ニンテンドー3DSの逆ざや状態解消には至らず

 2012年7月25日、任天堂は平成25年(2013年)3月期第1四半期の決算短信を発表した。

 第1四半期(2012年4月~6月)の状況は、ニンテンドー3DSでは、国内においては販売が好調に推移したものの、ハードウェアの販売台数は全世界で186万台に、ソフトウェアの販売本数は全世界で739万本に留まった。

 一方、ニンテンドーDS(DSi LL/DSi/DS Lite/DS)では、ハードウェアの販売台数は全世界で54万台となったが、ソフトウェアについては、ポケットモンスターシリーズの最新作『ポケットモンスターブラック2・ホワイト2』が国内で合計245万本の販売を記録。全世界での販売本数は848万本となった。

 Wiiでは、全世界において、ハードウェアの販売台数は71万台となり、ソフトウェアについては、マリオパーティシリーズの最新作『マリオパーティ9』が好評を博したことなどにより、販売本数は847万本となった。

 これらの状況に加え、前年同期間に比べ、期中における為替相場が円高に推移した影響などにより、売上高は848億円(前年同期比9.7%減。うち、海外売上高517億円、海外売上高比率61.0%)に。販売費及び一般管理費は前年同期間に比べて減少し、またニンテンドー3DSハードウェアの収益性は改善したものの、逆ざや状態(コストが売上を上回る状態)の解消には至らず、営業損失は103億円となった。さらに、為替差損が211億円発生した結果、経常損失は297億円、四半期純損失は172億円となった。

 なお、2012年4月26日に発表した業績予想については、現時点での修正はない。今後、ニンテンドー3DSについては、ニンテンドー3DS LLや『New スーパーマリオブラザーズ 2』、『東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授監修 ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング』などを発売し、市場を活性化させるとともに、パッケージ版とダウンロード版を併売して販売の拡大を目指す。また、年末には日米欧市場を中心にWii Uを投入する予定となっている。