全世界を魅了した“ポーランドの誇り” その完全日本語版がXbox 360で遊べる!
スパイク・チュンソフトより、2012年8月23日発売予定のXbox 360用ソフト『ウィッチャー2』。本作を開発したポーランドの開発会社CD Projekt RED S.A.のパヴェウ・パナシューク氏とアガニェシュカ・ショスタック氏が来日し、プレゼンテーションを行ってくれたので、その内容をお伝えしよう。
なお本作のより詳しい内容が知りたい人は、【コチラ】の記事をチェックしてほしい。
マーケティングスペシャリスト:アガニェシュカ・ショスタック氏(写真左)
『ウィッチャー2』は、2011年に海外でPC版が発売され、すでに170万本以上のセールスを記録しているトリプルAタイトルだ。しかし前作『ウィッチャー』が日本語ローカライズされていないため、日本での知名度は高いとは言えず、それは開発したCD Projekt RED S.A.についても同様だ。
ということで、プレゼンテーションは、まず開発会社CD Projekt RED S.A.の紹介から始まった。CD Projekt RED S.A.は、2002年2月、ポーランドのワルシャワに設立された開発会社。ショスタック氏いわく、「トリプルA+級の大人向けストーリードリブンRPGを作ること」を使命とし、「世界でナンバーワンのRPG制作会社になること」を目標とするというだけあって、100名以上の経験豊富なスタッフが世界中から集まった大規模な制作スタジオだ。現在も“ダークファンタジーの世界観を持つトリプルA級RPG”と“CYBERPUNKをベースとしたトリプルA級RPG”を制作中だとのことだが、『ウィッチャー』シリーズに関しては、スタッフ全員で制作を進めたという。つまり『ウィッチャー』は、それだけスゴイ作品だというわけだ。
つぎに前作『ウィッチャー』について。『ウィッチャー』は、アンドレ・サプカウスキー氏のベストセラーファンタジー小説を原作としたダークファンタジーRPGだ。PCとMACで発売されており、世界で210万本以上のセールスを記録。売上だけではなく、メディア、ユーザーからの評価も極めて高く、全世界で100以上もの賞を受賞し、海外のレビューサイト“Metacritic”の平均スコアは現在でも86/100を維持している。
『ウィッチャー2』は、そんな偉大な作品の続編となるわけだが、前述の通り、発売中のPC版はすこぶる好調だ。170万本以上を売り上げ、全世界で60以上の賞を受賞し、Metacriticsの平均スコアは88/100を記録している。おそらくセールスの数字、受賞数ともに今後さらに伸びていくことになるだろう。ちなみにショスタック氏によると、輝かしい結果を残した『ウィッチャー』シリーズは、ポーランド国民にとっても誇りとなっているそうで、アメリカのオバマ大統領がポーランドを訪れた際には、ポーランドからのプレゼントとして、本作のコレクターズエディションが手渡されたそうだ。
さて、2012年8月23日に発売されるXbox 360用ソフト『ウィッチャー2』は、そんな大ヒット作の待望のコンシューマ版となる。パナシューク氏は、Xbox 360版こそが、「いちばん洗練された“決定版”」であり、「Xbox 360史上もっとも美しいゲーム」であると語る。PCからの移植ということで、グラフィック面のクオリティーを心配する人に対しては、「PCとまったく同レベルのグラフィックで、何ひとつカットした要素はありません」(パナシューク氏)と断言してくれた。また、Xbox 360コントローラのために最適化されたターゲットシステムやユーザーインターフェイスにより、快適なプレイが可能になっているという。
また、単なる移植に留まらず、多数の追加要素が盛り込まれているのも、Xbox 360版の魅力だ。多数の新クエストや追加マップ、新たなカットシーンなどにより、ボリュームはさらに増している。さらに、本作には、純粋にバトルのみを楽しめる、ストーリーから独立したアーケードモード的なモード、“アリーナモード”が収録されているが、Xbox 360版ではリーダーボード機能に対応しており、世界のプレイヤーと競いあうことも可能となっている。
