3rdシーズンのフィナーレに向けてトークも絶好調!

 2012年6月23日、東京・ヤマダ電機 LABI1 池袋モバイルドリーム館にて、2012年6月28日発売予定のプレイステーション3用ソフト『ドットハック セカイの向こうに+Versus Hybrid Pack』先行体験会、および松山洋氏のスペシャルトークショーが開催された。

 『ドットハック セカイの向こうに+Versus Hybrid Pack』は、2012年1月に公開された劇場用映画『ドットハック セカイの向こうに』と、プレイステーション3用対戦アクションゲーム『.hack//Versus』が1枚のBlu-rayディスクに収められた作品だ。プレイステーション・ポータブル用ソフト『.hack//LINK』を皮切りにスタートした『.hack』3rdシーズンの最新エピソードであり、締めくくりともなる作品でもあるだけに、発売を待ち望んでいるファンも多いことだろう。

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▲映画、ゲームともに3D立体視に対応している本作。試遊台も、3Dテレビで体験することができた。
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 トークショーの主役は、映画『ドットハック セカイの向こうに』では監督を務めた、サイバーコネクトツーの代表取締役社長、松山洋氏だ。映画の主人公ソラなど、いわゆるカイトタイプのキャラクターを思わせるお面(?)を付けて登場した松山氏。2012年6月20日で『.hack』シリーズが10周年を迎えることに触れつつ、「ゲームを中心としながら、アニメ、小説、コミック、そして劇場用映画など、新しい挑戦をし続けたシリーズです」と感慨深げに語った後、プロモーション映像とともに、本作の魅力をみずから解説していった。

 まずは映画『ドットハック セカイの向こうに』。ここでは松山氏が、予定されていた進行を無視(!)して、会場に来ていたディレクターの二塚万佳氏をステージに招いたため、ふたりで紹介を進めていくことに。二塚氏は、「映画の製作中も、こんなふうに松山の進行無視がメチャメチャ出ました」(二塚氏)と苦笑しつつ、松山氏からの度を超えたダメ出しの連発により、結果的に極めて高いクオリティーの映像ができあがったことを明かしていた。また松山氏は、本作の舞台となった福岡県柳川市が、ロケハンやプロモーションなどにノリノリで協力してくれたことに触れ、「いまも柳川市のウナギ屋さんには、映画のポスターや私のサインが貼ってあったりしますよ」(松山氏)との情報を語ってくれた。

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▲慌てて準備をする二塚氏。後でこっそり聞いてみたところ、ホントのホントに予定外の招集だったとのこと。

 続いては、ゲーム『.hack//Versus』。本作は従来の『.hack』シリーズとは趣が異なり、対戦アクションゲームとなっているが、それには「いままでの集大成ということで、10年分の人気キャラクターを登場させていますが、キャラクターを表現するためにいちばん理にかなっているのは、プレイアブルで操作できるようにすることかな、と」(松山氏)という理由があったのだという。ただし、対戦アクションとはいえ、突き詰めすぎてプレイヤーを選ぶようなものにすることはせず、「触って気持ちいい、どのボタンを押せば何が起こるかがわかりやすいアクションゲーム」(松山氏)という、サイバーコネクトツーらしさを大事にしたアクションゲームに仕上げたとのことだ。

 ……と説明したところで、今度は『.hack//Versus』のディレクター、中舎健永(なかしゃ けんえい)氏が、またしても松山氏に無理矢理招かれ、ステージに登場。中舎氏の実演プレイとともに、ゲーム内容が解説されていった。
 本作の大きな特徴として紹介されたのが、対戦後にリプレイ映像が架空のネットにアップロードされる仕組みについてだ。アップロードされた映像には、某動画サイトのように、架空のネット住人たちから、「うまい、神!」「そこはもっとつながるのに」などのコメントが付く。プレイそのものはもちろんだが、リプレイをおもしろく鑑賞させる仕組みというのは非常にユニークだ。ちなみにコメントには無数のバリエーションがあり、なかには松山氏が作成したコメントも含まれているのだそうだ。

