“グランツーリスモ アジアチャンピオンシップ2012”アジア最速の座は? 山内一典氏からは『6』についての発言も……!?

ソニー・コンピュータエンタテインメントは、2012年8月11日、横浜・日産グローバル本社ギャラリーにおいて、プレイステーション3用ソフト『グランツーリスモ5』でアジア最強のドライバーを決める“グランツーリスモ アジアチャンピオンシップ2012”を開催した。山内一典プロデューサーとレーシングドライバーのルーカス・オルドネスによるトークショウなどもあり、大いに盛り上がったイベントの模様をリポートしよう。

●外国勢の実力は? 迎え撃つ日本勢は!?

 ソニー・コンピュータエンタテインメントは、2012年8月11日、横浜・日産グローバル本社ギャラリーにおいて、プレイステーション3用ソフト『グランツーリスモ5』でアジア最強のドライバーを決める“グランツーリスモ アジアチャンピオンシップ2012”を開催した。山内一典プロデューサーとレーシングドライバーのルーカス・オルドネスによるトークショウなどもあり、大いに盛り上がったイベントの模様をリポートしよう。


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▲最高の状態に整えられた8台のマシン。アジアナンバーワンを決めるにふさわしい舞台だ。

▲会場の一角には、『GT5』を遊べるフリープレイコーナーも。

 “グランツーリスモ アジアチャンピオンシップ2012”は、2012年5月2日~6月25日に開催された“GTアカデミー 2012”の成績上位者を集め、アジア最速のドライバーを決めるというイベントだ。“GTアカデミー 2012”は、PS3で無料配信された専用のソフトウェア『GTアカデミー 2012』(すでに配信は終了している)を用いて行われ、公式サイトによると、111万3291人ものプレイヤーが参加したという。
 頂点を決めるべく集まったのは、“GTアカデミー 2012”で上位となった15人のプレイヤーと、マレーシアで開催された“グランツーリスモ5 アジアオンライントーナメント2012 スーパーGTカップ”の優勝者1名、総勢16名の凄腕ドライバーたちだ。国籍も日本から8人、インドネシアから2人、韓国、台湾、香港、タイ、マレーシア、シンガポールから各1人ずつと国際色豊かで、まさにアジアチャンピオンシップの名にふさわしい顔ぶれとなった。


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▲意気込みを語る選手たち。

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 予選に先立って登場した、『グランツーリスモ』シリーズプロデューサーの山内一典氏は、10代の若い選手たちが多いことに触れ、「『GT』ファンは高齢化しているのかな、と思っていたのですが、こんなに若い人たちが遊んでくれているのはうれしいですね」(山内氏)と語り、これから始まるレースへの期待を述べた。


 大会は、まず予選からスタート。予選は、参加者16人を抽選で8人ずつ、ふたつのグループに分けてタイムアタックを行い、上位4名を決勝進出とするというもの。おもなルールは以下の通りだ。

◆フリーランモードを使用
◆ピットから15秒おきにスタートし、8台が同時にタイムアタック
◆アウトラップ(最初の1周は計測しない)を含む4周走行し、3ラップのうちいちばん速いタイムで競う
◆コース:TOKYO ルート246
◆使用マシン:370Z(GT Academy)'08
◆タイヤ:コンフォートソフト

 コースや使用マシンはここで初めて発表されたもの。選手たちは、ぶっつけのわずか4周でタイムを出さなければいけないという厳しい状況の中、さすがの腕前を披露。1周目から2分04秒台、3周目には2分02秒台をたたき出す選手も現れるなど、極めてハイレベルな争いとなった。山内氏も、「皆さん、これ以上うまくなりようがないくらい上手な方たちなので、ちょっとしたスロットコントロールの差でタイム差が出ていますね」と感心しきりの様子だった。


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▲実況は、テレビなどのレース実況でもおなじみの中島秀之氏。中島氏に実況してもらえるだけでも、出場選手たちにとっては大きなご褒美と言えそうだ。

▲山内氏は解説者として参加。コースの特徴や見どころなどを語ってくれた。

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▲繊細なアクセルワーク&ブレーキングのために靴を脱ぐ人、ヘッドホンをして集中する人、なかにはステアリングではなくデュアルショック3で挑む人も。各自が慣れたスタイルでタイムアタックに挑んだ。

 予選の結果は以下の通り。

【グループA】
1位 K.Yamada(日本) 2:02:742
2位 NATHAKUNJORN Sachai(タイ) 2:02:954
3位 S.Yoshida(日本) 2:03:486
4位 T.Kawajiri(日本) 2:03:823
5位 M.Kochibe(日本) 2:03:881
6位 Y.Atsumi(日本) 2:04:265
7位 Chihyuan LI(台湾) 2:06:430
8位 SAFARY Rifky(インドネシア) 2:08:128

【グループB】
1位 ANDIKA RAMA Maulana(インドネシア) 2:02:589
2位 T.Takahashi(日本) 2:02:658
3位 T.Yamanaka(日本) 2:03:492
4位 Singi CHOI(韓国) 2:03:978
5位 TSANG Wing Kit(香港) 2:05:340
6位 M.Seki(日本) 2:05:496
7位 LEONG Daniel(シンガポール) 2:05:890
8位 MOO Shuaan Jinq(マレーシア) 2:06:234


●今後のDLCの予定は? そして『6』は……?

