マルチプレイが楽しすぎるぜー
米時間の2012年6月7日に閉幕したE3 2012。会期中にご紹介しきれなかった各社タイトルの最新情報を引き続きお伝えする。
エレクトロニック・アーツの『ニード・フォー・スピード モスト・ウォンテッド』は、2005年に発売されたタイトルから一新し、Criterion Gamesが開発を手掛けているレースゲーム。Criterionって言ったらアレですよ、史上最高ゴキゲンオープンワールドレーシングの『バーンアウト パラダイス』を手掛けた、「リアルなんか犬にでも食わせとけ!」とばかりに、とにかく派手でオモロなレースに命を賭けるデベロッパー。
そんなワケで本作も、銭形のとっつぁんバリに「逮捕だー!」とやってくるポリスの皆さんとチェイスしつつ、ブーストカマしてジャンプ台からカッ飛んでビルボードをブチ破ったり、ライバルカーに幅寄せして壁面にブチ当てて「グワッシャァァ」と潰れていく様をスローで眺めたりする、難しいことゼロの「うひょー気持ちいいゼェ!」なオープンワールドレーシングになっているのである。しかも今度は実車! ランボルギーニとか、年収何年分か考えたくないクルマでスピードの彼方に行っちまえ!
E3ではシングルプレイの試遊台を用意していたほか、クローズドのスペースではマルチプレイも体験できた。マルチプレイにはロビーがなく、みんなでダベれるフリーロームからレースに突入していくという方式。しかもレースの“プレイリスト”機能があって、まずはレース、お次にロングジャンプ競争、シメに「誰が一番はえーか競おうぜ!」とスピードカメラに向かってブリバリ走る……といった具合に、複数の種目を連続して遊ぶことができる。
これが実にテキトーな感じでたまらん! レースはともかく、スピードカメラ競争なんて場所が指定されて「よーしお前ら走れー」ってな具合で、誰も順番に御行儀よく走ったりなんてしない。全員好き勝手なタイミングと場所からトライするもんで、折角距離を取ってから走ってきたヤツがスピードカメラ直前で大クラッシュに巻き込まれていたりして、もう最高。オトナの皆さんにはビアー片手に、かつ心は限りなく中学生男子に近づけて遊んでもらいたい次第。
走りのソーシャル性は本作で注力されている部分のひとつで、前作から登場したAutologもバージョンアップし、各地のレースやチャレンジで誰がどんな成績を出しているのか一目瞭然。当然手前の成績を抜いているヤローがいたら抜き返してやるのだ!
インタビューもしてきたでよ
そんなワケで、非常にいい具合なパーティーレーシングになっている本作。Criterion Gamesで本作のエグゼクティブ・プロデューサーを務めるマット・ウェブスター氏にインタビューも行った。
――Criterionと言えば『バーンアウト』という最高なレースゲームで有名ですが、『ニード・フォー・スピード』を手掛けることになっていかがですか。
マット 非常に光栄だ。『ニード・フォー・スピード』は歴史あるIPで、実際に僕らも好きで、開発の人間もよく遊んでいたからね。そのゲームを自分たちが開発できるチャンスをもらったのは光栄だし、エキサイティングな経験ができているよ。『バーンアウト』の開発で得た経験をいかに『ニード・フォー・スピード』シリーズに付加できるか、楽しみながらチャレンジしている。
――ランボルギーニやポルシェが出てきてぐちゃぐちゃになるのでビックリしたのですが、クルマはどれぐらい出てくるのですか?
マット 非常に幅広いクルマを用意していることを約束しよう。E3デモではポルシェ911の2012年度版やM3を選んだのだが、実際のゲームにはスーパーカーだけじゃなくて、フォードF150みたいなピックアップトラックや、もっと軽めのクルマもある。日本ということだとスバルのインプレッサなども出てくる。詳細な数字はまだ明かせないが、50種類はあると思っていてくれ。
――クルマのメーカーから密接な協力を得られていますか?
マット イエス。僕らは楽しいレーシングゲームを作りたいが、ひとつひとつのクルマは実際のクルマに近づけたいんだ。エアロダイナミクスを活かすためにウィングが動くクルマなら、そのデータを提供してもらってゲームに落とし込んだりしている。
――本作にはさまざまなレースやチャレンジがありますが、開発チームで一番楽しんだのは何ですか?
マット 今回のデモに持ってきたのは2種類だが、ゲーム中には100種類以上のレース・チャレンジがあるわけで、どれが好きかってのは答えられないな。プレイヤーの繋がりを重視していて、12人のプレイヤーがフリーロームからどんどんいろんなレースやチャレンジに挑戦して楽しめるように注力している。
――クルマにMODの機能があったようですが、どんなものがあるんですか?
マット MODはプレイヤーのクルマのカスタマイズのために使う。たとえば、軽いクルマで走っているときに、ピックアップトラックにぶつかられたとしたら辛いよな。でもMODで強化しておけばある程度耐えられるようになるんだ。
――マルチプレイにロビーがないそうですが、特定の友達と遊ぶという時にはどうすればいいですか?
マット マップの画面を覚えているかな? 友達が走っていればそこに表示されるので、クリックすればただちに参加できる。このゲームを遊んでいるあいだはつねにドライブしていて欲しかったので、ロビーで待つのは時間のムダだと思ったんだよね。
――プレイリスト機能があると聞きましたが、レースを並べてリストを作れるんですか?
マット プレイリストはマルチプレイの機能で、レースやチャレンジが束になったものだ。どこにいるかによって生成されるし、プライベートマッチでは自分たちが遊びたいものを集めてリストに追加・削除できる。
――このゲームを3つの単語で表してみてください。
マット レース、チェイス、エクスプロア(探索)。
――ありがとうございました。早く友達とビールを飲みながらクルマをかっ飛ばしたいですよ!
マット (ニヤリとして)まさにそのために作ってるんだ。楽しんでくれ!