーリーが進むともうひとり、スタンプが海兵隊からNavy SEALs(ネイビーシールズ)に入隊したキャラクターも登場する。スタンプは前作のラビットに代わる新しいキャラクターだ。ストーリーは、展開によってふたりの関係が絡み合っていくことになる。『メダル オブ オナー』シリーズは、これまでノルマンディの戦いや真珠湾攻撃、アフガニスタンのアナコンダ作戦など、作品ごとにひとつの歴史的紛争を舞台としてきた。今作では複数の紛争が舞台となり、それぞれの舞台に共通する脅威が“PETM”という危険な爆発物という設定だ。兵士たちはこの脅威を使おうとする集団の活動を停止させ、安全を守るために戦うんだ。

――「これがなければ『メダル オブ オナー』とは言えない」という、シリーズを通して大切にしている部分は?

グレッグ まず、キャンペーンでコアとなるのはキャラクターだ。個々の兵士がどんな困難を乗り越えてきたのかを伝えたいんだ。特殊部隊コミュニティやTier 1のメンバーは年間300日ほどは戦地に赴き、あるいはトレーニングに励んでいる。彼らは戦場で犠牲を払っているが、彼らの家族も国内で犠牲を払っている。子どもは父親を知らずに育つ。本作では、主人公キャラクターの家族との生活、絆も描いているんだ。マルチプレイでは自分の国への誇りを感じてもらえる作りにすること。名誉、兄弟愛、尊敬などはアメリカだけのものではなく、どの国に戦士にも共通している。FPSを通じて自国への誇りを感じてもらいたい。『FIFA』シリーズでゲーマーが自分の代表チームを応援するのと同じように、『メダル オブ オナー』シリーズのプレイヤーも、自国の平和を守るために日夜奮闘している兵士たちを応援してほしいんだ。

――『メダル オブ オナー ウォーファイター』が他のFPSゲームとはどこが違うのか、ポイントを挙げるとしたら?

グレッグ ほかのFPS作品とは違うトーン(論調、基調)の作品になるよう心がけている。戦争を描いた映画、たとえば『世界戦略:ロサンゼルス決戦』と『プライベート・ライアン』ではトーンが違う。また、『メダル オブ オナー』シリーズは、“兵士への感謝の気持ち”を表した作品だ。実際の人物、本当にあったできごとを経験した兵士たちの個人的なストーリーをゲームの中で表現し、プレイヤーと共感し合えることができたら、開発者としてこれほどうれしいことはないね。

『メダル オブ オナー ウォーファイター』のマルチプレイはいままで以上にエキサイティング!【gamescom2012】_10
『メダル オブ オナー ウォーファイター』のマルチプレイはいままで以上にエキサイティング!【gamescom2012】_11
『メダル オブ オナー ウォーファイター』のマルチプレイはいままで以上にエキサイティング!【gamescom2012】_12
『メダル オブ オナー ウォーファイター』のマルチプレイはいままで以上にエキサイティング!【gamescom2012】_05
『メダル オブ オナー ウォーファイター』のマルチプレイはいままで以上にエキサイティング!【gamescom2012】_04
『メダル オブ オナー ウォーファイター』のマルチプレイはいままで以上にエキサイティング!【gamescom2012】_03

※“ホームラン”とは(リリースより)……初期段階で試験的に開発されたゲームモードのひとつで「スポーツ」と仮で呼んでいました。目指したのは、高いレベルの競争要素を求めるプレイヤー向けに、従来のクランシステムにも対応するアリーナを作り出すことでした。見ていてエキサイティングなだけでなく、プレイに対する見返りも用意されたゲームモードが必要だと感じていました。
 当初から復活機能が存在しない、展開が速いラウンドは存在していました。そこに、「グローバルTier 1」のコンセプトに対する大きな反響を目の当たりにした私たちは、国旗の奪い合いをゲームプレイの軸とすることにしました。その結果生まれたのが、攻撃側のチームが狭い難所を強引に突き進み、防衛側の陣地に配置された2つのフラッグのいずれかを奪取して、スタート地点に持ち帰ることを目指す激しいゲームモードです。戦闘の大半はラウンド序盤で発生し、攻撃側は防衛線を突破しようと試みます。防衛に失敗して侵入を許した場合、防衛側は攻撃側の退路を包囲して、戦略を切り替えなければいけません。これにも失敗すると、そのラウンドの敗北が決まります。

 一方で攻撃側は、ひとつの難所に集中して攻め込むか、陽動作戦で防衛側のチームを分断させる必要があります。ファイアチームの仲間と常に近くで協力しながら、防衛線を突破しましょう! 目指したのは、緊張感があり、何度もプレイしたくなる激しいゲームモードです。eスポーツでもプレイされ、「メダル オブ オナー」シリーズのバトルを次のレベルへ進化させるものとなるでしょう。