裕太の思い出に残る女性の面影
アークシステムワークスから2012年6月28日に発売予定のニンテンドー3DS用アドベンチャーゲーム『探偵 神宮寺三郎 復讐の輪舞』。同作の公式サイトで現在連載中のオリジナルWeb小説の最新話である第8話“嵐の前に…”が、本日(2012年6月12日)公開された。
今回の“嵐の前に…”では、7話に引き続き、本作に登場する新キャラクター、“君島裕太”の視点で、事件が起きる前の穏やかな日常のひと時が描かれる。
■小説の一部を先行公開!
【~エピソード08 嵐の前に…~】
オレの手帳から落ちた一枚の古い写真。
「写っているのは弘樹さんと子供の頃の裕太か。この女性は……?」
写真を拾った神宮寺さんが、オレに問いかける。
「あ、えーと……」
受け取った写真を手帳に戻しながら、どう答えたものかと返答に迷った。
写真の女性について、隠すほどのことでもないが説明するのはやや面倒臭い。
「親父の知り合いの人です。一時、ウチの工場にいたことがあって……」
「そうか」
そう口にしながら、当時のことが胸を過ぎる。
写真の女性の名は早苗さん。
一緒に写っている子供は比奈。
彼女たちと過ごした日々は……温かな思い出として、オレの中に残っている。