『デッド オア アライブ 5』早矢仕プロデューサー&新堀ディレクターインタビュー【E3 2012】

2012年6月5日~7日(現地時間)の期間、アメリカ・ロサンゼルスで開催された世界最大級のゲーム見本市、E3 2012。コーエーテクモゲームスのブースにてプレイアブル出展されている『デッド オア アライブ 5』のプロデューサーである早矢仕氏とディレクターの新堀氏にお話をうかがった。

●“格闘エンターテインメント”とは?

 2012年6月5日~7日(現地時間)の期間、アメリカ・ロサンゼルスで開催された世界最大級のゲーム見本市、E3 2012。コーエーテクモゲームスのブースにてプレイアブル出展されている『デッド オア アライブ 5』のプロデューサーである早矢仕氏とディレクターの新堀氏に話を聞いた。


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プロデューサー
早矢仕洋介氏(左)

ディレクター
新堀洋平氏(右)

 打撃、投げ、つかみという“3すくみ”の関係や、ステージのギミックが大きな特徴の人気3D対戦格闘ゲーム『デッド オア アライブ』。ナンバリングタイトルとしてはじつに約6年ぶりとなる最新作『デッド オア アライブ 5』(以下、『DOA5』)が、2012年9月27日に発売決定。本作は、進化したステージ演出の“ダイナミックアトラクション”や、セガの『バーチャファイター』とのコラボレーションなど、大きな話題を集めている。ここでは、本作のプロデューサーの早矢仕洋介氏とディレクターの新堀洋平氏に本作に懸ける想いと、海外での反応などについてうかがった。


――『DOA5』のコンセプトについてお話いただけますか?
早矢仕洋介氏(以下、早矢仕) 『DOA5』のコンセプトは、僕らは“格闘エンターテインメント”と呼んでいます。ここで誤解してほしくないのは、格闘ゲームをエンターテインメント化しようということではなく、コアな格闘ゲームとして成立させつつ、もっとエンターテインメントの方向に広げてみようというアプローチで作っています。
新堀洋平氏(以下、新堀) 『DOA』シリーズは、海外で大会が行われているぐらい本格的な格闘ゲームではあるんですけど、単なるストイックな格闘ゲームでもありません。

――魅力的な女性キャラクターの登場や、ステージのギミックですね。
早矢仕 はい。いままで『DOA』シリーズには、ステージが落下してダメージを受けるといった要素があったんですけど、今回は“ダイナミックアトラクション”と名づけて進化させています。あと、すでに発表していますけど、今回はセガさんの『バーチャファイター』(以下、『VF』)とごいっしょしていまして、アキラとサラが『DOA5』に参戦します。

――これらがエンターテイメントとしての進化点であると。
早矢仕 ダイナミックアトラクションは、ステージ内のピエロのオブジェに飲み込まれたり、ヘリコプターを墜落させたりとか、見た目はかなりはっちゃけています。これをうまく利用してファイティングゲームしてもらおうというのが、格闘エンターテインメントなんです。人どうしの闘いって、エンターテインメント性と真剣勝負のバランスだと思うんですよ。コア化が進むと、対戦を観ている人たちがうまいプレイがどんなものかもわからなくなってくる。格闘ゲームがストイックで地味な存在になってはいけないと思っていて、もっとエンターテインメント性を高めていこうよという提案が『DOA5』なんです。

――いわゆる“魅せプレイ”ではありませんが、観ている側が楽しめることも重要ですよね。
早矢仕 E3の会場で、新堀と世界一のプレイヤーが対戦していたんですけど、最後にパワーブロー(※)を決めてきたんですよ。パワーブローって、そうそう狙って当てられないんです。熟練したプレイヤーどうしだととくに。本人は相当悔しかったと思いますよ。作った本人なんですから(笑)。

※パワーブロー……『DOA5』からの新要素で、必殺技のようなもの。狙った方向に相手を吹き飛ばし、この技がトリガーとなってダイナミックアトラクションが発生することもある。

新堀 私は開発者ではあるんですけど、プレイヤーとしてもちゃんとした格闘ゲーマーを自負しているんですよ。でも、世界一にはまったく歯が立たない(笑)。逆に言えば、“競技”としてしっかり作れているということなので、安心しましたけど。
早矢仕 パワーブローは、どちらかというとカジュアルなプレイヤーが一発逆転のような要素として使ってほしいという発想で作っていたんですけど、コアなプレイヤーにも使いどころがあるようにとチームで議論して形にしていきました。でも、まさかディレクターが世界一のプレイヤーに決められるとは(笑)。
新堀 悔しいけど、成功です(笑)。パワーブローを決められたときは逃げ出したかったですよ(笑)。
早矢仕 あと弱パンチ1発で勝てるというシーンでもパワーブローで勝つみたいなところは、エンターテインメントとして必要なんです。それを世界一のプレイヤーが実践してくれていて、うれしかったですね。

