ネクソンの新作オンラインFPS(一人称視点シューティング)『シャドウカンパニー』のテストプレイを行なってきたので、その模様をご報告する。

 長らく『カウンターストライク』系のタイトルが市場の大半を占めてきたが、ゲームオンの『Alliance of Valiant Arms(AVA)』以降、今年で言えばNHN Japanの『スペシャルフォース2』など、『カウンターストライク』世代のグラフィックやゲームプレイから一歩進み、それ以降の潮流、たとえば『コール オブ デューティ』シリーズなどのエッセンスも取り入れようというタイトルが増えてきた。
 アンリアルエンジン3を採用し、数々のユニークなギミックを持つ本作もまた、そんなオンラインFPSの次世代を狙うタイトルのひとつと言えるだろう。

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▲いろいろと独自要素が豊富な本作。「なんで金撒いてんの?」、「なんでヘリにロケットぶっ放してるの?」そんな謎もこの記事で丸わかりなのであーる。

スキルでプレイの幅が広がるのがアツい!

 テストプレイでは、最初にいわゆる“チームデスマッチ”や“爆破モード”をプレイした。それこそ、このモードがないオンラインFPSはないのではないかと思うほどオーソドックスなモードだが、それでも本作のユニークさは十分に体感できた。
 たとえば、スライディング動作。スライディングをしなければ通れないショートカットルートがマップ中に設けられており、ここを巡る攻防がなかなかおもしろかった。
 最初は誰もマップを把握していなかったので、このショートカット用に空いている穴から側面攻撃をしてキルを稼ぎまくり。しかし次はバレて、こちらが迎撃体制に入る前に敵チームのメンバーがスライディングで飛び込んでくる。しかし通常状態ではスライディング中に銃を撃てないので、これも何とか対応。スライディング中にも発砲できるスキル“強行突破”をつけられていたら危なかった……。まぁ3度目は複数の敵に飛び込まれてこちらが終了だったんですがね。グレネードでも投げときゃ良かった。

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▲ちなみに、デストラップを使うと、こちらがダウンしたからといって不用意に進んできた敵を爆発に巻き込めるので、キルデスをイーブンに近付けやすくなる。オススメ……と言いたいところだが、やられた側はめっちゃむかつくので、ブーイングを食らうかもね(笑)。

 スキルは、いわゆるPerksのようなものだ。各兵種のスロットごとに“個人戦術”、“武器運用”、“戦術要請”という3つのカテゴリーにセットする形になっている。
 気になるその中身だが、スプリント(ダッシュ)時のスタミナの消耗量が減少する“マラソナー”や、武器交換が速くなる“スワップ”、爆発武器の威力が上がる“火力向上”といった能力アップ系のほかに、自動機銃を設置する“ターレット”や、空爆支援を受けられる“スペクターガンシップ”などの支援攻撃系、さらに、“強行突破”や、戦死直前の状態で4秒間ハンドガンでの反撃が可能になる“ダイハード”、死亡時に手榴弾を落とす“デストラップ”といった、セットすることで普通では不可能な行動が取れるようになる能力もある。

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▲スキルでタレットを設置。そうそう、本作には練習モードもあって、人形を10体まで設置できる。
▲チョッパーヘリを呼び出すこともできる。マップによって活躍度が変わってくるかも。
▲クラスター爆弾は、爆撃ポイントを指定してから実行するので、効果的に使うには慣れと読みが必要だろう。

 武器はメイン、サブ、近接、投擲、特殊の5種類に所有しているものをセットする。どの武器を選ぶか、どのスキルを選ぶかによって得意とするシチュエーションも変わってくるので(たとえば、室内にいることが多いステージでは航空支援はあまり役に立たない)、装備選択はプレイヤーの腕の見せ所ともなるだろう。武器はゲーム内ポイント“CR”や有料ポイントで購入・レンタルが可能。今回は試せなかったが、メイン画面にはロビーから実行できる“リボルバーガチャ”の記載や、ショップ内に“闇マーケット”の記述もあった。また、武器自体にもカスタマイズ用のオプションパーツがある。

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▲武器選択の幅は広い。メイン武器にパンツァーファウストなんて無茶なこともできる。
▲武器にはオプションパーツを使ったカスタマイズ要素も。
▲スキルは3カテゴリーあり、それぞれひとつずつ設定できた。

 こうしたカスタマイズ要素から予想する人もいるかもしれないが、いわゆるアチーブメント(実績)型の成長要素もある。本作では“X-Files”と呼ばれ、“50キル”とか“ヘッドショット5回”といった数値をクリアーすることで自動的に達成できるものもあれば、ユーザーが選んで挑戦するもの、シナリオベースで出される課題などもある。

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▲実績の例。ゲーム内ポイントのほか、経験値、武器、戦闘技術などが手に入るものもあるらしい。

踏め! 奪え! 走れ! 異色すぎる“ブラックマネーモード”

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▲「いつか奴らの足元にビッグマネー叩きつけてやる……」それは浜省ですね。叩きつけずにとっとと奪って逃げ切りましょう。

 本作の特色はそれだけじゃない。ゲームモードでも、4チーム対戦が可能なモードが複数用意されている。
 プレイしたのは、大金の入ったマネーバッグを奪い合うという“ブラックマネーモード”。バッグを奪って1分間守り切るか、タイムリミット終了時点でバッグを持っているチームの勝利となる。自チーム以外の全員がバッグを取りに来るので、ゲームのペースがかなり早い。バッグを狙うプレイヤーが、さらにやってきたプレイヤーに撃たれたり、ヤケクソで投げたグレネードで死屍累々なことになったりと中々カオス。トドメを刺すための踏みつけ動作なんかもあって、これをやられると実に悔しい(踏まれる前に味方に助けてもらうと復活可能)。

 まぁ1チーム2~3人の少人数構成だったのでそれほど深いことはできなかったのだが、1チーム6人(全体で最大24人プレイが可能)でボイスチャットつきでプレイでもすれば、バッグを持ったプレイヤーをどう守って逃げ切るかとか、あるいは確実にバッグを取るためにあえて他チームに先に襲わせるといった作戦も効いてきそうだ。かなりトリッキーで不確実な要素が多いモードだが、めまぐるしい展開は一度遊んでみるのをオススメしたい。

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▲奪った喜びで「ヒャッハー! これで億万長者だぁ!」と飛び出したところ転落死。自分を叩きつけてどうする、俺。
▲マネーを持っているプレイヤーの位置がほかのプレイヤーに表示されるので、つぎつぎとバッグ狙いの連中が集まってくる。こんな感じに死屍累々なこともしばしば。

 ちなみに、4チーム対戦モードには“バトルスクワッド”という4チ-ム版のチームデスマッチもある。こちらにも踏みつけと復活の概念があるので、踏みつけに来たところを倒してから助けたり、逆に助けに来たところを倒したりといった、普通のオンラインFPSのチームデスマッチにはない作戦が必要になってくるかも。

 まとめると、本作にはいろいろと、ほかのオンラインFPSでは楽しめない独自の要素が揃っている。もちろん「いやいや、自分はシンプルかつオーソドックスな中で勝ちたいんだ」という人もいると思うが、基本無料FPSなわけだし、「へぇー」と思った人はまず触ってみるのをオススメしたい。なお、クローズドβテスターを7月18日正午まで募集中。テストは7月20日午後3時から23日午後3時まで開催予定だ。ファミ通.com枠もあるので、下記のリンクからどしどし応募してほしい。