プロジェクトに何が起こったのか?
ハイスピードで爽快なバトルがくり広げられる『GOD EATER 2(ゴッドイーター2)(仮題)』。本作のプロデューサーである富澤祐介氏とディレクターの吉村広氏に、その詳細を伺った。
富澤祐介(左)
『GOD EATER(ゴッドイーター)』シリーズをプロデュース。その世界観を広げるため、フィギュアなどのプロデュースも行う。
ディレクター
吉村 広(右)
『GOD EATER(ゴッドイーター)』1作目から制作に関わり、世界設定からゲームの仕様まで、作品全体を手掛ける。
──じつに、約8ヵ月もの長い潜伏期間となりましたが、いったい何が起こったのでしょうか?
富澤祐介氏(以下、富澤) まさに“沈黙”という状態になってしまい、ユーザーさんにはご心配をおかけしました。ユーザーさんとのコミュニケーションがシリーズのモットーだっただけに、お伝えしたくても何も語れない状況は、私たちにとっても苦しいものでした。
吉村広氏(以下、吉村) 『GODEATER(ゴッドイーター)』(以下、『GE』)は、ユーザーさんに支えられて、そしてユーザーさんの期待にお応えするという形で、これまで迷いなく進んできました。今回、『GE2』を作るにあたり、その期待を超えるものにするべく、多くのトライ&エラーが必要でした。そうした中で、これはまだ言えない、という要素が多かったんです。
──とはいえ、ベースとなる仕様はすでにあったのでは?
富澤 ええ。2011年9月にプロジェクトを発表して、仕様の一部を公開しました。そこからどう鍛え上げていくかをチーム内で検討していったのですが、そこには想像以上の期間と労力が必要でした。
吉村 この潜伏期間は壮絶な日々でした(苦笑)。続編ではありますが、新しいものを作る姿勢で臨む必要がありましたし、それでいて前作を遊んでいただいたユーザーさんにも、「これが望んでいた進化の方向だ」と感じていただきたかった。お待たせして申しわけないと思いつつも、“組んでは、壊し”をくり返しました。
──なるほど。そして、ようやく話せる段階になったと?
富澤 はい。このタイミングで、新しいコンセプトとして皆さんの期待に応え、かつ超えられるアイデアが我々の中で固まり、やっとお伝えできる段階になりました。
──今回公開された新生のイメージビジュアルは、その回答を具現化したものなのでしょうか?
富澤 そうですね。前作から変えていいもの、変えてはいけないものが何なのか、自分たちも整理できていないまま走り続けてしまった部分もあります。“期待を超える進化”というのが目標ですが、やはり前作のユーザーさんに受け入れられることを重視すべき、という考えにいたりました。
──さて、新生する本作の開発状況が気になりますが……。
富澤 2012年発売予定とさせていただいておりますが、新コンセプトの実現に向けて、開発自体はもう少しかかります。具体的な時期については、まだお話できません。しかし、秋口に大きなサプライズも用意していますので、本作の動向にぜひご注目ください。
──必殺技“ブラッドアーツ”が導入されるとのことですが、シリーズ初の要素ですよね?
吉村 そうですね。さまざまなアクションを使っているうちに、自然と強力な必殺技へと進化していくシステムです。たとえば、チャージクラッシュを要所要所で当て続けると、チャージクラッシュが必殺技に進化します。さらにその技を使い続けると、またつぎの段階に強化されていきます。
──その進化は、ミッションごとの一時的なものでしょうか?
富澤 いいえ。技として習得していくイメージですね。
──どんなアクションもブラッドアーツに進化するのでしょうか?
富澤 はい。『GE』には、チャージクラッシュやインパルスエッジなど、多彩なアクションが存在していますが、これら以外にもあらゆるアクションがブラッドアーツへと進化します。各武器のアクション自体も、改良や追加が行われる予定ですが、それらももちろん進化しますよ。
──なるほど。そのブラッドアーツは武器に依存するものですか? それとも、キャラクター自身が覚えるものでしょうか?