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▲横浜アリーナで開催される某アイドルプロデュースゲームのイベントに参加するため、博多から飛行機で駆け付けて、そのついでに立ち寄ったという完全プライベート状態の中舎氏。こちらも本当に予定外の出演だったそうだ。
▲動画に付くコメントは、「福岡のスタッフが4年間かけて、1個ずつ足していきました」(松山氏)とのことで、膨大な数が収録されているようだ。

 そして『.hack//Versus』でも、『.hack』シリーズの大きな特徴である、ゲーム世界と対をなす現実世界の仕掛けがきちんと盛り込まれている。『Versus』メイン画面を抜けると、デスクトップ画面に移行。ここで、架空のBBS“YOMOYAMA RECORDS”で、架空のネット住人たちのコメントや“CC社”からのメッセージを読んだり、モデルビューワーでキャララクターモデルを閲覧したりすることができる。

 さらに、『Versus』とデスクトップ画面を行き来しながらゲームを進めていくと、最後に“CC社”から“タナトスレポート”という動画ファイルが届く。これはテレビアニメ1本分に相当するほどのボリュームがあるアニメーションになっているそうで、「劇場版のアメリカ編にあたるものですね」(松山氏)とのこと。映画に登場するデビッドが、なぜ日本にやってきたのかが判明するとともに、「『.hack』シリーズ10年間の、ひとつの区切りになる映像です」(松山氏)だそうなので、『.hack』ファンとしては絶対に見逃せない映像と言えそうだ。

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 その後、来場者からの「初心者、上級者にそれぞれオススメのキャラは?」という質問に、松山氏と中舎氏が答えることに。
 松山氏は、初心者向けキャラクターとしてハセヲを挙げ、「手数が多いですし、最初に作ったキャラですから、いちばんスタンダードなイメージがあります」(松山氏)とのこと。逆にいちばん使いにくいキャラクターにはオーヴァンを挙げ、「使ってみるとわかると思いますが、足おそっ! って(笑)。でも覚醒すると、AIDAの腕が出てきて、そのえげつないこと。そのトリッキーさ、ピーキーさがオーヴァンらしいかな、と思います」(松山氏)と語った。

 中舎氏は、初心者向けとしてカイトを挙げ、「飛び道具も、対空技も、連続攻撃も、基本的に全部揃ってて、じつはほんのちょっぴりだけ……判定が強いです(笑)」(中舎氏)と発言。これには松山氏も、思わず「オマエそういうことをバラすなよ!(笑)」と苦笑いしていたが、それを抜きにしても、カイトは非常にスタンダードな動きをする使いやすいキャラクターに仕上がっているとのことだった。一方、上級者向けのクセの強いキャラクターとして挙げたのが司。中舎氏は、「飛び道具をいたるところにばらまいて、相手の行き場をなくすバトルが続けられれば、ノーダメージで勝てます」(中舎氏)と語り、使いこなすのは難しいものの、うまく使えれば強力であることを教えてくれた。

 最後に松山氏は、「オリジナルのシリーズを10年間も続けてこられたのは、応援してくれたファンの方々の支えがあってことです。3rdシーズンはここでひと区切りではありますが、皆様の応援が続く限り、皆様に望まれるものを、これからも作り続けていきたいと思っています。これからも応援よろしくお願いします」と挨拶し、トークショーを締めくくった。

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▲すでに通販サイトなどでも売り切れが続出し、入手困難となっている本作の限定版が、イベント後に若干数ながら予約できることに。急いで予約をしているファンも。
▲予約してくれた人には、松山氏、二塚氏、中舎氏がその場でサインを入れたポスターが進呈された。
▲本文中でも説明したが、この3人が集まったのは予定外のこと。3人のサインが入ったポスターを入手できた人は、本当にラッキー!
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▲ひとりひとりにポスターを手渡した後、記念撮影に応じる松山氏。