開発者Kim Swift氏に訊く

『クウォンタム コナンドラム 超次元量子学の問題とその解法』の開発者に訊く【E3 2012】_01
Kim Swift氏

 新機軸のアクションパズルとして世界中で高い評価を得た『ポータル』。同作のリードデザイナーを務めたKim Swift氏が手掛ける最新作が、『クウォンタム コナンドラム 超次元量子学の問題とその解法』(以下、『QC』)だ。本作は、“ふわふわ”、“おもおも”、“のろのろ”、“さかさま”の4つの次元を切り換え、発明家のおじさんプロフェッサーQのハチャメチャな研究所を探索していくアクションパズルとなっている。

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 E3会期中、多忙を極めたKim Swift氏だが、スケジュールの合間を縫ってお話をうかがうことができたので、その内容をお届けする。

――本作は、『ポータル』と同じアクションパズルというジャンルですが、それぞれのコンセプトの違いについて教えてください。
Kim Swift氏(以下、Kim) 両方ともパズルの要素を取り入れたゲームですが、実際のゲームプレイはまったく異なります。『ポータル』の場合は、ステージの一部にポータルを作って別のところに移動していましたが、『QC』はまわりの環境ごと変えてしまうんです。

――プレイヤーは4つの次元を切り換えながらプレイしていくわけですが、『ポータル』より複雑なのでしょうか?
Kim 難易度としては『ポータル』とそれほど変わらないと思います。そもそも、ゲームプレイの方向性が違うので、一概にどちらが簡単とか難しいとかは言えないのですが……。ただ、『QC』のチュートリアルは非常に丁寧に作っています。

――プレイヤーのアクションが多いぶん、パズル自体を作るのもたいへんだと思うのですが、どうやって作っているのでしょうか?
Kim まず、ステージを作るうえでの大前提として、ふたつのアプローチがあります。ひとつは、ゲームシステムを理解してもらうために入れ込む仕掛けです。どうすればどのような結果になるか、プレイヤーに教え込むわけです。そしてもうひとつは、そこから発展して、応用となる仕掛けです。

――それらを踏まえたステージを作るときに、設計図などを作ったりはしないのでしょうか?
Kim ステージの設計に入る前に、ホワイトボードに概要を書き出すんです。それを精査してゲーム内に実装するのですが、その状態を“グレーボックス”と呼んでいます。このグレーボックスができたら、パズルの仕掛けを知らない人にテストしてもらって、うまく機能するか検証していきます。また、私だけがパズルの仕掛けを考えているわけではなく、チーム全体で考えて作っています。テストでパズルを組み上げられる“アートピース”と呼ばれるセットがあるので、各チームがそれぞれで考えて、アイデアを共有していますね。

――いま考えている新しいパズルゲームはありますか?
Kim 私とチームメンバーは、つねに新しいパズルのアイデアが頭にあります。ですが、当面は『QC』を広げていきたいですね。

――日本のゲームファンに向けてメッセージをお願いします。
Kim このタイトル名は日本人にとって少し言いにくいと聞きました。ごめんなさい(笑)。それでも本作を気にかけて、プレイしてもらえるならうれしいです。私たちは本作を楽しんで作りました。きっとプレイされる皆さんにも楽しんでいただけると思いますので、ぜひプレイしてみてください。