「みんなで作っていく『ドラゴンクエスト』の世界です!」(堀井氏)

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 スクウェア・エニックスの国民的RPG『ドラゴンクエスト』シリーズの最新作、Wii版『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン』が、2012年8月2日に発売を迎えた。前作『DQIX』の発売から約3年、再び据え置き機に帰ってきた『DQX』はシリーズ初のオンライン専用タイトルとして登場。新たな挑戦に満ちた意欲作ということで、ファンの動向に注目が集まったが……蓋を開けてみれば、発売カウントダウンイベントが行われるSHIBUYA TSUTAYAには、早朝から多くの『DQ』ファンが集結していた。先頭に並んでいた男性は、なんと発売前日の午前7時から店頭に待機。『DQX』は8月2日の午前7時から全国一斉販売開始なので、丸1日を同作の購入に捧げたことになるから驚きだ。そんな男性に、『DQ』シリーズの魅力は? と聞いてみると、キャラクターデザインの良さ、感情移入できる物語、遊ぶ人によって感じかたが異なる主人公象などなど……答えはとめどなく出てきた。ちなみにこちらの男性、オンラインRPGはほぼ初心者だという。オンラインRPGである『DQX』に不安はなかったのか? 返ってきた言葉は「『ドラクエ』だから、大丈夫だと思いました」というもの。この圧倒的な信頼感こそ、『DQ』シリーズが国民的RPGと呼ばれることの所以なのだろう。

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 そうこうするうちに、SHIBUYA TSUTAYA店内では着々と発売カウントダウンイベントの準備が進み、午前6時40分ごろより購入者たちの入場がスタート。前作『DQIX』に引き続き、今回も先着99名に通し番号が入ったオリジナルデザインのスライムうちわがプレゼントされた。イベントでは、このうちわを使って発売開始までの99カウントを行うのだ。

 この日は『DQ』シリーズのゲームデザイナーを務める堀井雄二氏と、『DQX』プロデューサーの齊藤陽介氏、そしてテレビCMおよび店頭PVのナレーションを務める声優の福山潤も登場した。「第1作目の発売から26年経ったいまでも、このようなイベントを開いてもらえて、本当にうれしく思っています」と訪れたファンと関係者に感謝の言葉を述べた堀井氏。『DQX』の発売を10数分後に控え、「期待と不安でドキドキです」(堀井)という胸のうちを明かした。齊藤氏は「私も期待と不安がありますが、どちらかというと期待が大きいです」と挨拶。「名前は明かせませんが(笑)、発売されたら皆さんといっしょに遊ぶことになると思います」(齊藤)と来場者に呼びかけた。「単純にユーザーとして楽しみです!」と語った福山。すでにβテストなどで『DQX』を触っているとのことで、「やりたいことがいっぱいある、すべてがオススメの作品です」とコメントした。ここで時間は販売開始まで残すところ数分という状態に。「オンラインだけど、『DQ』らしく簡単に、何も見なくても遊べるように気を使いました」(堀井)、「いままでの感覚でそのまま遊べるのが魅力」(齊藤)と開発陣ふたりは最後のアピールを行い、「みんなで作っていく『ドラゴンクエスト』の世界です!」という堀井氏の言葉とともに、いよいよカウントダウンがスタートした。

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▲カウントダウンイベントに堀井氏(右から2番目)、齊藤氏(右から3番目)、福山潤(いちばん右)が登場。
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▲ちなみに3人の衣装は、夏らしい浴衣。ひらがなで書かれた“どらごんくえすと”という文字、チラッと見えるスライムなど魅力的なデザインだが、残念ながら非売品とのこと……。

 全員が声を揃えて行った99カウント。先頭の男性が“1”と描かれたウチワを掲げたところで、会場にはファンファーレとクラッカーが鳴り響き、ついに待ちに待った『DQX』が販売開始となった。堀井、齊藤の両氏からソフトを手渡された先頭の男性は、うれしそうな表情を浮かべながらも「早く帰って、遊びたいです!」と心はゲームの世界へ。その後登壇者は99名の購入者全員とハイタッチを交わし、発売カウントダウンイベントは終了となった。

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▲先頭に並んでいた男性との記念撮影も。
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▲さまざまな年代のファンたちが、早朝から『DQX』を購入に訪れた。
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▲イベント終了後、囲み取材に応じた堀井氏と齊藤氏。

 イベント終了後に行われた堀井、齊藤両氏への囲み取材では、発売後の展開について気になる情報も語られた。『DQX』はオンラインRPGということで、定期的に追加のクエストなどが配信される。そのタイミングだが、小規模なものは毎週1つのペースで提供。さらに10週間に1回を目安に大型なバージョンアップも予定しているという。後者の内容に関しては、ゲームプレイに新たな楽しみを盛り込むなど、多彩なものが用意されるようだ。

 また、時期は未定だがすでに発売が発表されているWii U版に関する情報も。こちらはグラフィックの向上を除けば、Wii版とゲーム内容に違いはなく、異なるハードどうしでもプレイができるという。また、Wii版でプレイしたデータをそのままWii U版へ引き継ぐことも可能とのこと。

 そのほか、今後のシリーズ展開における、可能性についても言及があった。堀井氏は技術的なことは別としたうえで、理想として、あらゆるハードで『DQ』が遊べるようになればおもしろいと自身の考えを明かす。対応機種についても携帯ゲーム機、据え置き機だけでなく、スマートフォンにも興味がある様子を見せた。とは言え、これはあくまで可能性の話。なにか具体的なコトが動いているわけではないようだ。「さきほど、無事皆様がオンラインの世界に入ったと聞き、ひと安心しました。いままでに経験したことのない人数がこれからネットワークへ入るので、チャレンジになります」という齊藤氏の言葉通り、両氏はもうしばらくのあいだ、『DQX』でユーザーとともに『ドラゴンクエスト』の世界を作ることにかかりきりとなるのだろう。