 予選と決勝の合間に、山内氏と、レーシングドライバーのルーカス・オルドネスによるトークショウが行われた。ルーカスは、2008年に『グランツーリスモ』によるレーシングドライバー養成プロジェクト“GTアカデミー”の欧州初代優勝に輝き、以降レーシングドライバーとしてのキャリアを歩み始めた人物だ。その実績は輝かしいもので、デビューイヤーの2009年にはFIA GT4欧州選手権ランキングで2位を獲得。2011年のル・マン24時間レースではLMPクラス2位に輝き、同年、インターナショナル・ル・マンシリーズのLMP2クラス年間チャンピオンの座も手に入れている。

 山内氏は、これだけのドライバーを生み出したGTアカデミーについて、「もともとは、日産ヨーロッパとSCEEが、ちょっとした思いつきで始めたプロジェクトなんです」と語る。そのプロジェクトが大きく発展したのは、「最初のウィナーになったルーカスのキャラクターと才能がすごかったので、その結果、GTアカデミーの歴史がその後も続いて、大きくなっていったんです」(山内氏)と、ルーカスのドライバーとしての才能、人間的な魅力を讃えた。一方ルーカスも、GTアカデミーから始まった自らのキャリアを振り返り、「ドライバーになる夢はありましたが、まさかル・マンに参戦できるなんて思っていませんでした。2位という結果を出せましたし、ものすごく勉強になって、それは日産、プレイステーション、『グランツーリスモ』にとっても偉大な瞬間だったと思います」(ルーカス)と語った。

 なおトークショウの最後には、ファンからの質問に答えるコーナーが設けられた。当然気になるのは、今後の『グランツーリスモ』の展開について。しかし、ここからの山内氏は極めて慎重な姿勢に。今後のDLCについての質問には、「準備はしています」(山内氏)、『6』についての質問には「鋭意制作中です」(山内氏)と、ガードが堅く、新たな情報は語られなかった。これについて山内氏は、「うっかり“いつ発売”とか言ってしまうと、また遅れただのなんだの言われちゃうので……もう言わない(苦笑)」とのことだった。


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▲山内氏とルーカスが参加してのエキシビションレースも行われた。会場で行われた選考会で、規定タイムをクリアーした人の中から抽選で選ばれた出場者といっしょにレースをし、ルーカスは2位、山内氏は5位という結果に。1位の選手には賞品が贈られた。

●決勝ラウンド! 激戦を制したのは……

 そしていよいよ、予選を勝ち抜いた8人による決勝ラウンドが行われた。決勝は全3戦のポイント制で、総合でもっともポイントが高いドライバーが優勝となる。さらに、“リバースグリッド”、つまりその時点でのポイントが低い順に、前のグリッドからスタートするルールとなった。
 レースは、1戦目1位、2戦目2位の山田和輝選手と、1戦目2位、2戦目1位の河尻拓磨選手が、3戦目で激しく優勝を争う展開に。3戦目は、1周目1コーナーで抜け出したインドネシアのラマ選手が独走する展開となったが、最終ラップで山田選手が先頭に立ち、そのままチェッカーを受け、見事総合優勝をもぎ取った。

 劇的な逆転優勝に、山内氏は「こんなレース、なかなか見られないですよ」と興奮気味にコメント。ルーカスも、「パーフェクト。山田選手は力強く、諦めず、最後の最後にチャンスを活かしたのがすばらしかったです」とコメントした。

 優勝した山田和輝選手は、「素直にうれしいですが、勝つことしか考えていなかったので、3戦全部勝てなかったのは残念ですね。みなさんクリーンなドライビングで、僕のドライビングがいちばん荒かったかもしれないので、ちょっと反省しなければいけないかもしれませんが、でも、楽しかったです!」と喜びを語った。

 最後に大会の総評を求められた山内氏は、「僕らはビデオゲームを作る側ですが、ビデオゲームというのは、それを遊んでいらっしゃる皆さんがいて、初めて活き活きとするものです。今回初めてアジア全域からトップドライバーに集まっていただいて、すごいということはわかっていたつもりでしたが、想像をはるかに超える凄いプレイを見せてもらえました。日本はもちろん、アジアの方々のドライビングスキルも高くて、クリーンで、フェアで。ちょっとあり得そうもないレースが見られて、感動しました」と、出場者を讃えた。


 最終結果は以下の通りだ。

1位 山田和輝(日本) 27ポイント
2位 河尻拓磨(日本) 22ポイント
3位 ANDIKA RAMA Maulana(インドネシア) 17ポイント
4位 NATHAKUNJORN Sachai(タイ) 14ポイント
5位 吉田匠吾(日本) 12ポイント
6位 高橋拓也(日本) 11ポイント
7位 山中智瑛(日本) 8ポイント
8位 Singi CHOI(韓国) 3ポイント


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▲優勝した山田選手。

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 以上で大会は終了となった。練習なしのぶっつけ本番にもかかわらず、ハイレベルなドライビングを披露してくれた選手たちの腕前はさすがだった。また、地の利があった日本選手たちに対し、慣れない日本で、観衆を前にしたプレッシャーにさらされながらも、すばらしいテクニックを披露してくれたアジア各国からの出場者たちにも賛辞を送りたい。


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▲大会終了後、『GT』シリーズに楽曲を提供しているアーティストのdaiki kashoが、このイベントのために編成されたバンドを率いて登場し、『5OUL ON D!SPLAY』などおなじみの曲を生披露。最後まで見どころの多いイベントを締めくくった。