大ボリュームの“正統なる後日談”

『ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ』ストーリーモードの最速プレイリポートをお届け!_01

 週刊ファミ通の『ペルソナ』シリーズ担当編集者、川島ケイジです。今回、アトラスさんから7月26日発売予定の『ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ』(以下、『P4U』)を試遊する機会をいただいたので、喜び勇んでプレイリポートをお届けします。もちろん、ネタバレはないのでご安心を!

 当リポートで注目するのは、家庭用ゲーム機版で楽しめる“ストーリーモード”。『P4U』は、『ペルソナ』シリーズ初の2D格闘ゲームにして、『ペルソナ4』の正統なる後日談を描いた作品です。ディレクターの和田和久氏が広報ブログで語っていた通り、ストーリーモードの総ボリュームは30~40時間ほど。セリフや音声を飛ばし気味にプレイすれば、もっと早く全キャラクターのストーリーをクリアーできるかもしれませんが、自分はじ~っくり楽しみましたよ。まずは、主人公の鳴上悠……よりも先に、個人的にこよなく愛する里中千枝ちゃん(主人公のクラスメイト)のストーリーモードをプレイ!

千枝ちゃんの“その後”が楽しめる幸せ

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 千枝ちゃんのストーリーは、ゲーム内の日付で2012年5月2日の朝から始まります。彼女は昨年、あるキッカケによって、心の力“ペルソナ”を操る能力に目覚め、同じくペルソナ使いである高校生の仲間たちとともに、地方都市“稲羽市”を騒がせた連続殺人事件を解決しました。彼らのリーダーを務めた主人公は、今年の春に転校して稲羽市を離れてしまいましたが、ゴールデンウイークに彼が戻ってくることになり、千枝ちゃんは再会を楽しみにしながら、日課のロードワークに出かけます。

 ストーリーの開始早々、自分が「ウヒョー!」となったのは、『ペルソナ4』で描かれることのなかった彼女の部屋が、本作で初めてお披露目となるシーン。画面のウィンドウを非表示にすれば、お部屋の隅々まで眺められます。それは遊んでみてのお楽しみとして、部屋でいちばん目を引くのは大きなサンドバッグ。いかにもカンフー好きの千枝ちゃんらしいですが、理由はほかにもあります。彼女は、『ペルソナ4』での出来事を経て、弱者を守る“警察官”になりたいと思うに至ったのです。夢に向かって身体を鍛えるべく、日々の修行に余念がありません。あぁ、千枝ちゃんにタイホされたい。

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▲千枝ちゃんの部屋。ちなみに、花村陽介(主人公と同じく、彼女のクラスメイト)の部屋も、彼のストーリーで初めて見ることができますよ。

 警察官になる夢と、もうすぐ主人公に会える喜びを胸に、今日も稲羽市内を走っていた千枝ちゃん。ですが、その途中で彼女は、“マヨナカテレビ”の噂を耳にします。それは、雨の日の午前0時に、消えたテレビ画面を見つめていると、自分以外の人間──運命の相手が映るという都市伝説。じつは、『ペルソナ4』で発生した連続殺人事件と、マヨナカテレビのあいだには密接な関係があったのですが、主人公たちの活躍により、事件は解決となったはず。マヨナカテレビが復活? いったい、なぜ……!?

 翌日、千枝ちゃんは、再会した主人公や仲間たちとともに、テレビの中に広がる異世界へ突入。そこで彼女は、かつて自分が克服したはずの“弱さ”を再び突きつけられ、決心していた夢をも揺るがしかねない試練に直面します。この異世界で、いったい何が待ち受けているのか? 彼女は試練を乗り越えられるのか? 本作初登場となる、生徒会長を自称するキャラクター“ラビリス”の正体は……? 千枝ちゃんのストーリーでは、彼女が“主役”となって、異世界の真相に近づいていくのです。

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▲異世界の中には、主人公たちが通う“八十神高校”と似て非なる光景が。ここで開催される格闘大会に巻き込まれた仲間たちの様子が、何やらおかしい……。
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▲闘いを勝ち抜いた者だけが、異世界の先に進めるルールらしい。ストーリーの要所でくり広げられる、ペルソナ使いどうしの出会いと一騎打ちに、刮目せよ!

『ペルソナ4』と『3』のクロスオーバー

 千枝ちゃん以外のストーリーについても、少し触れておきましょう。主人公や陽介のストーリーは、闘いに勝ち抜きながら真相に迫るという大筋こそ千枝ちゃんと共通ですが、異世界に入るまでのエピソードや、格闘大会で勝負する相手、交わされる言葉、発生するイベントなどが、当然ながら異なります。困難に立ち向かう彼らの思いや、仲間を思いやる絆の強さが、『ペルソナ』シリーズとしては初めてのノベル形式(各キャラクターの主観による叙述形式)で綴られていくのです。各キャラクターに共通のシーンでも、彼らがそれぞれ何を思いながらセリフを口にしていたのかがわかると、そのシーンの味わいも増していきますよ。

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▲キャラクターの思いや状況などはノベル形式で綴られ、セリフはフルボイスで進行。バックログやオートリロード、スキップなどの機能もあります。

 主人公たちの後輩である“探偵王子”こと白鐘直斗にも注目。直斗のストーリーは、『ペルソナ4』のエンディング直後にあたる4月初旬からスタート。公安警察からの依頼で、桐条美鶴──『ペルソナ3』で活躍したペルソナ使いのひとりが率いる世界的企業、“桐条グループ”を探ることになります。美鶴を尾行し、着いた先はなんと、ほかならぬ稲羽市! 直斗のストーリーは、『ペルソナ4』と『3』がクロスオーバーする醍醐味を、序盤から存分に感じられる内容です。美鶴がなぜ稲羽市にやって来たのか? 彼女以外の『3』のペルソナ使いたちは、本作の格闘大会にどう関わるのか? まさしく“正統”に練り込まれたストーリー展開からは、目が離せません。それから、クールな探偵王子が大切な仲間たちに対して見せる、年相応の素顔にも注目ですよ。

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 『P4U』は、『ペルソナ4』の後日談でありつつ、れっきとした『ペルソナ3』の後日談でもあります。期待していた以上のおもしろさ&うれしさの余り、ストーリーモードとギャラリーモードの達成率を100パーセントにするまでコントローラが手放せませんでした。シリーズのファンや、未経験者の方にも、『P4U』はオススメできる良作です。本作を楽しんでいただけたら、『ペルソナ4』や『3』をもう一度、あるいは初めて遊んでみるのも一興ですよ。かく言う自分も、つい先日に1周目をクリアーしたばかりの『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』を、また遊びたくなりましたから!

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ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ
メーカー アトラス
対応機種 X360Xbox 360 / PS3プレイステーション3 / ゲーセンアーケード
発売日 7月26日発売予定
価格 各7329円[税込]
ジャンル アクション / 格闘
備考 アーケード版は稼動中、1プレイ料金100円、プロデューサー:橋野桂、森利道、ディレクター:和田和久、井口屋タクミ、キャラクターデザイナー:副島成記、サウンドコンポーザー:目黒将司