――話を『VF』とのコラボに移しますが、参戦キャラクターはアキラとサラのみでしょうか?
早矢仕 それは内緒ということで(笑)。今回のコラボレーションですごく気をつけているのは、それぞれ歴史のあるタイトルであるということですね。単純に名前だけを借りてきて入れ込むのではなく、『VF』を遊んでいる人が納得する『VF』キャラクターの出かたというか。我々も、『DOA』の中に『VF』が入ってきて違和感のない形を目指しています。『VF』の最新作をやり込んでいる方は、パッと触ったときにほとんどの技が使えるようになっているはずです。もちろん、『DOA』独自の要素もあるので新しい部分もありますけど。言ってみれば、違うゲームがドーンと入っちゃったような、不思議なコラボレーションになっていますね。

――ということは、『VF』ひと筋のプレイヤーでもすんなり遊べてしまう?
新堀 基本的な動きはすぐにできると思います。セガの方にも『VF』のキャラクターはちゃんと見てもらっていて、「『DOA』の中に入るとこうなりますが、どうですか?」と。すると、「『DOA』だとこうだよね」みたいなオッケーをいただいて。感動ですよ。
早矢仕 もしかしたら、『VF』のプレイヤーの方が『DOA5』をプレイしたら、いきなり強いかもしれない(笑)。
新堀 そうなんですよ! 『VF』勢に押されないようにしないと……。大会で全員アキラ使いみたいな(笑)
早矢仕 僕たちにとっては、『VF』があったから『DOA』が存在できたというのもあります。僕たちが子どもだとしたら、『VF』は親なんですよ。そもそもDNAが近くて。こんなに違和感なくコラボレーションできたのは、ゲーム史上ないだろうと(笑)。
新堀 一体感みたいなものを感じますね。3D格闘として一番シンプルな進化を遂げたきたのが『VF』だと思うんです。
早矢仕 『VF』という親の背中を見て僕らも育ってますからね。なんかオレ、親父にここは似てるけど、ここは違うな、みたいな、そんな感じです(笑)。

――『DOA』の海外での反応はいかがでしょうか?
新堀 ブースを眺めていると、絶えず遊んでもらえていますね。よく遊びかたが分かってない方でも、楽しんでくれているようです。歓声もすごい(笑)。格闘エンターテインメントを目指して作ってきて、まずはアメリカで結果が見られてよかったです。ここからさらに磨きをかけたいですね。
早矢仕 海外の方って、はっきり感情を出してくれるから、応援してもらっている感じがすごくしますね。海外はいまとても勢いがあるので、日本のデベロッパーとして存在感を示したいです。ファイティングゲームは日本のお家芸ですからね。女性キャラクターが戦ったりするのは、“日本のゲームらしさ”だと思うんです。だからこそ、それを前面に押し出したいです。

――最後に、本作に期待するファンにメッセージを。
早矢仕 今回のE3でのフィードバックを受けて、これから最終調整を行います。いろいろな人が楽しめるエンターテインメントをゲームにたくさん仕込んでいるので、期待していてほしいです。遊ぶ動機は何でもいいと思うんですよ。キャラクターがかわいいとか、衣装を着せてみたいとか、ステージを壊してみたいとか、オンラインで戦ってみたいとか。とにかく、この格闘エンターテインメントの世界に飛び込んでみてほしいなと思います
新堀 『DOA5』は、コアな格闘ゲーマーから初めて触る人まで楽しめるようなゲームを目指しています。これからラストスパートでがんばりますので、待っていてほしいと思います。


●取材終了後に、早矢仕氏からとっておきの情報が!!

 今回のE3版『DOA5』にこっそり入れ込んでおいたものの、誰も気づかなかった隠し要素があることが判明。それは、勝利演出時に“あるコマンド”を入力すると、カメラを自由に動かせるようになるというもの。実際に取材現場で見せてもらったのだが、カメラの寄り、引き、そして回り込みまで自由自在! 思わずスクリーンショットに撮って持ち帰りたくなったほどだ。などと興奮していたら、なんとこの要素、敗北演出の際もできるとのこと。地面にひれ伏して、どこかセクシーなポーズをしている女性キャラクターにいろいろな衣装を着せて眺めることも……。わざと負けるプレイヤーが続出!? ちなみに、この仕様は製品版にも残されるとのこと。(※コマンドの内容やコマンド自体が必要になるかは現時点では不明)