Wii Uのホラーゲーム『ZombiU』
2012年6月5日~7日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスにて開催された世界最大のゲーム見本市E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)2012。ユービーアイソフトブースで、『ZombiU』のクリエイターに話を聞いた。
任天堂の新ハードWii U向けに開発中のFPS(一人称視点シューティング)、『ZombiU』。イギリスのロンドンを舞台とした本格派ゾンビホラーゲームだ。ユービーアイソフトのカンファレンスで公開されたトレーラーが話題となり、E3会場に設置された試遊台には多くの人だかりができていた。好スタートを切った本作のプロデューサーに直撃。
GUILLAUME BRUNIER氏
――ユービーアイソフトのカンファレンスで披露されたトレーラーが好評のようですね。
GUILLAUME 皆さんからの反応が想像以上によくて、「こんなに褒めてくれていいの!?」と驚いています!
――具体的にはどんな声がありましたか?
GUILLAUME ゲームファン曰く「バイオレンス表現がおもしろい」、「久しぶりに感情を揺り動かされた!」、「ゾンビたちにイギリスを救ってほしい」などなど。ユービーアイソフトのブースで『ZombiU』を出展していますが、トレイラーを流すとお客さんが真剣な顔になるので、おもしろいですよ(笑)。
――トレーラーで使われているBGMはなんですか?
GUILLAUME イギリスの国歌のアレンジバージョンです。国歌と歌詞は同じで、楽曲のバージョンを変えています。
――本作はロンドンを舞台としたゲームなのですね。
GUILLAUME そう! ロンドンをあちこち探索することになります。おもに地下のステージが多いですが、医療キットを探すときは地上に出たりします。そのほかにはバッキンガム宮殿やテムズ川やロンドン塔、ブルックリン通りなどのランドマークも出てきますね。
――実際に遊んでみると、『ZombiU』はリアル志向のホラーゲームですよね。
GUILLAUME ゲームとしては、シリアスでリアルなものを作りたいと思っていました。E3会場で最後までゲームオーバーにならずに生き残った人は、プレイヤーの10%程度でしたよ。
――Wii Uのゲームパッドの使いかたにはどんなものがありますか?
GUILLAUME もっとも重要なのはスキャンの役割です。スキャンをするとゲームパッドの画面がプレイヤーキャラクターの視点に切り替わり、アイテムやキーポイントなどを調べることができます。基本的にはスキャンを使わないと先には進めないようになっています。ふたつめはクロスボウですね。これを使うと、ゲームパッドに照準のマイクロスコープが出るので、狙いやすくなります。我々開発者にとって大事なポイントは、プレイヤーの視線をメインスクリーンから離させることです。プレイヤーが手元のゲームパッドを見ているときに仕掛けをして、メインスクリーンに視線を戻したときにビックリさせたりできますから。
――ステージの途中で、ゲームパッドの機能が使えなくなるのが怖かったです。
GUILLAUME ゲームパッドはサバイバルキットなので、それなしでは冒険を進められないものです。プレイヤーがゲームパッドの扱いに慣れてきて、使い心地がよくなってきたなと思うころに、機能の一部を制限すると心細くなるというわけです。
――Wii Uは新ハードなので、難しいチャレンジはありましたか?
GUILLAUME 最初にハードを受け取ったときは、ふたつのスクリーンをどうやって使うか迷いました。だんだん慣れていくうちにいろいろなアイデアが湧いてきてすごく楽しかったです。本作をプレイしてもらえれば、Wii Uと言うハードがどんなものか、理解できると思いますよ。
――シングルもいいですが、マルチプレイヤーもおもしろいですよね。
GUILLAUME 対戦プレイでは、メインスクリーンを使うプレイヤーはFPSで、ゲームパッドを使うプレイヤーは、ゾンビを配置して対戦相手を襲わせるシミュレーションゲームのようなゲームが楽しめます。対戦していても、遊んでいるゲームのタイプが違うので、ラウンドごとにチェンジするのがおもしろいですよ。
――最後にメッセージをお願いします。
GUILLAUME 今回、『ZombiU』の実機を皆さんにお見せすることができてうれしいです。
開発チームのスタッフたちは、任天堂を始めとする日本のゲームが大好きなので、ぜひ日本のみなさんにも楽しんでほしいですね。絶対怖がらせますよ!