さらには、初心者プレイヤーのためのチュートリアルを搭載する一方で、よりハードなプレイを求めるゲーマーのために、より難度の高い“ダークモード”も搭載。ここまでいたれりつくせりであれば、PC版をプレイしたことがある人でも、改めてプレイしたくなるはずだ。
続いて、パナシューク氏が実際にプレイしながら、本作の魅力を説明してくれた。プレイした場面は、主人公のゲラルドが、王を護衛するミッションを遂行する場面だ。パナシューク氏の手慣れた操作に応えて、砦に攻め寄せてきた敵兵たちを、2種類の基本攻撃(クイックアタック、ヘビーアタック)を中心に、ときには多彩な印(魔法のような術)や、トラップなどを駆使して蹴散らしていくゲラルド。うまくカウンターを決めたときなどに発動するトドメ演出も豪快で、バトルはかなり爽快感が高そうだ。このアクション性と戦略性に富んだバトルは、本作の魅力を形成する柱のひとつと言える。
そしてもうひとつの柱が、プレイヤーの選択次第で変化する重厚でドラマチックなストーリーだ。デモプレイの最後に、敵兵たちを追い詰め、敵の軍団長に選択を迫るシーンがあったが、ここでは記者に選択を任せてくれた。「武器を捨てろ」、「皆殺しにする」などの選択肢の中から、記者が選んだのは「1対1で決着をつけよう」。すると軍団長と1対1での戦いとなり、見事勝利を収めると、残りの兵士たちが武器を捨て、戦いはこれにて決着、となった。もちろん、ここで息の根を止めてしまった軍団長が生き残る選択もあり、それによって後々の展開も変化するのだという。
ひと通りプレゼンテーションが終わったところで、海外の良質なRPGが日本語ローカライズされる例は珍しくなくなってきている中で、「『ウィッチャー2』ならではの、『ウィッチャー2』でしか楽しめないこととは?」という質問をぶつけてみた。ここまで紹介してきたように、多くの魅力を持った本作だが、その中からショスタック氏が挙げた答えは、「ストーリー」だ。ショスタック氏は、「キャラクターたちの感情をディープに描いた物語は、確実にユーザーを引き込むものになっています。そして分岐によって大きく変わる物語は、ユーザーに、本当にあの選択でよかったのだろうか、などと“考える”ことを強いるでしょう」と語る。ユーザーの選択は、目先の展開を左右するだけではなく、最終的にまったく異なるエンディングへと導いていくことになるという。1回クリアーするだけでも約45時間ほどかかるという大ボリュームの本作だが、多彩なクエストをこなし、別のエンディングを目指して2周目に挑み……とやり込んでいったなら、かなりたっぷり遊ぶことができそうだ。夏休みの終わり間近に発売される本作だが、本気でハマると、夏休み中にケリをつけるのは難しいかも……?
最後に、ファミ通.com読者へのメッセージを語ってもらった。
【ショスタック氏】
読者の方たちが、ファミ通のレビューを見て、『ウィッチャー2』を買ってくれたらうれしいです。そして楽しんでもらえたなら、それを周囲の人にも広めてもらえるとありがたいです。私たち自身が楽しんで作った作品なので、ユーザーの皆さんにも、楽しさを感じてもらえたら思います。
【パナシューク氏】
プレイされた方から、コメントをもらえるのを楽しみにしています。日本には、とても多くのハードコアなプレイヤーがいることを知っていますので、その方々からの多くの意見をいただいて、次回作などにも役立てたいと思っています。そして、また日本に来られたらな、と思います。
ウィッチャー2
メーカー | スパイク・チュンソフト |
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対応機種 | X360Xbox 360 |
発売日 | 2012年8月23日発売予定 |
価格 | 7770円[税込] |
ジャンル | RPG / ファンタジー |
備考 | 開発:CD Projeckt RED |