押井監督は『重鉄騎』映画化にかなり前向き! ステージでカプコンに呼びかける【Xbox 360 感謝祭その2】

日本マイクロソフトは2012年6月17日、東京の秋葉原にあるイベント施設ベルサール秋葉原で“Xbox360 感謝祭 IN AKIBA”を開催した。カプコンから2012年6月21日に発売が予定されているKinect(キネクト)専用タイトル『重鉄騎』のステージには、押井守監督も登場した。

●「『重鉄騎』は絶対に映画になると思った」(押井守監督)

 日本マイクロソフトは2012年6月17日、東京の秋葉原にあるイベント施設ベルサール秋葉原で“Xbox360 感謝祭 IN AKIBA”を開催した。発売直後、直前のXbox 360タイトルが中心にプレイアブル出展された本イベントでは、著名クリエイターを招いてのステージも複数実施。カプコンから2012年6月21日に発売が予定されているKinect(キネクト)専用タイトル『重鉄騎』のステージには、押井守監督も登場した。


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▲左から片岡氏、北林氏、安藤氏。

 この日の『重鉄騎』ステージは2部構成となっており、前半では同作のプロデューサーを務める北林達也氏と片岡謙治氏、ディレクターの安藤行男が登場。初公開となるステージのデモをお披露目した。デモプレイの舞台は石油プラント。主人公ら一隊は、ここへ燃料補給のために立ち寄るのだが、敵軍の最終兵器“重鉄騎”に待ち伏せされ、交戦状態となってしまう。重鉄騎は、主人公らが駆る通常の鉄騎を遥かに上回る火力を有しており、正面からぶつかってもまず勝ち目はない。事実、デモプレイを行った安藤ディレクターは正面からぶつかった結果、数分と持たずに砲撃でやられてしまう。気を取り直して行った2度目の挑戦では、プラント内に点在する燃料タンクの爆破に巻き込んで動きを止める、というテクニックを駆使して善戦。しかし、無駄弾を撃ちすぎたのか、砲撃が底をついてしまいまたしても戦死してしまう。重鉄騎の強さと恐ろしさが伝わるステージとなった。


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▲重鉄騎の圧倒的な攻撃力の前に、2度戦死してしまった安藤ディレクター。

 そのほか、ゲームの発売日から配信となるダウンロードコンテンツの情報も公開に。用意されるのは、以前キャンペーンでデザイン募集も行った、鉄騎の機体に貼るエンブレム。キャンペーンで応募された中から選んだ10作品を含む、計30種類が配信されるとのこと。また、後述する押井守監督とのコラボレーショントレーラーをモチーフにしたオリジナルエンブレム“黒衣の未亡人”もこの中に含まれている。


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▲カッコイイものからカワイイものまで、多彩なエンブレムを用意。

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▲こちらが押井監督のトレーラーを題材にしたオリジナルエンブレム“黒衣の未亡人”。

 ステージ後半ではいよいよ押井守監督が登場。ご存知の方も多いと思うが、押井監督は『重鉄騎』のコラボレーショントレーラーを手掛けており、その関連で今回のステージ出演が実現することとなった。コラボレーショントレーラーは2012年6月18日よりXbox LIVE マーケットプレイスなどで世界同時公開予定だが、この日は特別に会場スクリーンで先行公開されることに。片岡氏が「ふつうゲームのトレーラーはGCがメインになりますが、『重鉄騎』はリアリティーを追求した作品なので、こういった形になりました」と語るコラボレーショントレーラーは、実写とCGが入り交じる押井監督らしい映像表現に加え、コックピット内の描写がメインという『重鉄騎』ならではのリアリティーを描いた内容となっていた。


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▲トレーラーの主人公は、ポーランドから亡命してきた女性兵士。彼女が上官に立て突いたことで、最前線へ飛ばされてしまった隊員たちの姿を描く。コクピットの撮影では、軍から払い下げられたT55という戦車を実際に使用している。ちなみに、押井監督の作品には欠かせない犬も一瞬だけ登場。

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▲『重鉄騎』の世界について、「自分が考えているものに近い」と語った押井監督。

 押井監督によれば、今回のトレーラーはポーランドまで足を運び、そこで本物の戦車を調達して撮影に臨んだという。そこまでこだわった理由は、『重鉄騎』を一種の戦車作品として捉え、戦車のリアリティーを映像に落とし込みたいという押井氏の考えがあったからだ。「戦車の特徴は、とにかく狭いこと。だけど、アニメやCGで戦車を描くと都合のいい絵になってしまう。いかに息苦しくて怖いか、といった不安を表現するのには、実際の戦車を使うのがいちばんいいだろうと思ったんです」(押井)。この話を聞いて片岡氏は、『重鉄騎』のイメージイラスト(鉄騎のコクピットで兵士がシャレコウベを抱えている絵)が、鉄騎が一種の棺桶であることを表現したものであると補足。押井氏も戦車は棺桶のようなものだと語り「そもそも戦車は人間が乗るようにできていない。さまざまな機械の隙間に人間がいる感じです」と続ける。また戦車に乗るうえでいちばん怖いのは外界と遮断であると語り、「戦車で戦うというのは、自分の中の恐怖心と戦うことがメインだと思う」と持論を展開した。


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▲映画化にかなり前向きな押井監督。「これだけ言ってるんだから、撮らせてよ!(笑)」と両プロデューサーに訴えかけるひと幕も。

 押井監督は『重鉄騎』の世界観にも言及し「僕が考えていることに近いものがある」とコメント。一方で「アメリカが主役になるところだけが気に食わない(笑)」と語り、加えて「戦車はヨーロッパがいちばん絵になる」という理由もあって、トレーラーの撮影はポーランドを舞台にしたことを明かした。さらに、「僕は仕事をするときは、必ず“映画にならないかな”と考えてやっている。今回の『重鉄騎』は絶対に映画になると思った」と、『重鉄騎』の映画化に向けて前向きなことを示す発言も。実際押井監督はかなりノリ気のようで、最後の挨拶でも「ゲームがいっぱい売れれば、カプコンさんも映画にしてくれるんじゃないかな? だから皆さん買ってください」と会場に呼び掛け、「どうやって撮るかはもうさんざん考えていて、お話もできている。戦車を撮らせたら僕以上にうまい監督はいないと思うので、僕にやらせてください。もしソフトが売れなかったとしても、僕が映画で取り返します(笑)。どちらにしても映画を撮れば話が早いから、ぜひ撮らせてください」とプロデューサー陣にも訴えかけていた。