カプコンがPCとスマートフォン用に開発中のブラウザゲーム『鬼武者Soul(ソウル)』。一般参加者を募って6月1日から6月4日まで行われたテストプレイから判明した、本作の見どころ、さらに今後の展開などをリポートする。

城下町に表れるプレイヤーの個性

 本作は、城下町に畑や植林地、飯屋といった建築物を設置して、木材や食糧などの資源を確保し、それを活用してさらに町を繁栄させていく、いわゆる”箱庭”の作成と、キャラクターの育成に主眼が置かれた戦国シミュレーションRPG。今回の”戦国体験 第弐陣”と銘打たれたテストプレイでは、もちろんまだ開発途中の状態ではあるものの、前回のテストから多岐にわたるリファインがなされており、ゲームの魅力となりえる部分には触れることができた。

 ブラウザゲームにおいては、“箱庭+キャラ育成”タイプのシミュレーションゲームは数多く存在する。本作も同様の要素が軸として据えられており、ゲームシステムの大枠は王道に添ったものと言ってもいい。ただ、ほかと決定的に違うのは、町づくりの自由度の高さ。プレイヤーにはまっさらな土地が与えられ、初期から配置されている建築物はひとつもない。お城だろうが畑だろうが、何をどこに配置するかは完全にプレイヤーの自由だ。お堀や木といった、資源調達には直接関係ない観賞用の建築物も用意されており、一度設置した建築物の移動もペナルティーなしで行える。まさに、いちから自分の思い描く通りの城下町を構築することができるのだ。現状では、移動の際に煩わしさを感じてしまう部分もあるが、これは今後解消される項目のひとつとして挙げられている。容易には入手できない、各都道府県の名所や史跡を模した限定の建築物もあるため、町づくりの楽しさは半永久的に続くものになるはずだ。

 また、フレンド登録を行えば、ほかのプレイヤーの城下町を見ることもできる。逆を言えば、自分の城下町をほかのプレイヤーに披露できるということ。これも町づくりの楽しさに拍車をかけている。もちろん、資源の生産効率が上がる配置のルールは織り込まれており、土地も有限のため、自国の強化を考えて実利を追求する町づくりもできる。見た目にも機能的にも、こだわりを持って町づくりを進められるのは、本作の魅力のひとつと言えるだろう。なお、城下町の本質的な役割は、次項で触れる“兵法書”の生産に集約される。

ガンガン育て俺の街!――戦国シミュレーションRPG『鬼武者 Soul(ソウル)』プレイリポート_01
ガンガン育て俺の街!――戦国シミュレーションRPG『鬼武者 Soul(ソウル)』プレイリポート_04
▲まず城を設置し、その周辺に各種の建築物を置いていくのがセオリーか。隙間なく敷き詰めて効率を上げるか、お堀などで城を囲って風光明媚な城下町に仕上げるか、その両立を狙うのか。腕の見せ所と言えるだろう。緻密なグラフィックにも注目。

町づくりと武将育成で部隊を強化

 ほかのプレイヤーと戦う“合戦”や内政の充実に必要となる武将のコレクションと育成、および部隊の強化は本作のもうひとつの魅力と言える。各武将には攻撃、防御、知略の3つのパラメーターとスキルが設定されており、それぞれ5人ひと組で構成される攻撃部隊、防御部隊、内政部隊に割り振れば、部隊編成は完了。つぎに城下町で生産される“兵法書”を攻撃部隊と防御部隊にセットすれば、合戦やクエスト進行に挑む準備は万全となる。

 兵法書には、攻撃アップ、防御アップといった能力が設定されており、戦闘時に自動的に発動して部隊の能力を底上げしてくれる。兵法書の生産効率や高性能なレア物の生産確率を高めるためには、町づくりを進め、レベルやグレードの高い専用の建築物を設置しなければならい。つまり、城下町の充実が部隊強化に直結しているため、よりいっそう町づくりにも力が入るという図式だ。

 武将にはレベルとグレードがある。レベルはほかの武将を合成して経験値を得ることで上昇し、同時にパラメーターも増加する。グレードはレベルが上限に達したあと、同じ武将を合成することで上昇し、再びレベルアップが可能となる。また、グレードの上昇とともにスキルが開放されるため、合戦や内政でのさらなる活躍が見込めるというわけだ。

 新たな武将は、ストーリー仕立てのクエストを進めるなどすれば入手できる。当然ながら入手難度には差があるため、同一の武将が必須となるグレードの上昇や、合成に失敗してしまうケースを考えると、武将によって育成スピードに大きな差が出てくることは容易に想定できる。たとえ表に出ている初期能力が低い武将でも、実装予定のパラメーターアップアイテムや、入手難度の低さによる育成スピードを活かせば、一定以上の活躍は期待できそう。プロデューサーの杉浦一徳氏は過去のインタビューにおいて「好きな武将を育てられるようにします」と思惑を語ったが、それは実現されることになりそうだ。

ガンガン育て俺の街!――戦国シミュレーションRPG『鬼武者 Soul(ソウル)』プレイリポート_02
ガンガン育て俺の街!――戦国シミュレーションRPG『鬼武者 Soul(ソウル)』プレイリポート_03
ガンガン育て俺の街!――戦国シミュレーションRPG『鬼武者 Soul(ソウル)』プレイリポート_05
ガンガン育て俺の街!――戦国シミュレーションRPG『鬼武者 Soul(ソウル)』プレイリポート_06
▲同じ武将でも初期スキルが違う場合もあるという。パラメーター、絵柄、スキル、どれを基準に武将を選んでも、育てる楽しみ、合戦で勝つ楽しみは見出せるはず。

“戦国体験 第参陣”は7月13日スタート

 当初は6月中のサービス開始がアナウンスされていた本作だが、ネットワーク部分の負荷対策をおもな理由に、10月19日開始予定にサービススケジュールが変更された。それと同時にコンテンツの充実やさまざまなリファインも進めていくとのこと。魅力的な部分は多いものの、合戦のシステム、資産運用のバランス、プレイアビリティなど、ところどころ不安が感じられる面もあったことは確かだけに、その解消を期待したい。

 なお、その内容は公式メンバーサイトの“コンテンツ開発スケジュール改訂版”と“ご意見ご要望フィードバックシート改訂版”で確認できる。ここでは詳細は割愛するが、ブラウザゲームでこういった対応をするケースは非常に珍しい。カプコンの本作にかける意気込みの表れと言ってもいいだろう。

 今回のテストを受けてリファインされたバージョンによる“戦国体験 第参陣”が7月13日から開始される。詳細は公式メンバーサイトに記載されているので、ぜひチェックしてほしい。