過去を取り戻すべく戦え
gamescom2012の開幕前夜に行われたカプコンのプレスカンファレンスにて発表された、プレイステーション3、Xbox 360、PC向け完全新規タイトル『Remember Me』。同作のゲーム資料および、公開されている映像からわかった情報をお届けする。
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個人の記憶はデジタル化され、売買や取引が行われるようになった時代。プライバシーや人間関係の変容は21世紀初頭に起こったソーシャルネットワークの爆発的成長から継続して進んでおり、いまや市民はその果てにある監視社会を情報社会の恩恵と引き換えに受け入れてすらいた……。
本作は3人称アクションアドベンチャー。主人公は、人の精神の中に分け入り、記憶を盗み・改変する元“メモリーハンター”のNilin。権力者たちは彼女の能力を恐れ、彼女を捕まえて記憶の消去を試みる。しかし、彼女は刑務所を脱獄し、唯一の、そして最後の友人の協力を得て、自身のアイデンティティの奪還を目指す。
舞台はAR技術とデジタル記憶が人々の暮らしを支配する2084年のNeo-Paris(動画でもAR広告や警告が至る所に表示されているのを見られる)。プレイヤーはNilinとして人々から求める記憶を盗みだし、あるいは目的に応じて改変し、過去を取り戻すべく戦うのだ。
中でもユニークなのが“メモリー・リミックス”と呼ばれる要素。ゲームプレイ動画で、何度か同じシーンを巻き戻しながら再生しているのがそれだ。さまざまな記憶のパーツを操作し、たとえば4日前の“酔った晩の別れの記憶”を“そのはずみで女を殺してしまった記憶”へと書き換えるのだ。
つまり“酔った勢いで酒瓶をぶん投げて別れた”という現実が、酒瓶が足元に転がっており、銃のセーフティが外れていて……と設定を書き換えていくことで、“酒瓶につまづき、ちょうど目の前にあった銃に気付いて女に向けて威嚇するが、セーフティが外れていたために撃ち殺してしまう”という記憶になってしまうというわけ。そして良心の呵責に耐えかねた男は自殺してしまう……。
すでにお伝えしているように、本作は海外ではプレイステーション3、Xbox 360、PCで2013年5月に発売予定。開発はパリのデベロッパー、DONTNOD Entertainmentが手掛けている。