富澤 キャラクターの能力として、アクションベースで技が増えていく仕掛けになっています。たとえば、バスターブレードのブラッドアーツを習得したら、その技はバスターブレードであれば、どの武器でも使用可能です。
吉村 これまでは武器の強化だけでしたが、本作ではプレイヤー自身が成長していくんです。
──こうした成長要素で気になるのは、たとえばバスターブレードの必殺技を覚えると、ショートブレードの必殺技が使えない、といった制限はあるのでしょうか?
吉村 習得に武器カテゴリー間の制限はありません。ひとつの武器カテゴリー内でも必殺技の進化に分岐が発生したりしますが、技を習得した後にまた分岐まで戻れば、もう一方の技も習得できます。
──ずばり、ブラッドアーツの総数はどのぐらいなのでしょうか?
吉村 100は優に超えます(笑)。
──そんなに! それらすべてを習得できるのでしょうか?
吉村 もちろんできますよ。と言っても、習得自体がすごく難しい技もあるので、“がんばれば”といった感じですね。まずは、自分の思いのままにプレイをして、自然と強化されていくのを体感するのがいいと思います。最終的には、特定の技の習得を狙うような、やり込みプレイも楽しめます。
──ちなみに、ブラッドアーツの習得条件は、あらかじめわかるようになっているのでしょうか?
吉村 つぎに習得できるブラッドアーツの条件のみわかります。習得条件の中には、"クリティカルを連続で出す"というような腕前が影響するものもありますが、基本的にブラッドアーツは何も考えず、勝手に習得していくものです。覚えた技で、自分の個性を再認識することもあるでしょうね。
──そうして習得したブラッドアーツは、すべて自由に使うことができるのでしょうか?
富澤 さすがに、一度に全部の技は使えません。ミッションごとに、使用するブラッドアーツをひとつ選ぶ形になります。習得している技の中から、自分らしく、かつミッションの内容に合ったものをセットするという感じですね。
──なるほど。マルチプレイの場合は、自分の役割も重要ですね。
富澤 そうですね。たとえば、つねに結合崩壊を狙っていると、結合崩壊時のダメージが倍加する技を習得したりします。そうした技を携えて、自分がやりたい動きにどんどん特化していくわけです。習得している技が多ければ、役割の幅も広がるんですよ。
── 武器の選択だけではなく、ブラッドアーツの選択もプレイヤーの個性につながると。
富澤 マルチプレイをしていて、仲間が必殺技を使っているのがわかるというのが大事なんです。『GE』は、みんなが万能なので、能力はイコールでした。それが自由度になっていましたが、個性を発揮しづらい側面もあったんです。自分本位でありながら、他人に自慢できるということを、アクションで実現したかったんです。
吉村 ほかの人のアバターカードを見て、まったく知らないブラッドアーツがセットされていたら興味が湧きますよね。そういった部分でコミュニケーションが生まれたり、自己アピールの手段としても使ってほしいですね。
──マルチプレイでの個性発揮もうれしいですが、ひとりでプレイする場合も、こうした成長要素は単純に楽しいですよね。
吉村 『GE』の基本は、ひとりでも楽しめることです。そのうえで、マルチプレイもできる。たとえひとりで遊んでいても、必殺技を習得して個性的になっていくのはうれしいことですよね。より自分らしいプレイで、よりじっくりとやり込むことができるようなゲームシステムを目指しています。
──しかし、100を超える必殺技が用意されているとなると、プレイの度合いによるプレイヤー間の格差が気になるのですが?
吉村 そこはちゃんと考えています。やり込んでいるプレイヤーにも意味があり、ルーキーのプレイヤーも楽しいという、新しいマルチプレイの形を提案するアイデアを用意しています。詳細は、また後日ということで(笑)。
GOD EATER 2(ゴッドイーター2)(仮題)
メーカー | バンダイナムコゲームス |
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対応機種 | PSPPSP |
発売日 | 2012年発売予定 |
価格 | 価格未定 |
ジャンル | アクション / ハンティング |
備考 | プロデューサー:富澤祐介、ディレクター:吉村広 |